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このエピソードは、70代の男性がお葬式後に喪服のまま寿司店で食事をした時のことです。店主の不自然な視線を感じながらも、食事を済ませて店を出ようとしたときに背後から「塩まいとけ!」という言葉を聞き、はっとしたという経験が記事になり、様々な場所で議論になりました。

その男性はそれ以来黒いネクタイだけは外すようにしているとのことですが、どうにも腑に落ちないというのが正直な感想のようで、喪服とはそんなに忌み嫌われるものなのか、自分の行動はそんなに非常識だったのかという問いかけで記事は終わっています。

 

喪服飲食店01

「マナー違反ではない」が多数意見

この記事は瞬く間に拡散し、ネットやテレビ番組でも取り上げられました。それに対する意見はまさに賛否両論でしたが、割合としては「喪服を着たまま飲食店で食事するのはマナー違反ではない」との意見が多数で、専門家の見解でもマナー違反ではないとのことでした。

以下に上がった意見の一部をご紹介します。

 

マナー違反ではないという意見

お通夜やお葬式のあとの食事は精進落としになるので、ごくごく普通のことではないか。

お葬式のあとに飲食店に寄ったことは何度もあるが、そんな態度を取られたことは一度もない。店主の度量が狭いのでは。

精進落としに自分の店を利用してもらえるのは大歓迎なので、マナー違反ではないと思う。

お葬式の後にまっすぐ家に帰るほうが違和感を感じる。

自分の住む地域では、お通夜やお葬式の後は飲食店に寄ってから帰宅することが常識になっている

お祝い事の時しか飲食店に寄るなというのは無理がある

 

喪服飲食店02

 

マナー違反だという意見

本人たちは気づいていないと思うが、お葬式帰りの人はお線香の匂いがする。お線香の匂いを嗅ぎながら食事をするのはあまり気分が良くない。

お店には神棚が置いてあったりして縁起を担ぐことも多いので、店主の気持ちもわからないでもない

黒いネクタイは外すのがマナーだと思う

貸切ならともかく、一般客の中に喪服の人が混じると、周りの客がいい顔しないのでは

お葬式のあとに肉や魚を食べること自体がマナー違反なのでは

 

喪服飲食店03

どちらも正しいとも正しくないとも言えない内容で難しい問題です。但し、マナー違反ではないと言う人たちの意見を見る限り、100%非常識な行為ということはなさそうです。だからこそ、記事の男性もどうにも納得がいかなかったのでしょう。

 

マナー違反でなければいい?

前述の意見のように、お葬式後は帰宅前に必ずどこかに寄るのが常識とされている地域もあります。その地域では、お通夜やお葬式のあとに必ずお茶や食事をして帰るほうが当然で、むしろそうしない事のほうが非常識と考えられています。

自宅に入る際にお清めの塩を振ってから自宅に入るのに、他の場所に入るときは塩も降らないのは非常識だと考える人もいます。

これはどちらが正しいという事でもなく、多数決で決められる問題でもありません。

このように、冠婚葬祭の常識やマナーについては年代や地域によっても大きく変わるものです。不快に感じる人も少数ながらいるのであれば、お互いにほんの少しだけ気を遣うのも大人の配慮かもしれません。

投稿の男性のように、黒いネクタイだけは外しておくのも小さな気遣いですね。特に男性の場合はネクタイの色が変わるだけで慶事の服装にもなるため、小さな気遣いだけで随分と周りの印象も変わるはずです。

また、店側が不快に感じたのであれば、他の客に気づかれないようにそっと「ネクタイだけお外しいただけますか」と伝えれば、男性の受け取り側も随分と変わったのではないでしょうか。

冠婚葬祭の常識やマナーは、時代が移り変わる中で少しずつ変化していきます。大切なのは、自分以外の人間への小さな配慮を持つことなのかもしれません。

 

喪服飲食店04

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