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なぜすぐに火葬できないのか

葬儀の日時を決める場合、一般的には火葬日時を決め、そこを基準として通夜や告別式の日時を決定します。火葬と葬儀のどちらを先に行うかは地域や宗教によっても異なりますが、時間調整の融通が効かない火葬時間をまず決めてしまわないと、その他の手配が進みません。

公営と民営の火葬場

火葬場には、公営と民営の火葬場があります。公営の火葬場は民営と比べて安いため、民間の火葬場よりも利用希望者が集まりやすい傾向があります。そのため、すぐに利用したいと思っても、順番待ちになってしまうことがあるのです。また、民間の火葬場自体もあまり数が多いわけではないので、結局同じくらいの時間待つ必要があることも少なくありません。

最近では家族葬や直葬などの形式でお葬式を選び、なるべくリーズナブルな価格で済ませたいと考えている人が増えてきています。このような傾向もあり、公営の火葬場を中心に、火葬場待ちが増えてきているという現状があります。

 

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高齢化と増えない火葬場

火葬場待ちが増えているもう一つの理由は、超高齢化社会に突入したにも関わらず、火葬場がいっこうに増えないことです。つまり、需要に対して、火葬場の絶対数が足りないのです。

しかし、火葬場をつくるといっても、簡単なことではありません。一般的に火葬場は近くにあると嫌がられる施設といわれています。建設計画を立てても近隣の住民の反対に会い、頓挫してしまう例もあります。また、ある程度の敷地を確保する必要もあるため、これらの条件を満たす場所となると、なかなか見つけることが難しいのです。

火葬場の努力だけではおいつかない

もちろん火葬場でも、こういった事態に少しでも火葬待ちを減らせるよう努力をしています。今までは縁起が悪い為に閉めていた友引に試験的に火葬を実施したり、一日に実施していた火葬数をできる限り増やしたり。それでも劇的に充足するのは難しく、依然として火葬待ちの現状は続いているのが現状です。

 

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火葬場待ちで起こる問題

遺体の安置費用

火葬場待ちになってしまった場合に発生するのが、遺体の安置費用です。遺体は、そのままにしておくと日に日に状態が悪化していきます。特に夏場は腐敗が急激に進んでしまうので、ドライアイスなどを絶やさずに遺体を冷やしておく必要があります。季節にもよりますが、ドライアイスは葬儀社に依頼すると1日5千円~数万円かかります。

自宅で遺体を安置する場合、まずは自宅へ遺体を搬送する手立てを考える必要があります。葬儀社が決まっている場合は葬儀社へお願いできますが、エントランスやエレベーターの大きさなど、遺体を運ぶためのスペースが十分にとれるかどうかを確認しておきましょう。また、自宅の中でも遺体を安置できるスペースを確保する必要もあります。

遺体の安置場所

火葬場待ちに発生する費用の他にも、遺体の安置場所に困ることもあります。特にマンションなどの集合住宅に住んでいる方の場合、施設によっては遺体を安置しておけない決まりがあるところも増えているようです。

家に安置できないとなると、葬儀社や民間の遺体保管所などに依頼することになり、さらに費用がかさみます。遺体の安置費用はお願いする先によって大きく異なりますので、お葬式をお願いする葬儀社を決める際には遺体安置費用なども含めて検討した方がよいでしょう。

また、葬儀社や民間の遺体安置所へ安置をお願いする場合、お葬式まで故人との対面時間が十分に確保できないというデメリットがあります。最期のお別れをゆっくりしたかった…という後悔が残らないよう、面会や宿泊が可能な安置室を選ぶことをおすすめします。

 

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気が休まらない

葬儀は、通常亡くなってから日をあけずに行うのが一般的です。会社勤めをしている人は会社に迷惑をかけないように、長くとも死亡から一週間以内には出勤を再開したいものです。火葬までに数日あいてしまった場合、人によっては一度出勤する人もいるようです。故人の死で心が乱れる中、お葬式の段取りだけでなく会社への出勤や火葬までの安置手配などを行うとなると、精神的にかなりの負担になることが予想されます。故人の死をゆっくり惜しむ間もなく、いつひと段落つけるのかと焦る気持ちが出てしまうのは、火葬場待ちで起こる問題のひとつと言えるでしょう。

大切な家族を亡くした悲しみの中で葬儀を行うだけでも負担を感じる上に、火葬にまで頭を悩ますのはつらいことです。しかしこういった現状があることを知っておけば慌てずに落ち着いて対処することができますので、頭の片隅にでも覚えておくと良いかもしれません。

 

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