お葬式の準備
お葬式の準備
葬儀保険でお葬式費用の準備をする
葬儀保険をご存じでしょうか。少額短期保険に含まれるもので、お葬式にかかる費用を事前に準備する目的で加入する保険です。
少額短期保険のメリットやデメリットについては「少額短期保険とは」でご紹介しました。ここでは、少額短期保険を葬儀保険として活用する場合についてご紹介します。
葬儀保険とは
葬儀保険とは、お葬式にかかる費用を賄うための保険です。少額短期保険に含まれるもので、保険金額が少額、保険期間が1~2年と短期の保険商品になります。
お葬式にかかる費用は全国平均で200万円前後と言われ、家計に与える負担は決して少なくありません。最近では様々な理由から家族葬を選択する人も増えていますが、理由の一つに費用の問題があります。「まとまった金額が用意できない」という理由でお葬式を断念しないためには、事前の準備が大切です。
そういった意味で、葬儀保険は自身でお葬式費用を準備しておく選択肢の一つと言えるでしょう。
一般の生命保険に対して少額短期保険はミニ保険とも呼ばれ、少額から始められる、医師の診断が原則必要ない、高齢でも加入しやすい、保険金の支払いが迅速であるなど、葬儀に供える保険としては非常にメリットの多い保険になっています。
葬儀保険が葬儀費用の準備に役立つ理由
●最短で翌営業日に保険金を受け取れる
故人に遺産がある場合や、生命保険に加入している場合はその中からお葬式や関連する費用を支払うこともできます。しかし預金は口座名義人が亡くなると同時に相続財産となり、相続人が正式に決まるまで凍結されます。
これは複数人の相続人がいる場合、そのうちの誰かが勝手に預金を引き出して相続争いになることが無いようにするためです。相続人の財産分与が正式に決まるまでには数か月を要する場合もあり、お葬式費用の当てにはできないというのが現状です。
また、生命保険の場合は必要書類を準備するなどの期間も含めると、保険金の受取までに1か月程度の期間を要するケースが多く、今すぐ支払わなければならないお葬式の費用を支払う現金が無い、という事態にもなりかねません。
そのような場合でも、葬儀保険に加入しておけば最短で翌営業日に保険金が受け取れるため、手元に現金がない場合でも安心です。
●お葬式以外のことにも使える
お葬式そのものにも費用がかかりますが、出費があるのはそれだけではありません。それ以外のことにも思った以上の費用がかかるものです。以下は、家族が亡くなった際にかかる費用の一例です。
・故人が入院していた場合には入院費用の支払い
・故人の住民税や所得税の支払い
・遺品整理の費用
・賃貸住宅に住んでいた場合は、家賃の清算やクリーニング費用
・四十九日法要
・仏壇、位牌等の購入費用、開眼供養の費用
・お墓を購入する場合はその購入費用、永代供養の費用
葬儀保険はその名称が「葬儀」となってはいるものの、上記のようなお葬式の費用以外にも使うことができます。8割以上の人が病院で亡くなる現在では、お葬式の費用のみならず入院費用にも備える必要があります。その両方に使えるという点で、葬儀保険のメリットは大きいと言えます。
加入時に確認しておきたいこと
葬儀保険に加入する場合には、以下の点を必ず確認するようにしましょう。
●保障範囲
葬儀保険とは言っても、その保障内容や範囲は様々です。保障内容については、加入前にしっかり確認しておくことをお勧めします。
●保険金の支払日
最短で翌営業日に保険金を受け取ることができる商品もありますが、全てがそうとは限りません。手元に現金があり、支払いの猶予を待てる場合は問題ありませんが、最短の支払日や条件は確認するようにしましょう。
葬儀保険のデメリット
このように、お葬式のみならず家族が亡くなった際の出費に備えることができる葬儀保険は、加入メリットが非常に大きい保険です。
しかし、その反面デメリットもあるため、しっかり把握しておく必要があります。
●保険金は掛け捨てになる
葬儀保険を含む少額定期保険の特徴として、掛け捨てであることが上げられます。満期返礼金は無く、途中で解約しても解約返戻金もありません。
積立の感覚で加入する保険ではないということを理解しておく必要があります。
●生命保険控除の対象外
一般的な生命保険とは違い、葬儀保険は生命保険控除の対象外となるため、所得税の控除は受けられません。
●保険金額に上限がある
葬儀保険は少額短期保険に含まれますが、その名が「少額」である通り、保険金額が最大1,000万円以下と上限が決まっています。
長期で加入すると元本割れする可能性が高く、長期加入が前提の一般の生命保険とは性質が違うことをしっかりと理解しておく必要があります。
このようにいくつかデメリットもある葬儀保険ですが、メリットも大きく急な出費には適した保険と言えます。
お葬式関連の出費に備えるために、加入を検討してみるのも良いでしょう。