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死後離婚とは

死後離婚とは、配偶者の死亡後に婚姻関係の縁を切ることをいいます。死後離婚が増加傾向にある背景には、夫の死後に姑の世話をしたくないという妻の気持ちが隠れているようです。書面上で夫との縁を切ってしまえば、姑とは赤の他人となり、面倒を見る責任がなくなります。一度婚姻関係を結んだ夫の家族とは死ぬまで一緒と考える時代は、少しずつ終焉へと向かいつつあるのでしょうか。

ひと昔前までは、どんなにひどい仕打ちを受けていても最後まで面倒を見るのが当たり前の風潮がありましたが、現代の考えは少しずつ変わってきています。これは、両親と一緒の家に住むことが減っているなどの時代的変化により、配偶者家族との関係が薄まってきているのが原因と考えられています。

縁あってつながった家族の関係を、夫の死によって簡単に解消してしまうことについては賛否両論あります。ご自身にとってどのような選択が良いのか判断するためにも、死後離婚のメリットとデメリットについて見ていきましょう。

 

死後離婚1

 

死後離婚の手続き

死後離婚をする場合は、配偶者の死後に「姻族関係終了書」を提出することで完了します。姻族関係終了書を出すことで解消されるのは、配偶者の親族との関係です。婚姻関係は、配偶者が亡くなった時点で終了していますので、離婚届を提出する必要はありません。姻族関係終了書を提出すると、配偶者の親族と縁を切ることになります。

 

死後離婚のメリット

夫の家族と縁が切れる

死後離婚のメリットとしてまず挙げられるのは、夫の家族と縁が切れることです。夫との婚姻関係がある間は夫の家族とも家族であるため、夫の死亡後も夫の兄弟や両親の世話をする責任があります。夫の両親が高齢化してくれば、介護が必要になることもあるでしょう。こうなると、金銭的な負担だけでなく、肉体的・精神的な負担が大きくなってくることが予想されます。

夫と死別したある女性は、夫が亡くなった時に姑から言われた言葉が頭から離れず、死後離婚を決意しました。前々から夫の健康管理に関することでがみがみ言われてきた上に、夫の死亡時に「あなたがもっとしっかりしていたら長生きしたのに」という冷徹な言葉をかけられたようです。今までは夫がいるからと我慢してきたようですが、これからは前向きな気持ちで過ごしたいとの想いで、死後離婚という選択をしたようです。

少子化が進む昨今では、一人が複数名の高齢者の面倒を見なければならない事態も起こりえます。自分の親だけで精いっぱいなため、やむを得ず死後離婚を選択することもあるようです。

 

夫と一緒の墓に入らずに済む

夫や夫の両親との仲が悪く、夫と一緒のお墓に入りたくないと思っている場合は、死後離婚はメリットとなるでしょう。離婚すればお墓の管理なども行う必要がなくなるので、お葬式後のお墓の管理や法要などは、夫の家族に任せることができます。

現代では、夫と同じ墓に入りたくないと考える妻の割合が半数以上と、非常に高い数値を示しています。中には、夫の祖先のことは全く知らないので、知らない人達の仲間入りはしたくないと考える人もいるようです。

 

遺産はきちんと受け取れる

死後離婚のもうひとつのメリットは、夫の遺産をしっかり受け取れるところです。夫が亡くなった時には婚姻関係があったため、夫とは死別したと判断されます。死後離婚をしたからといって、夫の死亡時には妻であったことに変わりはないので、遺産相続や年金の受給額などは、死後離婚しない場合と変わりはありません。

 

死後離婚3

 

死後離婚のデメリット

夫の法要に参加できなくなる

夫と死後離婚をすると、夫の法要に出たくても出られないことがあります。夫の家族とは縁を切りたくても夫とは仲が良かった場合は、デメリットとなるでしょう。

 

婚姻関係を二度と戻せない

勢いにまかせて死後離婚をしてしまい、後になってやっぱり婚姻関係を戻したいと思っても、二度と戻すことはできません。死後離婚をした後の夫との関係は完全に断たれてしまうことは、覚悟しておいた方が良いでしょう。

 

引っ越しやお墓の手配など、手間が増えることも

例えば夫の両親などと同居していた場合、死後離婚したら引越しをする必要が出てきます。また、子供がいない場合は、自分のお墓を自分で用意することもあるでしょう。夫と縁を切ることで、何かとすべきことが増える点は、デメリットかもしれません。

 

子供と義両親の関係は切れない

死後離婚によって夫や義父母と縁が切れたとしても、自分の子供と義父母との縁は切れません。夫と死後離婚をすることによって、子供とおじいちゃんおばあちゃんとの仲がこじれる可能性もあります。死後離婚をする場合は、このようなデメリットとなることもしっかりと考えた上で決断するようにしましょう。

 

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