おそうしき読本

さいごの「別れ」について考えよう。

column お葬式の「いま」を考える

VOL4

「散骨」という選択

現代の日本にはさまざまなスタイルのお葬式やお墓があり、供養の仕方が多様化しています。「散骨」も、その一つ。近年、散骨の認知度や需要が高まっています。映画などで、海に遺灰をまくシーンを観たことがある人も多いのではないでしょうか? 今回は散骨の意味や方法、注意点などを紹介します。

散骨のタイプと、節度をもって行なうための注意点は?

散骨とは、遺骨を埋葬せずに粉末化し、海や山にまくこと。日本では1990年に初めて散骨が行なわれたそうです。それから25年経ちますが、散骨に関する法律は定められていません。散骨を行なう際は、個々が自然や他人に十分配慮し、節度をもって行なうことが重要。以下に、散骨のタイプと、一般的に考えられている注意点をまとめてみましょう。

散骨のタイプ
海洋散骨…海(外海、近海)にまく
陸上散骨…専用散骨場や国有地などにまく
モンブラン葬…山にまく
空中散骨…ヘリコプターから外海や山にまく
バルーン葬儀…バルーンに乗せて成層圏にまく
宇宙葬…宇宙にまく

 

散骨1

 

散骨を行なう際の注意点
遺骨は骨と分からない程度(2mm以下)に粉砕する
自然を害する副葬品は使用しない
私有地にまいてはいけない
公園や市街地にまいてはいけない
水源となる湖や沼などにまいてはいけない
浜辺や防波堤からまいてはいけない
養殖場、海水浴場の近くにまいてはいけない
一般客が乗船するフェリーなどからまいてはいけない
喪服は着用せず、平服でひっそりと行なう
など。

散骨は個人でも行なえますが、トラブルを避けるために、どこにまくのかは個人で判断しないほうが無難。自治体によっては散骨や散骨場の設置を禁じているところもあります。遺骨を粉砕するのも大変な労力がかかるため、散骨業者に依頼するほうがよいでしょう。なお、海外で散骨する場合は、現地のルールをきちんと把握して従う必要があります。

「散骨」を望む人の気持ちと、遺された家族の気持ちは?

近年、自然葬の一つとして散骨を望む人が増えていますが、その理由は概ね以下の通りです。

お墓に入らず、自然に還りたい
自分の好きな場所・思い入れのある場所に葬られたい
費用が高額だからお墓を建てられない(建てたくない)
親子関係が悪く、いっしょのお墓に入りたくない
お墓を継ぐ者がいない
など。

 

散骨2

 

散骨を望む人は、エンディングノートや遺言書に記しておいたり、家族に口頭で頼んだりします。一方、遺族はどのような気持ちで受け止めるのでしょうか?

遺族全員が「故人の最後の願いだから、望み通りに散骨しよう」とすんなり受け入れられれば、何も問題はありません。しかし、日本人の多くはお墓参りの際、手を合わせて故人に語りかけるもの。「お墓がなかったら、どこに手を合わせればいいの?」「話しかけられないなんて、寂しい」という感情が沸き起こるのは珍しくありません。また、まだ歴史の浅い散骨においては、「お墓に埋葬しないなんておかしい」という考えから反対する人もいます。

遺族に精神的負担をかけないためには、生前にきちんと話し合い、散骨の了承を得ておくことが大切。家族と親戚とのトラブルを防ぐためにも、付き合いの深い親戚の了承も得ておきましょう。

「手元供養」で一部を残す

なお、遺灰を全てまくのではなく、一部だけ手元に残しておく「手元供養」もあります。手元供養では、遺灰をミニ骨壷に入れて自宅に保管するほか、ペンダントなどに加工して常に身に付けることも。「お墓や仏壇がなくても、手を合わせていつでも話しかけられる」「いつも一緒にいられて、身近に感じられる」などの理由から、近年は散骨とともに手元供養の需要も増加傾向にあります。

 

散骨3

 

 

 

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