おそうしき読本

さいごの「別れ」について考えよう。

column お葬式の「いま」を考える

VOL24

日本では土葬はできない?

「日本ではなぜ火葬なのか?」では、日本人のほとんどが火葬される理由についてご紹介しました。99%が火葬されると言われる日本ですが、土葬ができないかというと、決してそういう訳ではありません。

但し、土葬を希望する場合には必要な手続きや条件があります。ここでは、土葬についてご紹介します。


明治初期までは土葬が主流だった

「日本ではなぜ火葬なのか?」でも紹介している通り、現在のように火葬技術が発達していなかった明治初期までは、日本でも土葬が主流でした。火葬は仏教の思想が深く関係しているため、神道派の主張を受け入れた明治政府が1873年(明治6年)に火葬禁止令を布告したこともあります。

但しこれは仏教徒の強い反発で2年後には解除され、それからというもの火葬は増加の一途をたどってきました。

火葬と埋葬の違い

日本の法律では、火葬する場合にも埋葬する場合にも自治体の許可が必要になっています。そのため、許可を得ずに勝手に火葬したり、埋葬したりするのは違法ということになります。

一般的には骨を焼くのが「火葬」、墓地に埋めるのが「埋葬」と考えてしまいがちですが、実は法律を見ると明確に違いがあります。墓地、埋葬等に関する法律の第2条~第4条を見ると、以下のように定められています。
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第2条 この法律で「埋葬」とは、死体(妊娠四箇月以上の死胎を含む。以下同じ。)を土中に葬ることをいう。

第3条 埋葬又は火葬は、他の法令に別段の定があるものを除く外、死亡又は死産後24時間を経過した後でなければ、これを行つてはならない。但し、妊娠七箇月に満たない死産のときは、この限りでない。

第4条 埋葬又は焼骨の埋蔵は、墓地以外の区域に、これを行つてはならない。

この法律を見る限り、「火葬」とは骨を焼くことで、焼いた骨を埋める行為は「埋蔵(まいぞう)」と呼ばれています。

「埋葬(まいそう)」というのは死体そのものを埋める行為のことですので、実はそのまま「土葬」のことを指しているのです。このように、法律では明確に土葬の決まりをうたっているため、禁止は一切しておらず、土葬は法律で正式に認められている方法ということになります。

それにも関わらず、日本では土葬は禁止されていると考えている人が非常に多いのが現状です。

 

土葬1

土葬に関する決まり

土葬に関しては、衛生面などの理由から自治体によって深さを指定しています。深さは地域によって異なりますので、土葬を希望する場合は自治体に問い合わせてみると良いでしょう。
参考に、いくつかの自治体の決まりを上げてみます。

自治体 埋葬の決まり
北海道札幌市 死体を埋葬し、又は改葬しようとするときは、その穴の深さは地表から棺の上面まで1.5メートル以上としなければならない。
福島県白河市 埋葬を行うときの墓穴の深さは、地表から棺の上面まで1メートル以上でなければならない。ただし、焼骨の埋蔵の場合にあっては、この限りでない。
栃木県 死体を土中に葬るには、その深さ地下二メートル以上としなければならない。
和歌山県 埋葬をする場合の穴の深さは、棺の頂面と地表面との間隔が130センチメートル以上でなければならない。
広島県広島市 埋葬については、地表から死体上部まで、2メートル以上の深さを保つこと。
福岡県福岡市 死体を埋葬しようとするときは,その墓穴の深さは2メートル以上としなければならない。ただし,土地により2メートルに達し難い場合は,この限りでない。

このようにみると、1~2メートル以内で定められている自治体が多いようです。

土葬3

土葬禁止地域

墓地、埋葬等に関する法律では、公衆衛生を維持する目的で、各自治体の知事が土葬を禁止する地域を指定する権利を与えています。
このため東京都や大阪府などの都心部では、土葬を禁止している地域があり、この地域に土葬を行うことは違法となりますので注意が必要です。

土葬が法律で禁じられていると考えている人の多くは、この自治体の決まりを国の法律と考えてしまったのかもしれません。

土葬の手続き

自治体で土葬を禁止していないにも関わらず、土葬が少ない原因の一つとして、墓地が土葬を受け付けないことが挙げられます。
土葬をする場合、墓地の管理者が毎月埋葬の状況を自治体に届け出することが義務付けられているため、これを負担に感じる管理者も多いようです。
また、墓地自体が火葬後の骨を埋葬することを前提として作られており、構造的に土葬を受け入れられないという実情もあるようです。

土葬を希望する場合は、自治体への確認と合わせて墓地への確認も忘れず行うようにしましょう。

 

土葬2

 

 

 

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