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人生を振り返る

市販されているエンディングノートの多くは、自分史を記入するページがあります。エンディングノートの役割は、家族にお葬式への希望や遺品などを整理するための情報、そして家族への感謝の気持ちを伝えることです。そう考えると、自分の人生を書き記す自分史はエンディングノートの本来の目的から外れているように思えます。なぜエンディングノートに自分史を書くページがあるのか、自分史はどんな役割を果たすことができるのか考えてみます。

エンディングノートを書くもうひとつの意味

エンディングノートを書くとき、多くの人は家族の姿を思い浮かべるでしょう。家族と交わした愛情、決して楽しいことばかりではなかった家族との生活、ともに歩んでくれたことへの感謝の気持ちなど、さまざまなことが頭をよぎります。はからずも自分の人生を総括しているのです。

また、エンディングノートは高齢者だけでなく、若い時から書き始めている方も少なくありません。独身のときの家族は両親や兄弟ですが、結婚してからはそこに配偶者が加わり、いずれ子どもや孫も加わっていくでしょう。逆に親が亡くなればエンディングノートの対象からは外れていくわけです。つまりエンディングノートを書くことで、その時々の自分を家族との関係において振り返ることができる、というもうひとつの意味があるのです。この自分を振り返るという行為は自分の歴史をなぞる自分史そのものだと思いませんか。

 

自分史を書くことでわかること

ひとつひとつ自分の歩みを振り返ると、忘れていた家族への感謝、もしかしたら懺悔や後悔の思いが湧いてくるかもしれません。自分史を書くことを通じて、家族やお世話になっている周りの人への感謝や愛情を再確認でき、その思いを大切な人へのメッセージとしてエンディングノートで表現できるわけです。

また、家族だけでなく学校や仕事なども振り返り、自分を見つめなおすことで、明日からの新しい歩みにつながることでしょう。このように考えると、自分史とは自分が亡くなった後に家族に読んでもらうという目的に加え、人生を振り返り新しいスタートを切るためのきっかけにもなるといえそうです。

 

自分史1

自分史の書き方

市販されている多くのエンディングノートの自分史ページは、生まれた時から現在までのできごとを時系列に埋めていく年表をつくるところから 始まります。そして、一言二言感想を添えていきます。そうすることで、徐々に思い出されてきた当時の様子を、少しずつ書いていきます。一度にすべてのこと は思い出せません。何度か繰り返し読みながら記憶を掘り起こして、自分の歴史のピースを埋めていくのです。自分史に限らず、史書は年表を作成し資料を集 め、それらの情報から歴史を書いていくという手法をとります。年表のわきに、成績表や卒業証書、集めていたコレクションやもらったプレゼント、写真などの 資料を置くことで、自分が歩んだ人生が浮かび上がってくることでしょう。ひとりの人生はそれだけで一冊の本になるといわれます。せっかくの機会ですから、 自分史を出版してみるというのも素敵ですね。

 

自分史2

 

 

 

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