家族葬
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家族葬特集
記事公開日:2025.12.10/最終更新日:2025.12.11
記事公開日:2025.12.10
最終更新日:2025.12.11
家族葬の香典はいくら包む?親族・友人・職場別に相場を紹介
家族葬では、従来の大規模な葬儀のように多数の参列者を招くのではなく、遺族やごく親しい親族・友人のみで静かに見送るスタイルが一般的です。
近年、このような少人数での葬儀が増加してきた背景には、家族構成の変化や社会的つながりの希薄化、そして「形式よりも故人との時間を大切にしたい」という価値観の変化が挙げられています。
一方で、参列者の範囲が限定される分、「香典(こうでん)をどうすべきか」「辞退の意向が示されている場合はどう対応すべきか」など、マナー面で悩まれる方も少なくありません。そこで本記事では、家族葬における香典の考え方・相場・マナーを、親族・友人・職場など関係別にわかりやすく整理していきます。
家族葬での香典の考え方

ここでは、まず香典を用意すべきかどうかを判断するための「確認するタイミング」、そして、なぜ最近「香典辞退」が増えているのかという背景について詳しく解説します。
香典の有無を確認するタイミング
家族葬に参列する際には、香典をどうするかを早めに確認しておくことがポイントです。まず、受け取った案内状や訃報に「御香典はご辞退ください」「香典受付は行いません」といった一文がないかをチェックします。
案内にその記載があれば、香典を用意せずに参列しても問題ありません。逆に案内に特に記載がない、受付が設けられていないといったケースでは、事前に遺族または葬儀社へ香典の可否を問い合わせると安心です。
このように、香典の有無を判断するタイミングをきちんと設けることで、参列側も遺族側も円滑に対応できます。
家族葬では「香典辞退」が増えている理由
近年、家族葬を選ぶケースにおいて香典を辞退する遺族が増えてきているのにはいくつかの理由があります。
まず、葬儀を簡素に、内輪で落ち着いて執り行いたいという考えが背景にあります。参列者や規模を限定することで、通夜ぶるまいや大人数対応、香典返しなどの負担を軽減できるためです。
また、「参列者に余計な負担をかけたくない」「金銭面は家族だけでどうにかしたい」といった遺族側の配慮も、香典辞退の背景として指摘されています。このような事情から、家族葬で香典を辞退することは、単に形式的な選択でなく「参列者・遺族双方の負担を減らすための配慮」として捉えられるようになっています。
家族葬の香典相場【関係別】

家族葬では参列者の範囲が限られるため、香典の金額も関係性によって異なります。ここでは、親族・友人・職場関係といった立場別に、一般的な相場の目安と考え方を紹介します。
親族・親兄弟の場合の相場
親族や兄弟姉妹といった近しい関係では、他の参列者よりも高めの香典を包むのが一般的です。自分の親が亡くなった場合は5万〜10万円、祖父母であれば1万〜3万円程度が目安です。
兄弟姉妹や叔父叔母の場合は、3万〜5万円前後が多く見られます。金額は年齢や立場によっても異なり、社会人になったばかりの20代なら無理のない範囲で3万円程度でも問題ありません。
いずれの場合も、形式よりも故人や遺族への思いを重視し、家計や立場に応じた金額を包むことが大切です。香典は金額がすべてではなく、心を込めた金額設定が参列者としての配慮となります。
友人・知人・ご近所の場合の相場
友人や知人、または近所付き合いのある方への香典は、関係の深さや自分の年代によって金額が変わります。一般的には5千〜1万円程度が多く、特に20代や学生の場合は5千円程度が目安とされています。
親しい友人であれば1万円を包む人も少なくありません。一方で、近所付き合いなど日常的な関係にとどまる場合は、3千〜5千円ほどが一般的です。地域の慣習によって差が出ることもあるため、迷ったときは周囲の人や葬儀社に確認すると安心です。
また、自分の立場や故人との関係性を振り返り、金額に無理がない範囲で対応することが望まれます。
会社関係・職場関係者の場合の相場
会社の上司や同僚、取引先など、職場関係での香典相場は5千〜1万円程度が標準的です。直属の上司や部下など、日頃から関わりの深い相手であれば1万円、同僚や関係が浅い場合は5千円前後が目安といえます。
社内で複数名が連名で包む場合は、ひとりあたり3千〜5千円ほどになるケースも多く見られます。また、企業全体として弔意を示す場合は会社名義でまとめて贈ることもあるでしょう。社内ルールや慣例に合わせて、個人で包むかどうかを事前に確認することが重要です。職場ならではの立場や規模感まで含めて判断すると、より自然な対応ができます。
香典マナーと渡し方の注意点

ここでは、香典を包む際に必要となるマナーと、実際に渡す際の作法について、それぞれ「袋の選び方・表書きの書き方」「渡すタイミングと挨拶の仕方」「辞退された場合の対応マナー」に分けて解説します。
香典袋の選び方と表書きの書き方
香典袋の選択と表書きの記入には、宗教・宗派・儀式のタイミングなどに応じた適切な配慮が求められます。
まず、袋の種類は一般的に白黒または白銀の水引が掛かった不祝儀袋を用い、仏式では通夜や葬儀時に「御霊前」、四十九日以降には「御仏前」と表書きするのが通例です。故人の宗派が不明な場合は「御霊前」が無難とされています。
外袋の水引の下には贈り主の氏名をフルネームで記入し、中袋(または裏面)には住所・金額を縦書きで記すのが基本です。また、金額は改ざんを防ぐために旧漢字(例:壱・弐・参・萬)を使い、「金伍仟圓」といった表記が丁寧とされています。書き方一つひとつに意味があるため、慌てず丁寧に作成することが重要です。
渡すタイミングと挨拶の仕方
香典は、参列した儀式の受付時、または遺族・葬儀会社に直接手渡すタイミングで行うのが一般的です。
お通夜と葬儀・告別式の両方に出席する場合には、お通夜でお渡しするのが通例とされており、両方で香典を出してしまうと「不幸が重なる」という意味合いを生むとして避けられています。
渡す際には袱紗(ふくさ)に包んだ香典袋を両手で差し出し、言葉として「この度はご愁傷さまです」「お供えさせていただきます」といった簡潔なお悔やみを添えます。受付が設けられていない家族葬等では、遺族に直接渡すか遺族の指示に従うことが望ましいでしょう。
辞退された場合の対応マナー
最近では、家族葬などの場面で遺族が「香典辞退」の意向を示すケースが増えており、案内状・訃報通知・受付時の掲示などで確認できることがあります。
香典辞退と明記されている場合には、無理に金銭を包むのではなく、弔電・供花・お悔やみ状など形を変えた弔意の表し方を選ぶことが礼儀です。また参列できなかった場合や訃報を後から知った場合でも、香典辞退の有無を確認し、遺族の意向を尊重してから、自宅訪問や郵送という形で香典を届けるかを判断します。遺族の負担を増やさず、故人への敬意を静かに示すことが大切です。
まとめ
家族葬は、近年のライフスタイルや価値観の変化に合わせて広がっている葬儀の形です。身近な家族や親しい友人のみで執り行うことで、形式にとらわれず、静かに故人との時間を過ごせる点が大きな魅力です。一方で、香典の有無や渡し方、辞退への対応など、従来の葬儀とは異なる配慮が求められる場面もあります。
こうした細やかなマナーを一つひとつ確認しながら準備を進めるには、信頼できる葬儀社のサポートが欠かせません。その点で、「はないろ」は、全国各地に専用式場を展開し、24時間365日いつでも相談できる体制を整えています。まずは「家族葬はないろ」へ資料請求や相談をしてみてはいかがでしょうか。