家族葬の香典返しの時期はいつまで？【プロが解説】基本マナーと金額相場

家族葬の香典返しを贈る時期は忌明け後1か月以内が基本

結論から言うと、家族葬の香典返しは「忌明け（きあけ・いみあけ）から1か月以内」に相手の手元に届くように贈るのが基本マナーです。

まず押さえるべき基本の時期は忌明け（四十九日）

この期間を「中陰」と呼び、49日目の「四十九日法要」で故人が成仏するとされています。

香典返しは、この忌明けを無事に終えたことの報告と、弔事を滞りなく終えられたことへの感謝を伝える贈り物です。そのため、忌明け後に贈るのが正式なマナーとされています。

当日返し（即日返し）としなかった場合は後返しで対応

葬儀当日に香典返しを渡すことを「当日返し（即日返し）」と言います。一般的な葬儀では準備されますが、参列者が限定される家族葬では、香典を辞退するケースや、誰からいくらいただくか予測しづらいことから、後日改めてお返しをする「後返し」が主流です。

後返しは、いただいた金額に合わせて品物を選べるため、より丁寧な対応ができるというメリットがあります。

宗教別：香典返しを贈る時期の目安

宗教ごとに忌明けとされるタイミングが異なります。以下に主な宗教ごとの期限をまとめました。

宗教/宗派	忌明けの儀式	時期の目安（亡くなってから）	お返しを贈る時期
仏教	四十九日法要	49日目	法要後～1か月以内
神道	五十日祭	50日目	五十日祭後～1か月以内
キリスト教（カトリック）	追悼ミサ	30日目	ミサの後、速やかに
キリスト教（プロテスタント）	召天記念式（記念集会）	約1か月後	記念集会の後、速やかに

【やることリスト】香典返しの準備スケジュール

「いつまでに何をすればいいの？」という不安を解消するため、具体的な準備スケジュールをリスト化しました。全体の家族葬 流れの中でも重要な手続きです。

葬儀後すぐ～2週間：リスト作成・予算決め

まずは誰に、いくらのお返しをするか確定させる作業から。

• 1.香典帳の整理
• 2.リストの作成
• 3.予算の決定

忌明け2週間前まで：品物・挨拶状の決定

リストが完成したら、具体的な品物と挨拶状の準備です。

• 1.品物の選定
• 2.挨拶状の準備

品物を購入するのは、百貨店やギフト専門店のほか、ネット通販も便利です。

忌明け（四十九日）後：発送手配

いよいよ最終段階。忌明けを迎えたら、速やかに発送手続きを行いましょう。

• 1.最終確認
• 2.発送

先にも紹介したように、遅くとも忌明け後1か月以内には相手に届くように手配しましょう。

万が一香典返しの時期が遅れた場合の対処法とマナー

準備が間に合わず、万が一香典返しを贈る時期が遅れてしまった場合でも、決して焦る必要はありません。大切なのはその後の対応です。

遅れても必ず贈るのがマナー

「時期を過ぎてしまったから…」と香典返しを贈らないのは、最も失礼な行為。遅れたとしても、感謝の気持ちを伝えるために必ず贈りましょう。

相手もこちらの事情を察してくれることがほとんどです。

例文付き：お詫びの言葉を添えるのが重要

時期が遅れてしまった場合は、挨拶状に一言お詫びの言葉を添えるのがマナー。これにより、誠意が伝わり丁寧な印象になります。

【お詫びの例文】
本来であれば忌明け後すぐにご挨拶申し上げるべきところ、諸事情取り紛れておりましたため、ご挨拶が遅れてしまいましたこと、深くお詫び申し上げます。

家族葬における香典返しの金額相場

家族葬 香典返し 時期が分かったら、いくらのものを贈るのか。香典返しの金額は、いただいた香典の額に応じて決めるのが基本です。

基本は半返し（半額返し）

香典返しの基本的な金額相場は「半返し」と言われ、いただいた香典の半額程度の品物をお返しするのが一般的です。

たとえば、1万円の香典をいただいたら5,000円程度の品物を選びます。

高額な香典をいただいた場合は3分の1でもOK

親族などから5万円、10万円といった高額な香典をいただくこともあります。この場合は必ずしも半返しにこだわる必要はなく、3分の1程度の金額の品物をお返ししても失礼には当たりません。

高額すぎるお返しは、かえって相手に気を遣わせてしまう可能性があるためです。

会社・連名でいただいた場合の金額と対応

「〇〇部一同」のように、会社や部署などから連名で香典をいただくケースもあります。この場合の家族葬の香典 相場の考え方は以下の通り。

• 1人あたりの金額を計算：香典の総額を人数で割り、1人あたりの金額が3,000円程度までなら、全員で分けられるお菓子などをお返しするのが一般的
• 個別に渡す場合：1人あたりの金額が高い場合は、それぞれの人に個別でお返しをする

相手を想う気持ちが伝わる家族葬の香典返し品物選び

品物選びは、マナーを守りつつ、相手への感謝の気持ちが伝わるものを選びましょう。

香典返しの定番は消えもの

香典返しでは、不幸を後に残さないという考えから、使ったり食べたりするとなくなる「消え物」が定番です。

• 食品：お茶、コーヒー、海苔、お菓子、調味料など
• 日用品：洗剤、石鹸、タオルなど

相手に選んでもらう配慮：カタログギフト

近年、香典返しで人気があるのがカタログギフト。相手が好きなものを選べるため、「何を贈ればいいかわからない」という悩みを解決してくれます。

また、金額が相手に直接伝わりにくいというメリットもあり、弔事用の落ち着いたデザインのカタログも豊富です。

これはNG！香典返しで避けるべきタブーな品物リスト

お祝い事を連想させるものや、殺生をイメージさせるものは、香典返しにはふさわしくないとされています。

• 四つ足生臭もの：肉、魚など
• お祝いの品：昆布、鰹節、お酒など
• 商品券：金額が直接わかってしまうため、目上の人には失礼と捉えられることがある

【そのまま使える例文付き】家族葬の香典返しに添える挨拶状の書き方

香典返しには、感謝の気持ちを伝える挨拶状を添えるのが丁寧なマナー。ここでは、基本的な構成と、そのまま使える家族葬 挨拶状 例文を紹介します。

挨拶状に必ず含めるべき5つの構成要素

• 頭語と時候の挨拶（「拝啓」「敬具」など※句読点は使わないのが慣例）
• 香典へのお礼
• 忌明け法要を終えたことの報告
• 香典返しの品物を贈った旨
• 略儀ながら書面で挨拶を済ませることへのお詫び

宗教・宗派別のい挨拶状例文（仏式・神式・キリスト教式）

宗教によって言葉遣いが異なります。故人の宗教に合わせて使い分けましょう。

【仏式】
先ほど　亡父〇〇儀　葬儀の際はご多忙中にもかかわらずご鄭重なるご厚志を賜り誠に有難く厚く御礼申し上げます
お陰をもちまして　この度　四十九日の法要を滞りなく相営むことができました
つきましては供養のしるしまでに心ばかりの品をお届けいたしましたので何卒ご受納賜りたくお願い申し上げます

【神式・キリスト教式】
先日はご多忙中にもかかわらずご鄭重なるご弔慰を賜り誠にありがとうございました
お陰様で葬儀も滞りなく済みました
つきましては心ばかりの品をお贈りいたしましたのでお納め頂ければ幸いです

神式やキリスト教式では「供養」「成仏」といった仏教用語は使いません。

家族葬だったことを伝える際のポイント

家族葬で執り行ったことを伝える場合は、「故人の遺志により」といった言葉を添えると、家族葬 誰を呼ぶか悩んだ末に、なぜお呼びできなかったのかという理由が相手に伝わりやすくなります。

「葬儀は故人の生前の遺志により　近親者のみにて執り行いましたため　ご連絡が行き届きませんでした点　何卒ご容赦ください」

まとめ

本記事では、家族葬の香典返しの時期やマナーについて解説しました。

• 時期：忌明け（四十九日）から1か月以内が基本
• 金額：いただいた香典の半額（半返し）が目安
• 品物：消え物やカタログギフトが定番
• その他：挨拶状を添え、感謝の気持ちを伝えることが最も大切

故人がお世話になった方々へ感謝を伝える最後の大切な務めです。この記事を参考に、自信を持って準備を進めてください。

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家族葬の香典返しの時期についてよくある質問

ここでは、家族葬の香典返しの時期についてよくある質問をまとめています。

香典返しは不要ですと明確に辞退されたが、本当に何もしなくても失礼に当たりませんか？

相手からの明確な辞退の申し出があった場合は、ご厚意に甘えて品物をお贈りしなくてもマナー違反にはなりません。ただし、感謝の気持ちを伝えるために、忌明け後に「お礼状」だけをお送りすると、より丁寧な印象になります。

現金ではなく、お供え物（お線香やお菓子など）をいただいた場合もお返しは必要でしょうか？

いただいたお供え物が高額なものでない限り、基本的にお返しは不要と考えられています。ただし、盛籠（もりかご）など高価なものをいただいた場合は、忌明け後にいただいた金額の3分の1から半額程度を目安にお返しをするのが丁寧な対応です。

弔電やお花（供花）をいただいた方へも香典返しは必要ですか？

弔電や供花は、お悔やみの気持ちを表すもので香典とは区別されます。そのため、原則として香典返しのような品物をお返しする必要はありません。お供え物と同様に、後日お礼状をお送りして感謝の気持ちを伝えましょう。