家族葬5人の費用は100万円前後？内訳から安く抑える方法まで徹底解説

家族葬とは？5人でも問題なく執り行える理由

家族葬の基本的な定義

家族葬とは、故人と生前親しくしていた家族や親族、友人など限られた方々だけで執り行う葬儀形式です。「家族」という名称がついていますが、必ずしも血縁関係者のみに限定されるわけではありません。

一般的な葬儀では多くの参列者への対応に追われがちですが、家族葬では身近な方々だけで故人をゆっくりと偲ぶことができます。近年の社会環境の変化により、このような小規模な葬儀を選択される方が増加しています。

5人という少人数でも全く問題ない

家族葬には明確な人数制限が設けられていません。一般的には10名から20名程度の規模が多いとされていますが、5名でも、場合によっては3名程度の極めて少人数でも執り行うことが可能です。

「少なすぎて失礼にあたるのでは」と心配される方もいらっしゃいますが、葬儀は故人と遺族の想いを最優先に考えるべきものです。参列者の人数よりも、どのような形で故人を送り出したいかという気持ちが大切になります。

5人の家族葬にかかる費用相場と内訳

総額の目安は100万円前後

5人規模の家族葬にかかる費用総額は、おおむね100万円前後が相場となります。内訳としては、葬儀本体の費用が70万円から75万円程度、これに宗教者へのお布施や謝礼として30万円前後が加わる形です。

ただし、葬儀の内容や地域、選択する葬儀社によって金額は変動します。最小限のプランであれば60万円程度に抑えることも可能ですし、祭壇や棺のグレードを上げることで120万円を超えるケースもあります。

詳細な費用内訳を確認

家族葬の費用は大きく分けて3つの項目で構成されています。それぞれの項目について詳しく見ていきましょう。

費用項目	金額の目安	内容
葬儀基本費用	38万円程度	祭壇、棺、遺影、位牌、人件費など
式場使用料	16万円程度	通夜・告別式会場の利用料金
車両費用	8万円程度	寝台車、霊柩車の搬送費用
火葬費用	2万円程度	火葬場の利用料金（公営の場合）
お布施	30万円程度	読経料、戒名料、お車代など
飲食費用	0円〜	通夜振る舞い、精進落としなど（省略可）

人数が少なくても費用が下がりにくい理由

「参列者が5人なら費用も大幅に安くなるのでは」と考える方も多いでしょう。しかし実際には、人数が少ないからといって葬儀費用が大きく減少するわけではありません。

その理由は、式場使用料や祭壇費用、火葬費用などの基本的な項目は、参列者数に関わらずほぼ一定だからです。10人以下の少人数専用の小規模な式場は数が限られており、結果的に10名程度の規模と同じ会場を利用することになります。

人数によって変動するのは主に飲食費用や返礼品の費用です。5人規模の家族葬では通夜振る舞いや精進落としを省略するケースも多く、この点で支出を抑えることができます。

5人規模の家族葬を選ぶメリット

遺族の身体的・精神的負担を軽減

5人程度の小規模な家族葬の最大のメリットは、遺族にかかる負担を大幅に減らせることです。参列者が少ないため、挨拶回りや対応に追われることがほとんどありません。

特に本当に近しい親族だけであれば、形式的な挨拶も不要になります。葬儀の前後は誰もが心身ともに疲弊している時期です。少人数にすることで、故人を偲ぶことに集中できる環境が整います。

故人との別れの時間をゆったりと確保

参列者が少ないということは、それだけ一人ひとりが故人と向き合う時間を十分に取れるということです。バタバタと慌ただしく進行する葬儀ではなく、心ゆくまで思い出を語り合い、感謝の気持ちを伝えることができます。

葬儀の進行時間にも余裕が生まれます。5人規模であれば通夜は40分程度、告別式も同様に40分程度で済むため、時間的な拘束も最小限に抑えられます。

葬儀内容を自由に決められる柔軟性

参列者が多い一般的な葬儀では、様々な立場の方への配慮が必要となり、形式や内容が制約されることがあります。一方、5人という少人数であれば、故人の生前の希望や家族の想いを最大限に反映させた葬儀を実現できます。

宗教儀式の有無、音楽の選択、飾る花の種類など、細部まで自由に決められるのは家族葬ならではの利点です。故人らしさを表現した、心のこもった送り方が可能になります。

5人の家族葬における具体的な流れ

危篤から納棺までの準備段階

病院などで医師による死亡確認が行われた後、まず葬儀社へ連絡します。葬儀社が手配した寝台車で遺体を搬送しますが、この際に家族1名から2名程度であれば同乗が可能です。

搬送先は自宅、葬儀社の安置施設、または葬儀場などから選択します。法律により死亡後24時間は火葬できないため、最低でも1日は遺体を安置する必要があります。この時間を利用して、葬儀の詳細な打ち合わせを葬儀社と行います。

通夜・告別式の当日

通夜は通常、夕方18時頃から開始されます。5人という少人数であれば、所要時間は40分程度で終了します。親しい身内だけですので、堅苦しい雰囲気ではなく、故人を偲ぶ温かな時間となるでしょう。

翌日の告別式も同様に、人数が少ないため一般的な葬儀よりも短時間で執り行われます。式の後は出棺し、霊柩車で火葬場へ移動します。火葬には火葬許可証が必要となりますので、事前に準備を忘れないようにしましょう。

初七日法要までの対応

本来、初七日法要は故人が亡くなってから7日目に行う儀式ですが、現代では遠方からの参列者への配慮などから、告別式と同日に「繰り上げ初七日法要」として執り行うケースが増えています。

5人という少人数であれば、家族の都合に合わせて柔軟に日程を調整することも可能です。葬儀社や宗教者と相談しながら、最適なスケジュールを組み立てましょう。

家族葬の費用を抑える実践的な方法

複数の葬儀社から相見積もりを取る

葬儀費用を適正な価格に抑えるために最も効果的な方法は、複数の葬儀社に見積もりを依頼することです。同じ内容の葬儀でも、葬儀社によって料金設定が大きく異なることがあります。

ただし、金額だけで判断するのは危険です。安価なプランの場合、必要なサービスが含まれていない可能性もあります。プラン内容を細かく確認し、追加費用の有無についても事前に確認しておくことが重要です。

公営の斎場を活用する

式場使用料を抑える方法として、公営の斎場の利用が挙げられます。民間の式場に比べて使用料が安価に設定されているケースが多く、地域住民であればさらに割引が適用される場合もあります。

ただし、公営斎場は人気が高く予約が取りにくいことがあります。また、設備やサービス面では民間施設に劣る場合もあるため、事前に見学して確認することをお勧めします。

祭壇や棺のグレードを見直す

祭壇や棺には様々なグレードが用意されており、選択するものによって費用が大きく変わります。豪華な装飾や高級な素材を選べば当然費用は上がりますが、シンプルなものでも故人を送る気持ちは変わりません。

花の種類や量、棺の材質などを実用的なレベルに抑えることで、数十万円単位での節約が可能になります。見栄を張らず、身の丈に合った選択をすることが大切です。

飲食の提供を省略または簡素化

5人という少人数の家族葬では、通夜振る舞いや精進落としを省略するケースが増えています。親しい身内だけですので、改まった食事の席を設けずとも失礼にはあたりません。

もし飲食を用意する場合でも、料理の内容を簡素にすることで費用を抑えられます。一人あたり1500円から3000円程度の予算でも、十分な対応が可能です。

自治体の補助制度を活用

多くの自治体では、葬祭費の補助制度を設けています。国民健康保険加入者であれば5万円程度、後期高齢者医療制度の加入者であれば3万円から7万円程度の給付が受けられる場合があります。

また、生活保護を受給している世帯であれば、葬祭扶助制度により葬儀費用の補助を受けられる可能性があります。自治体の窓口に相談してみることをお勧めします。

5人の家族葬を執り行う際の注意点

参列しない親族への事前の説明

5人という限定された人数で家族葬を行う場合、参列しない親族との間でトラブルが生じる可能性があります。「なぜ呼んでくれなかったのか」という不満が後から出ることは珍しくありません。

このような事態を避けるためには、葬儀を執り行う前に関係する親族へ連絡し、家族葬の意向を説明して理解を得ておくことが重要です。葬儀後には、滞りなく終了したことを改めて報告しましょう。

葬儀後の弔問対応の準備

家族葬を行った場合、葬儀に参列できなかった方が後日自宅へ弔問に訪れるケースがあります。四十九日法要後や納骨後に、家族葬を執り行ったことを知らせる通知を送ることが一般的です。

弔問を受ける準備として、最低限の香典返しの品を用意しておくと安心です。訪問される方への対応についても、家族内で事前に話し合っておきましょう。

プラン内容の詳細確認を怠らない

葬儀社が提示するプランには、5人以上の参列者を想定した返礼品や飲食費が含まれていることがあります。不要な項目が入っていないか、逆に必要なサービスが含まれているか、細かく確認することが大切です。

特に「基本プラン〇〇万円」という表示には注意が必要です。実際には多くの追加費用が発生し、最終的に想定を大きく超える金額になることもあります。見積書の内容を一つひとつ確認し、不明な点は必ず質問しましょう。

費用負担について家族間で事前協議

葬儀費用の支払いについて、家族間で事前に話し合っておくことも重要です。喪主が全額負担するのか、兄弟姉妹で分担するのか、それぞれの経済状況に応じてどのように負担するのかを決めておくとトラブルを防げます。

後から「聞いていない」「そんな金額は出せない」という問題が起きないよう、金額の目安が分かった時点で家族会議を開くことをお勧めします。

家族葬以外の選択肢も検討する

直葬という最小限の形式

さらに費用を抑えたい場合や、宗教儀式を必要としない場合は、直葬という選択肢もあります。直葬とは、通夜や告別式を行わず、火葬のみを執り行う形式です。

費用は20万円から40万円程度と家族葬よりも大幅に抑えられます。ただし、故人とゆっくりお別れする時間が限られるため、後悔が残らないよう慎重に検討することが必要です。

一日葬で時間的負担を軽減

通常の家族葬は通夜と告別式の2日間にわたって執り行いますが、一日葬は1日で全ての儀式を完結させる形式です。遠方からの参列者がいる場合や、高齢の遺族の負担を考慮する際に選ばれることがあります。

費用は家族葬とほぼ同程度ですが、式場使用料が1日分で済むため若干抑えられる場合があります。ただし、1日で全てを済ませるため、ゆっくりとお別れする時間が取りにくい面もあります。