おそうしき読本

さいごの「別れ」について考えよう。

column お葬式の「いま」を考える

VOL2

増える「香典辞退」。その意味は?

結婚式に招待されたらご祝儀を贈るように、葬儀に参列する場合はお香典を渡すという流れは、日本では古くからの風習となっています。しかし最近では、関西を中心として「お香典を辞退する」葬儀がじわじわと増加してきているようです。長い間続いてきた風習が少しずつ変わりつつあるのは、いったいどのような理由からなのでしょうか。今回は、香典辞退に関する変化と、香典辞退の対応方法についてお話ししたいと思います。

冠婚葬祭における「お金を包む」という風習

海外にはあまりない日本ならではの風習として特徴的なのが、冠婚葬祭におけるご祝儀やお香典の授受です。ご祝儀では「招待された席で受けるおもてなしの分は、自らが負担します」という気持ちがあり、お香典では「突然の不幸での出費が少しでも軽くなりますように」という気持ちが込められています。日本には昔から思いやりや助け合いの精神があり、この温かい気持ちを形で表したものが、ご祝儀やお香典などの風習となって伝わっているのです。

暗黙のきまりをどうとらえるか?

その一方で、冠婚葬祭ではお金を包むのが当たり前となってしまった現在では、その風習にとらわれたくないという人も増えてきています。これは、景気の悪化や少子化、核家族化が進んでいる時代背景が大きく関係してきているようです。また、包む金額も招待された人の気持ちで決めるのではなく、その人が置かれている立場や主催者との親密度に見合った相場の額を包むという暗黙の決まりとなってしまっている点も、ある程度のお金を包むという風習離れが増えてきている理由の一つです。

 

香典辞退1

 

「お香典を辞退する」理由と背景

これらの変化は、お葬式の際に包むお香典にも大きな変化をもたらしています。葬式を執り行う目的が「故人と親しかった人たちを集めて故人を弔うということ」であるにも関わらず、参列者の方から当たり前のようにお金をもらうことに疑問を抱く人がでてきています。お香典もご祝儀と同様、思いやりの心から生まれた風習ではありますが、都市化が進み、ご近所付き合いや親戚付き合いまでも薄くなっている昨今、あまり親しくない方からお香典をもらうことに抵抗を感じる方が増えてきているのも事実です。

 

時代の流れにあわせた柔軟な考えの一つ

また、家族葬などで小さくお葬式を挙げ、通夜振る舞いや香典返しの負担を減らしたいと考える方も増えています。これは、結婚式で仲人さんを立てなかったり、身内だけの結婚式やパーティー形式の結婚式を行ったりするというような変化が出てきているのと一緒ですね。
今まで当たり前とされてきた日本の風習は、時代の流れと共に少しずつ形を変え、現代にマッチする形へと変化してきているのです。古くから伝わる行事を大切にしつつも、新しい時代に対応させようとする柔軟性は、あらゆる文化を吸収・理解してきた日本人の柔軟さゆえかも知れません。

 

香典辞退2

お香典を辞退するときの対応方法

香典辞退をする場合は、参列者に予め伝えておく必要があります。これは、直接電話した場合や案内状を送る際に一言添えるのが良いでしょう。初めてのことでどのように伝えればよいのか不安な場合は、葬儀社に相談すれば教えてもらえます。逆に、参列者の立場で香典辞退の旨を伝えられた場合は、無理に香典を包まない方が良いでしょう。しかし、手ぶらでいくのはしのびないと感じる方は、お供え物や供花を贈るのがおすすめです。

 

故人を弔う気持ちを一番に

香典辞退をする場合もされた場合も、最も大事しになければならないのは、心を込めて故人を弔うことです。時代が変化してきたからといって、これからのお葬式ではお香典辞退するのは当たり前かというと、一概にそうとは言い切れません。風習というのは長い時間をかけて人の心から心へと受け継がれてきたものでもありますので、特に年配の方などは今でもこれらの風習を大切にされている方が沢山いらっしゃいます。そのため、お香典を辞退することに対して不快感を覚える方がいらっしゃることもまた事実です。ですから、どうしてもお香典を渡したいという方がいらしたら、頑なに断らずに受け取った方が良いでしょう。その場合は、きちんと香典返しを送ることを忘れないでください。香典を辞退したいと感じる場合でも、違う思いを持つ人達の気持ちを汲み取りながら、柔軟に対応していくのが良いのではないでしょうか。

 

香典辞退3

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