家族葬
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家族葬特集
記事公開日:2025.12.08/最終更新日:2025.12.08
記事公開日:2025.12.08
最終更新日:2025.12.08
家族葬での挨拶はどうすればいい?使える例文と注意点を紹介
家族葬というのは、故人とごく近しいご家族や親族、あるいはごく限られた親しい方々だけで営む小規模なお見送りです。
近年、参列者を絞り込み、静かに、そして心を込めて見送るこの形式が選ばれる機会が増えています。一方で、参列者の範囲や香典の取り扱いなど、通常の葬儀とは異なる配慮やマナーが求められるのも事実です。
そこで本記事では、家族葬での「挨拶」に焦点をあて、基本的なマナーから、喪主・親族・参列者それぞれの挨拶例、さらにはどのような言葉・表現を避けるべきかについて、順に詳しく解説してまいります。
家族葬での挨拶の基本とマナー

家族葬の挨拶は、形式を整えること以上に、限られた参列者へ丁寧に気持ちを伝えることが軸になります。
ここでは、一般葬との違いから挨拶の狙いを押さえ、続いて実際にどの場面で言葉を掛けるべきかを整理します。
一般葬との違いと挨拶の目的
家族葬の挨拶は「多くの関係者に向けた公的な案内」ではなく、「近しい人たちに気持ちを共有する言葉」です。
一般葬では、社会的なつながりを踏まえた肩書の紹介や弔問への広い御礼が中心になりがちですが、家族葬では参列者の顔ぶれが限られるため、故人への想いと参列への謝意を簡潔に、落ち着いた言葉で伝えることが大切です。
例えば、経歴の詳細説明よりも「本日はお時間を割いて見送ってくださり、心から感謝しています」「生前のご厚情に深く御礼申し上げます」といった、相手に負担をかけない表現が適しています。
結果として、目的は三つに絞られます。参列への御礼、式の趣旨や流れの簡単な共有、そして故人と家族の気持ちの橋渡し。過不足なくこの三点を押さえることで、穏やかな式の雰囲気を保ちつつ、言うべきことが伝わりやすいでしょう。
家族葬で挨拶が必要な場面
家族葬では、言葉を添えるべきタイミングをあらかじめ決めておくと安心です。基本は「始まり・区切り・締め」の三場面です。
開式時には喪主が「お集まりいただいた御礼」と「本日の進行」を手短に伝えましょう。告別・出棺前の区切りでは「お別れの時間をともに過ごせた感謝」と「今後の対応(香典・供花への返礼や後日の連絡)」を案内すると混乱が避けられます。
最後の締め(通夜ぶるまい開始前や解散時)には「お気をつけてお帰りください」など体調や移動への気遣いを一言添えると印象が柔らかくなるでしょう。加えて、会場外でも挨拶は生じます。
弔電・供花・供物が届いたときの受領連絡、後日の弔問希望への対応、会葬礼状の送付などです。これらを想定して短い定型文を用意しておけば、当日も後日も慌てずに礼を尽くせます。
喪主・親族・参列者別の挨拶例文

家族葬では、参列者の人数が限られる分、挨拶の一言ひとことがより心に届きやすくなります。そのため、形式的な言い回しよりも、自然な口調で感謝や故人への思いを伝えることが大切です。
ここでは、喪主・親族代表・友人や参列者といった立場別に、実際に使える挨拶文例を紹介します。
喪主の挨拶(通夜・告別式)
喪主の挨拶は、家族葬全体の印象を決める大切な場面です。短くても心を込めた言葉で、参列者への感謝と故人への思いを伝えることが何より重要です。形式にとらわれすぎず、落ち着いた口調で話すことで、自然と温かみが伝わります。
<例文:通夜での挨拶>
「本日はご多忙の中、○○の通夜にお越しいただき、誠にありがとうございます。喪主の△△(故人との関係)でございます。生前は皆様より多くのご厚情を賜り、家族一同、心より感謝申し上げます。突然のことでまだ気持ちの整理がつかない状況ではございますが、本日こうして皆様にお集まりいただけたこと、故人もきっと喜んでいることと思います。短い時間ではございますが、どうぞ故人との思い出を偲び、ゆっくりとお過ごしください。」
<例文:告別式での挨拶>
「本日はお忙しい中、○○の告別式にご参列いただき、誠にありがとうございます。喪主の△△でございます。生前、故人が皆様に支えられ、穏やかに過ごせましたこと、改めて御礼申し上げます。おかげさまで本日の式を無事に終えることができました。これからは残された家族で支え合いながら、故人の思いを胸に過ごしてまいります。本日は誠にありがとうございました。」
親族代表の挨拶例文
親族代表として挨拶を行う場合は、喪主の負担を軽減する役割も担います。堅苦しすぎず、参列者への感謝と故人への思いを丁寧に伝えるのが理想です。葬儀が落ち着いた雰囲気で進行するよう、穏やかでゆったりとした口調を意識しましょう。
<例文>
「ただいまご紹介にあずかりました、故人○○の姉(兄)でございます。本日はお忙しい中、○○の葬儀にご会葬くださり、心より御礼申し上げます。生前は皆様に温かいお付き合いをいただき、本人も大変感謝しておりました。家族葬という形ではありますが、皆様とこうして故人を偲ぶ時間を持てたことをありがたく思っております。これからも、故人が大切にしていたご縁を私どもも大切にしてまいります。本日は誠にありがとうございました。」
友人・参列者側の挨拶文例
家族葬に招かれた友人や参列者が言葉をかける際は、長く話す必要はありません。喪主やご遺族への配慮を忘れず、故人との思い出や感謝の気持ちを簡潔に伝えるのが望ましいです。沈黙が多い空間でも、真摯な一言が十分に心に残ります。
<例文>
「本日はお招きいただき、誠にありがとうございます。私は○○の友人の□□と申します。○○さんとは学生時代からの付き合いで、いつも明るく、周りを笑顔にしてくれる方でした。まだ信じられない気持ちでいっぱいですが、今日は皆様と一緒に○○さんを見送ることができ、心から感謝しております。ご遺族の皆様もお疲れが出ませんよう、どうぞご自愛ください。本日は本当にありがとうございました。」
挨拶で避けたい言葉・表現

ここでは、家族葬の場で思わず口にしてしまいがちな「不適切になりやすい言い回し」と、相手に負担をかけないための話し方のコツを整理します。
不適切になりやすいフレーズ例
葬儀の場では、「重ね重ね」「たびたび」「またまた」といった忌み言葉、「死ぬ」「亡くなった」「終わった」といった直接的な表現、「ご冥福をお祈りします」が宗派によって抵触する可能性のある言い方、さらに「頑張ってください」「元気を出してください」のような励ましすぎる言葉などが避けられます。
これらはいずれも、不幸が繰り返されるという印象を与えたり、悲しみにある相手にプレッシャーを感じさせたりする恐れがあるためです。
例えば「重ね重ね御礼申し上げます」ではなく「改めて御礼申し上げます」、「死を直に表す言葉」ではなく「ご逝去されました」など、言い換えで穏やかな雰囲気に整えるのが望ましいです。
さらに宗派が不明な場合は「心よりお悔やみ申し上げます」「安らかにお眠りください」といった中立的な表現に留めると、参列者やご遺族の心遣いに沿う挨拶が可能になります。
丁寧かつ簡潔に伝えるためのコツ
挨拶を準備する際は、構成をシンプルに保つことが肝心です。まずは「本日はご多忙の中お越しいただき、誠にありがとうございます」といった参列者への感謝の言葉を述べ、その後に「故人も皆様に見守られ、安らかに旅立ちましたと存じます」といった哀悼の意を示しましょう。
そして「今後とも変わらぬお力添えを賜りますようお願い申し上げます」と今後へのお願いを添えて締めくくると、流れが整います。話す時間はおおむね1〜2分ほど、声のトーンは静かで落ち着いた口調が好ましく、早口にならず一言ずつ丁寧に発することで、相手に誠意が伝わります。
また「お天気が悪い中お集まりいただき恐縮です」「どうぞお気をつけてお帰りください」と対参列者への気配りを忘れずに添えることで、場にふさわしい挨拶となるでしょう。
まとめ
家族葬は、時代の変化とともに多くの人に選ばれるようになった、心を大切にする葬儀のかたちです。形式にとらわれず、親しい人たちだけで穏やかに見送ることで、故人との最後の時間を丁寧に過ごせるという魅力があります。
その一方で、葬儀の準備や進行、費用の管理などを家族自身で担う必要があり、思いのほか手間や不安を感じる場面も少なくありません。
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