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仏式のお葬式で必ずといって行われる「読経」。お経にはさまざまな種類があり、各お経には仏教において大切な教えが説かれています。ここでは、読経の意味と、宗派ごとにどのようなお経があるのかをご紹介します。

読経とは

読経は、仏式のお葬式にて僧侶が声をだして経典を読むことを指します。読経は「どっきょう」「どくきょう」などと言われ、これらを短くして「どきょう」と言われることもあります。

読経は、複数の僧侶と行う場合は「諷経(ふぎん)」、朝夕のおつとめとして読まれるものを「誦経(じゅきょう、ずきょう)」「勤行(ごんぎょう)」と言います。また、読経とは反対に、お経を黙読することは「看経(かんきん)」と言われています。

読経の意味

読経は、経典の理解しつつ実践し、他者への布教を目的にする場合と、通夜や告別式、火葬、法事などで祈祷を目的に行われる場合があります。法要における読経では、読経によって得られた徳を故人へ回し向ける「回向(えこう)」の考えによるものとされています。

読経はまた、日常の生活において各家庭で行われることもあります。読経を日常的に行うことで仏の教えを心に刻んで功徳を得、より良い毎日を送るための方法としても活用されています。

仏式にはたくさんの宗派が存在し、それぞれの宗派で読まれるお経にも違いがあります。主にどのようなお経があるのでしょうか。

 

読経01

 

経典の分類

内容別分類「教」「律」「論」

経典は、内容によって「教」「律」「論」に分けられます。「教」は釈迦の教えをまとめたもので、お経といわれるものです。「律」は仏教における行動規範が書かれおり、僧侶が守るべき社会生活上のきまりなどが記されています。「論」は、経や律に書かれている内容を、後世の仏教者がまとめたり注釈したりしたものです。

 

教義別分類「小乗経典」「大乗経典」「密教経典」

経典はまた、協議別に「小乗経典」「大乗経典」「密教経典」の3つに分けられます。「小乗経典」はお釈迦様が弟子達に直接説いた教えであり、原始仏教経典とも言われています。「大乗経典」は、お釈迦様の教えを在家信者へ説くための経典、「密教経典」は大乗経典に属する経典で、密教の奥義を説いたものとされています。

 

読経03

宗教ごとの経典の種類

般若心経(はんにゃしんきょう)

般若心経は、全600巻にわたる大般若経が簡潔にまとめられたものです。智慧で悟りの世界を意味する彼岸へ渡ることを説く経典で、大乗経典の大元にあたります。般若心経は、天台宗をはじめ、真言宗、浄土宗、禅宗などで読まれています。

般若心経で有名な一説は、「色即是空、空即是色」という言葉です。一切のこだわりをなくして心を「空」にすれば自ずと道が開ける。これこそが本当の真理であるという教えです。

 

法華経(ほけきょう)

大乗経典の代表的な経典のひとつであり、鳩摩羅什(くまらじゅう)が訳したもので全8巻28品からなります。法華経は、主に天台宗や日蓮宗で読まれている経典です。

法華経の中で最も重要なのは「自我偈(じがげ)」という部分で、お釈迦様の永遠の成仏が説かれています。

 

浄土三部経(無量寿経、観無量寿経、阿弥陀経)

浄土教の中で重要な経典とされているのは、浄土三部経です。極楽往生を願うものへ念仏を説いている「無量寿経」、極楽往生するための方法論を述べている「観無量寿経」、極楽浄土の様子や往生する方法を説いている「阿弥陀経」の3つから成っています。

浄土三部経は、浄土宗や浄土真宗、時宗にて読まれ、観無量寿経は天台宗でも読まれています。

 

華厳経(けごんきょう)

華厳経は、華厳宗において読まれている経典です。お釈迦様が菩提樹の下で悟りを開いたときの境地を説いたものとされており、華厳経の根本経典として重んじられています。

 

その他のお経

ご紹介したお経の他にも、維摩経(ゆいまきょう)、経集(きょうしゅう)、法句経(ほうくきょう)、涅槃経、開経偈(かいきょうげ)など、さまざまなお経が存在します。

各宗派にて読まれている代表的なお経を、いかの表にまとめましたのでご参照ください。

 

  般若心経 法華経 無量寿経 観無量寿経 阿弥陀経 華厳経
天台宗
真言宗
浄土宗
浄土真宗
禅宗
日蓮宗
時宗
華厳宗

 

読経02

 

 

 

 

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