おそうしき読本

さいごの「別れ」について考えよう。

column お葬式の「いま」を考える

VOL26

秋田のお葬式

秋田では特に納棺を重視する点や、前火葬が中心など、東北地方の中でもお葬式に関する特徴の多い地域です。時とともに失われつつある風習もありますが、色濃く残す地域もあります。ここでは、秋田のお葬式の特徴についてご紹介します。

訃報は二人で行う

秋田では、親族が亡くなった際に訃報を二人組で行う習慣があります。故人の死とお通夜、お葬式の詳細などを二人で知らせて回ります。
最近では必ずと言うわけではないようですが、比較的一般的な習慣として今も残っているようです。

納棺を大切にする

秋田のお葬式では納棺をとても大事にします。そのため、「湯灌(ゆかん)の義」も多くのお葬式で行われている儀式の一つです。

湯灌では、故人の体を湯につけて綺麗に洗い清め、一生の仕事を終えたことへのねぎらいと、浄土へと旅立つ旅支度の意味を持つ納棺の儀式の一つです。
最近ではアルコールで全身を拭きとる「清拭(せいしき)」に置き換えられることも増えていますが、秋田ではまだ多くのお葬式で湯灌が行われており、自宅で遺族が行うことが一般的なようです。
また、枕飾りに仏具や枕団子、一膳飯だけでなく「死華花」を飾るのも特徴の一つです。

死華花とは四華花とも呼ばれる造花で、長い竹串に白い紙を巻き付けて切り込みを入れて花のように散らせたもので、以前は棺の四隅に死華花をおかなければ成仏できないとまで言われるほど重要視されていました。最近では減りつつある習慣ですが、秋田のお葬式では色濃く残っています。

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前火葬

秋田では「前火葬」が主流です。そのため、葬儀は遺骨を祭壇に祀って行います。前火葬の習慣は全国でも非常に少なく、北海道の函館でも秋田と同じく前火葬が行われていますが(北海道のお葬式)、秋田も前火葬が行われる地域の一つです。
なぜ前火葬が行われるようになったかははっきりとしていませんが、雪深い地域のため親族が葬儀に集まるのに時間がかかり、遺体の損傷が進まぬよう事前に火葬を済ませたとか、漁業を優先する必要がある地域であったことなどが一説となっています。
但し地域によっては前火葬を行わない地域もあり、同じ前火葬の場合でも、お通夜の前に火葬を行う場合と、お通夜の後に火葬を行う場合があります。

お通夜の後に火葬を行う地域としては、本庄地区などがあります。

 

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丑の日を避ける

秋田県では、お通夜、お葬式を行うのに「丑の日」「寅の日」を避ける地域があります。由来は定かではありませんが、一説では牛は人や物を引いていく際に使われていたため、丑の日の葬儀を行うと他のものも引いて行ってしまうという、「友引」を避けるのと同じような意味合いで避けられるようになったと言われています。

「寅の日」に関しては、虎は千里行って千里帰ると言われているため、亡くなった人があの世から帰ってきてしまわないように避けるようになったと言われています。その一方で、火葬に関しては「友引」でも行う地域も多いようです。

小銭を置いて焼香   

お焼香の際に小銭を供えるのも秋田の特徴の一つです。焼香を行った後に焼香盆に数十円程度の小銭を乗せます。
これはお香典とは別で、故人があの世に旅立つための手伝いの意味があり、旅人に渡す餞別のようなものと言われています。

この習慣は全国に点在して見られるものですが、特に秋田では色濃く残っているようです。秋田のお葬式に参列する機会があったら、小銭を用意しておくと良いでしょう。

ゆどき

秋田の自治会では「念仏講」や「観音講」といった住民の集まりがあります。もともと「念仏講」は念仏を唱える仏教の修行者の集まりのことを指していましたが、秋田では地域の住民の集まりが念仏講になっています。
お葬式を終えたあとにこの住民たちが集まり、遺族をねぎらう風習として「ゆどき」を行うのも秋田の古くからの風習です。

年配の女性たちが仏教の教えを短歌にした「御詠歌」を詠ったり、大きな長い数珠を皆で繰りながら念仏を唱える「百万遍」の儀式を行ったりします。

このように、秋田のお葬式では他県にはない独自の風習が色濃く残っていますが、そのどれもが家族や隣人を思いやる気持ちから地域に根付いた風習です。
秋田のお葬式に参列する機会があったら、是非参考にしてみて下さい。

 

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