密葬と家族葬の定義と基本的な違い

密葬と家族葬の定義と基本的な違い
まずは、それぞれの言葉が持つ本来の意味と両者の根本的な違いから見ていきましょう。

密葬とは?本葬を前提とした内輪の葬儀

密葬は、故人が会社の社長や役員、著名人であるなど、社会的な立場が高い場合に選ばれることが多い形式。亡くなってすぐに多くの人が弔問に訪れると、遺族が対応に追われてしまい、ゆっくりお別れする時間が無くなってしまいます。

そのため、まずはごく近親者のみで静かに火葬までを済ませ、後日改めて日を設けて、会社や団体が主体となって「社葬」「団体葬」「お別れの会」といった本葬を執り行います。

家族葬とは?近年増えている理由

家族葬とは、その名の通り、家族や親族、故人と特に親しかった友人などを中心に執り行う、小規模な葬儀形式です。礼儀的な弔問対応に時間を費やすよりも、近しい人たちだけで心行くまで故人を偲びたいというニーズの高まりから、近年もっとも選ばれている形式の1つ。

また、一般的な葬儀に比べて費用を抑えられる点も大きなメリットと言えるでしょう。

家族葬の流れについて詳しく知りたい人は 【家族葬の流れをわかりやすく解説|準備から葬儀後まで】 をご覧ください!

密葬 家族葬の違いで最大のポイントは「後日の本葬・お別れ会の有無」

ここまで説明した通り、密葬と家族葬の違いで大きな点は、「後日、社会的なお別れの場(本葬やお別れ会)を設けることを前提としているかどうか」です。この根本的な違いが、参列者の範囲や費用、周囲への連絡方法など、あらゆる面に影響してきます。

【比較表】密葬と家族葬の違いがひと目でわかる7つの重要ポイント

【比較表】密葬と家族葬の違いがひと目でわかる7つの重要ポイント

密葬と家族葬の違いをより具体的に知るために、7つの重要ポイントで比較した表を紹介します。

比較項目 密葬 家族葬
目的 近親者のみで火葬まで行い、後日に本葬を行う 家族・親族・親しい友人で葬儀を完結させる
参列者の範囲 ごく近親者のみ(数人~10人程度) 家族・親族、故人と特に親しかった友人
訃報連絡 事後報告が基本(本葬の案内で知らせる) 参列者には事前連絡、その他の人には事後報告
費用相場 密葬自体は低額だが、本葬と合わせると高額に 60~120万円程度(参列者数で変動)
香典・弔問 辞退することが多い(本葬で受け取るため) 辞退する場合が多いが、家族の意向による
メリット ゆっくりとお別れできる/本葬の準備時間が取れる 費用を抑えられる/アットホームな雰囲気
デメリット 本葬と合わせて費用が高くなる/説明が必要 後から弔問客の対応が必要になる場合がある

家族葬 メリット デメリットも比較することで、どちらが自分の状況に合っているかが見えてきます。

【参考記事】鎌倉新書「【第6回】お葬式に関する全国調査(2024年)アフターコロナで葬儀の規模は拡大、関東地方の冬季に火葬待ちの傾向あり

【費用】密葬と家族葬の料金の違いと内訳を徹底比較

【費用】密葬と家族葬の料金の違いと内訳を徹底比較

葬儀の形式を選ぶうえで、費用は非常に重要な判断基準。ここでは料金の違いと費用を抑えるポイントを解説します。

密葬と家族葬の違いは費用面にどう影響するのか

密葬だけの費用と家族葬の費用を比べると、参列者が少ない密葬の方が安くなる傾向にあります。

しかし、密葬は本葬とセットで考える必要があります。本葬は会場費や人件費、飲食費などで大規模になりがちなため、「密葬+本葬」の総額では家族葬よりも高額になることがほとんどです。葬儀全体の費用を抑えたい場合は、家族葬が適していると言えるでしょう。

家族葬の費用相場とプラン例

家族葬 費用は、参列者の人数や式場の規模、プランの内容によって変動しますが、一般的には60~120万円が相場です。

はないろの家族葬では、お客様のご要望に合わせた様々なプランをご用意しております。家族葬をはじめとする葬儀のタイプや葬儀会場までさまざまなご相談にも乗ります。

詳しく知りたい人は 【はないろ公式HP】 をご覧ください!

費用を抑えるための3つのポイント

  • 葬儀の規模を適切に決める:参列者の人数を事前に把握し、必要以上に大きな式場を選ばないことが重要
  • 複数の葬儀社から見積もりを取る:同じ内容でも葬儀社によって料金が異なるため、複数の会社から見積もりを受け取り、内容を比較検討する
  • 公的な補助金制度を確認する:国民健康保険や社会保険の加入者は、申請することで「葬祭費」や「埋葬料」が支給されるため、自治体や加入している保険組合に問い合わせる

【マナー】親族トラブルを防ぐ!参列者・香典・訃報連絡の違い

【マナー】親族トラブルを防ぐ!参列者・香典・訃報連絡の違い

小規模な葬儀だからこそ、周囲への丁寧な配慮が大切になります。後々のトラブルを防ぐためのマナーの違いを理解しておきましょう。

参列者はどこまで呼ぶ?家族葬と密葬の範囲の考え方

密葬の場合、本葬があるため参列者は遺族とごく近しい親族に限定するのが一般的です。一方、家族葬には明確な決まりはありませんが、どこまで声をかけるかで親族間の意見が分かれることもあります。

家族葬 どこまで呼ぶかは事前に家族でよく話し合って範囲を決めておくことが、トラブル回避の鍵となります。

文例あり:訃報の伝え方とタイミングの違い

訃報連絡は、葬儀の形式に合わせて慎重に行う必要があります。密葬の場合は葬儀後に「本葬の日時」とあわせて知らせるのが基本ですが、家族葬では参列してほしい方には事前に、それ以外の方へは葬儀後に報告します。

【例文】
父・〇〇がかねてより病気療養中のところ〇月〇日に永眠いたしました
なお故人の遺志により葬儀は近親者のみで執り行いました
誠に勝手ながらご弔問ご香典ご供花などは固くご辞退申し上げます

香典・供花は辞退すべき?失礼のない伝え方とは

遺族の負担を減らすため、密葬・家族葬ともに香典や供花を辞退するケースが増えています。辞退する場合は、訃報連絡の際にその旨を明確に伝えましょう。「誠に勝手ながら、ご香典ご供花の儀は固くご辞退申し上げます」といった一文を添えるのがマナーです。

あなたに合うのはどっち?選び方フローチャート

あなたに合うのはどっち?選び方フローチャート

  • 【質問1:後日、改めてお別れの会(本葬)を開く予定はありますか?】
  • はい→密葬が適しています
  • いいえ→質問2へ
  • 【質問2:儀式(通夜・告別式)は行わず、火葬のみで簡潔に見送りたいですか?】
  • はい→直葬(火葬式)が適しています(家族葬 直葬 違いは儀式の有無です)
  • いいえ→家族葬が最も適しています

まとめ

本記事では、密葬と家族葬の違いについて、比較表を交えながら解説しました。最大のポイントは後日、本葬やお別れ会を行うかどうかです。この目的の違いが、費用やマナーのあらゆる面に影響します。

社会的なお別れの場が必要なら密葬、近しい人だけでお別れを完結させたいなら家族葬が基本的な考え方です。故人と家族にとって、どのようなお別れの形が最適なのか、この記事が判断の一助となれば幸いです。

密葬 家族葬の違いについてよくある質問

ここでは、密葬 家族葬の違いについてよくある質問をまとめています。

家族葬はどこまでが家族葬ですか?

参列者の範囲に法律上の決まりはありません。遺族が「ここまでを家族とする」と決めた範囲が基準となります。一般的には、二親等(故人の兄弟姉妹、子、孫)や三親等(叔父叔母、甥姪)までの親族と、特に親しかった友人が参列されることが多いです。

密葬の場合、香典は渡すべきですか?

密葬の段階では香典を辞退されることがほとんどです。後日行われる本葬(お別れの会)の際に改めてお渡しするのが一般的です。事前に遺族の意向を確認するのが最も確実です。

密葬にかかる費用はいくらですか?

密葬単体では、直葬(火葬式)に近い内容になることが多く、20~40万円程度が目安となります。ただし、これはあくまで密葬部分のみの費用であり、後に行う本葬の費用は別途必要になりますのでご注意ください。

密葬は誰がするのですか?

密葬は、故人様が会社の経営者や役員、著名人、政治家といった社会的な立場が高い場合に選ばれることが多いです。これは、逝去の直後から多くの方が弔問に訪れると、遺族が対応に追われてしまい、ゆっくりとお別れをする時間がなくなってしまうためです。

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