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家族葬とは

家族葬とは、多くの会葬者を招かずに、ごく親しい者だけで行われる小規模なお葬式全般のことをいいます。ごく親しい者とは、家族だけの場合もあれば、親族や故人と縁のある少数の方を招く場合もあり、明確な定義はありません。

いままで日本で行われてきた多くのお葬式は一般葬と呼ばれるもので、大きな特徴は親族を含めて故人の友人や知人、仕事関係など、故人とご縁があった人に幅広く参列してもらう点です。

礼状の送付からおもてなしの用意、お香典返しの用意などをしっかりと行う必要があり、大切な家族を亡くしたばかりの遺族にとっては、負担に感じることも少なくないでしょう。

これに対し、親族のみで小規模に行う家族葬は、弔問客の応対やおもてなしの準備が無い点で、遺族の負担が少ないと言えます。

 

なぜ家族葬が増えているのか

家族葬が増えている主な背景の一つは、社会環境の変化です。人々の生活スタイルが多様化し、核家族化や地理的な距離が進んでおり、特に都心においては以前よりも地域の繋がりが希薄になっていることが上げられます。

また、経済的な事情や個人の意向により、シンプルでアットホームな葬儀スタイルが求められるようになりました。家族葬は、限られた人数の親族や親しい友人だけで行われる形式であり、プライバシーを重視したい、また費用を抑えたいという希望を満たす選択肢の一つとなっています。

家族葬の費用

一般的に、家族葬の基本的な費用は数十万円から始まります。これには、葬儀会場の使用料や斎場の費用、葬儀ディレクターの手配料などが含まれます。
2022年に全国で調査されたデータによると、一般葬の平均費用が191万円だったのに対し、家族葬の平均費用は110万円でした。
※2022年 ユニクエスト調べ
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000027.000054819.html

 

この調査を見る限り、一般葬の半額とはいかないまでも、費用を抑えられることは間違いなさそうです。

但し、お葬式の費用は様々な要素によって構成されているため、内容や規模に応じて追加費用が発生することもあります。例えば、遺体の搬送や安置、お葬式返礼品や香典返し、飲食料理の提供などによって大きく変動します。

また宗教者の手配や戒名の依頼をする場合は別途お布施が必要になります。

 

多くの葬儀社では、家族葬パッケージを提案しています。確かに会葬者が少数かつ限定されることで費用総額が少なくなるのは間違いありませんが、一般的なお葬式と家族葬の違いを正しく理解することで、実際の費用負担がどうなるのかを考えることが大切です。

家族葬の内容は、これといった明確な基準があるわけではありません。お葬式の儀式として欠かせない納棺と火葬だけで終わらせる場合もありますし、そこにお通夜や告別式を加える場合もあります。遺族の意向次第で自由に決めて良いものです。

こういった理由から、シンプルな内容であれば20~40万円程度から、様々な要素を追加していくと数百万に及ぶ場合もあります。その平均値が110万円ということになります。

 

家族葬の注意点

このように、費用面ではメリットが多い家族葬ですが、選択する場合は、デメリットについても良く理解しておく必要があります。

お香典がないことを理解する

お葬式自体にかかった費用を調査した場合、会葬者の少ない家族葬は会場や飲食、返礼品にかかる費用が少ない分、割安に見えます。

しかし、家族葬ではお香典がないことを心得ておきましょう。お香典で全ての葬儀費用を賄えることは少ないですが、仮にお香典が100万円入った場合には実質的に支払う金額が逆転します。

一般葬よりも費用が抑えられるという目的だけで家族葬を選択する場合、慎重に検討する必要があります。

後日訪問する弔問客の対応に追われる可能性がある

故人の交友関係が広かった場合、弔問客が訪問したいと申し出る可能性があります。一般葬を行っていればお通夜、お葬式の二日間で弔問客の対応を終わらせることができますが、後日の場合はその都度対応する必要があるため、思いがけず長期間対応に追われることになった、という事例も少なくありません。

家族葬は一般葬よりも費用を抑え、故人とのお別れの時間を親族だけで過ごせるという点で、大きなメリットがあります。
しかし、その費用には幅が大きいため、予算や希望を事前に話し合っておくと良いでしょう。

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