おそうしき読本

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逆さ事とは

逆さ事とは

逆さ事とは、通常の生活には存在しない”死”というものを意識し、死者の世界と日常を区別するために行われることを意味します。古くより死の世界は現実の世界とは真逆の世界があると信じられていたこともあり、逆さ事は言わば風習として葬儀の場で行われるようになりました。かつての日本で葬儀が夜に行われていたことや、現在のお通夜が夜に執り行われる傾向にあるのは、あの世とは昼夜が逆転しているため、向こうの世界が明るい時間帯に送り出そうという考えがあったことが由来です。

逆さ事はあくまで伝統的な風習として長い間日本で根付いた知恵であるため、宗教的な作法からとったものではありません。そのため、地域によっても違いがありますが、ここでは一般的な逆さ事の作法をご紹介します。

 

逆さ事の使い方

逆さ事は、以下のような方法が取り入れられています。

 

逆さ水

水にお湯を注ぎ、適温に調節した水のことです。通常適温に調節する場合はお湯に水を注ぎますが、その逆の工程をふみます。逆さ水は、湯灌で故人の体を洗う際に使われます。

 

逆さ事2

 

逆さ屏風

屏風の絵柄が天地逆になるようにして、故人の枕元に飾ることを逆さ屏風と言います。

 

逆さ布団

故人を布団に安置する際、布団を上下逆にかけることです。

 

北枕

故人の頭が北向きになるように寝かせることを言います。お釈迦様が亡くなられた際、頭を北の方角へ向けていたことが由来です。

 

逆さ事3

 

縦結び

故人の衣装を結ぶ際、通常の蝶結びではなく、縦に結ぶことです。縦結びは、結んだ紐の輪や紐の先が根元の紐と垂直になるように結びます。

 

左前

故人に衣装を着せる際に、衽を右ではなく左を前にして重ねる着せ方です。故人側に右の衽が、そして左側の衽が上にくるように重ねます。

 

逆さ着物

故人に死に装束を着せた後、最期に故人が好きだった着物をかぶせることがあります。この際、上下を逆にし、襟元を故人の脚側へ、裾を故人の首元へ向けてかぶせることを、逆さ着物といいます。また、履かせる足袋を左右逆にするのも逆さ事のひとつです。

この他にも、地域によっては火葬場の行き帰りの道順を変える、洗濯物を逆に干すなどの風習があります。

 

逆さ事1

 

このように、死の世界と今の世界を分けるための工夫として、逆さ事は長きに渡って伝えられてきました。宗教的な儀式ではないため必ずしも行わなければならないことはありませんが、遺族間で話し合い、どこまでを行うかを決めておくとよいでしょう。

 

 

 

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