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位牌の由来

位牌は、故人の戒名が記された木牌のことです。位牌は、故人の霊が宿っており、故人の象徴とされています。そのため、葬儀が終わった後は位牌を大切に仏壇へ飾り、故人そのものとして扱われます。

位牌を仏壇へ飾るようになったのは、中国儒教で行われる先祖を祀る儀式において、先祖の官位などを記した位版(いはん)を祀っていたことが由来とされています。位牌に関する儒教の考え方は鎌倉時代に禅宗によって伝えられ、江戸時代には一般的な考え方として普及しています。さらに、お祭りの際に神が宿る物として扱われていた「依代(よりしろ)」の考え方も合わさり、やがて位牌は故人を象徴するものと考えられるようになりました。

位牌2

位牌の種類

位牌には、大きく分けて寺位牌、内位牌、野位牌、本位牌の4種類に分けられます。

内位牌

内位牌は仮位牌あるいは白木位牌とも言われ、白木でできた簡易的な位牌です。故人が亡くなった直後に作られ、枕飾りや葬儀の祭壇に飾られます。内位牌には、故人の戒名は位牌の表側、生前の氏名(俗名)と死亡年月日は裏面に記され、葬儀後まで祀られます。

野位牌

野位牌は、内位牌よりも一回り小さい位牌です。内位牌と同じく白木でできています。野位牌は臨終後すぐに作られ、枕飾りや祭壇へ飾られます。葬儀後は、納骨が終わって墓石に文字が刻まれるまで、その代わりとしてお墓に置いておかれます。

本位牌

本位牌は、一般的には四十九日までの間に作成される木製の位牌です。四十九日の法要において、故人の魂は内位牌から本位牌へと移されます。四十九日以降に仏壇に長く飾られる位牌は、この本位牌です。本位牌には、塗装方法や構造の違いによって、塗り位牌、唐木位牌、繰り出し位牌に分けられます。これらの違いを、以下の表にまとめました

塗り位牌 松やタモなどの白っぽい木材の全面を漆で塗り、淵などを金箔や金粉で装飾した位牌のこと。現在では、漆の代わりにカシュー塗装やウレタン塗装などによって加工されるものが多い。本位牌の中では、最も一般的に使用されている種類の位牌である。
唐木位牌 堅くて緻密性のある素材であるコクタンやシタンなどの唐木に、透明度のある漆塗装やカシュー塗装を施した位牌のこと。唐木の木目が残り、木の温かさが現れている位牌である。
繰り出し位牌 位牌の中に、故人の戒名や命日などが記載された木札が複数枚納められるような作りをした位牌。屋根や扉がついている華やかな位牌や、シンプルなデザインの位牌など、様々な形がある。

寺位牌

自宅の仏壇に本位牌を置くように、菩提寺や本山に安置するために作られた位牌です。位牌を作成して位牌堂に安置される他、既に存在している寺院位牌に追加で名前を彫ってもらう形態もあります。

位牌1

本位牌を用意する上での注意点

先ほどご説明したように、本位牌には様々な種類がありますが、宗派によって決まりはないため、好きなデザインのものを選ぶことができます。ただし、本位牌の大きさを決定する際は、注意が必要です。

ご先祖様の位牌の大きさのものを選ぶ

位牌の大きさは、基本的には、ご先祖様の位牌と同じ大きさのものか、少し小さい位牌を選ぶのが一般的です。その家系にとって、故人がどの位置にいるかによって変わってくることもありますが、それは、大きな功績を遺したなどの特例の場合のみに適用されます。また、デザインは、ご先祖様と同じ形で揃えることも多くありますが、同じデザインのものが販売されていないこともあるため、違うデザインを選んでも問題はありません。

仏壇の大きさに合わせる

位牌はまた、位牌を祀る仏壇の大きさ合う大きさのものを選ぶと良いでしょう。家に仏壇がないという方は、位牌を購入する前に、仏壇を購入することをおすすめします。

位牌3

位牌を選ぼうという段階にある時は、葬儀の準備やその後の整理などに追われ、なかなか十分な時間が取れないことが予想されます。いざ位牌を購入しようと仏具店に行ったのに、仏壇の大きさやご先祖様の位牌の大きさが分からず一度家に戻らなければならなくなった…ということがないよう、仏具店に行く前には予め位牌の大きさや形状をメモするか、細部の写真を撮影しておくと良いでしょう。また、既に戒名をもらっている場合は、戒名の写しや葬儀で使用した内位牌の写真を持参すると、よりスムーズに本位牌を作成することが可能です。

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