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自分史とは

自分史とは、その言葉の通り自分の生きて来た歴史を書き記したもののことを言います。
個人が自分の人生を振り返り、その経験や思い出、価値観、考え方を文章や写真、絵などで記録したものです。自分の過去の出来事や人生の転機、家族や友人とのエピソード、仕事や趣味、学びの経験など、幅広い内容を記します。これは必ずしも終活と関連付けられているものではありません。決まった形式やルールはなく、自由に作成することが可能です。
ではなぜ、市販されているエンディングノートの多くに自分史を記入するページがあるのでしょうか。エンディングノートの役割は、自分の死後に家族が困ることの無いよう、必要な情報を記しておくことにあります。預貯金や財産のこと、保険のこと、遺品の整理のための情報など金品に関わる情報はもとより、宗教・宗派やお葬式の形式に関する希望や、遺骨の埋葬方法、埋葬先などを記します。
そう考えると、自分の人生を書き記す自分史はエンディングノートの本来の目的から外れているように思えます。なぜエンディングノートに自分史を書くページがあるのか、自分史はどんな役割を果たすことができるのか考えてみます。

 

エンディングノートを書くもうひとつの意味

エンディングノートを書くとき、多くの人は家族の姿を思い浮かべるでしょう。家族と交わした愛情、家族との生活の中では楽しいことや苦しいこともあることでしょう。そんな中、人生をともに歩んでくれたことへの感謝の気持ちなど、さまざまなことが頭をよぎります。はからずも自分の人生を総括しているのです。

独身のときの家族は両親や兄弟ですが、結婚してからはそこに配偶者が加わり、いずれ子どもや孫も加わっていくでしょう。つまりエンディングノートを書くことで、その時々の自分を家族との関係において振り返ることができる、というもうひとつの意味があるのです。この自分を振り返るという行為は自分の歴史をなぞる自分史そのものなのです。

自分史を書くことでわかること

ひとつひとつ自分の歩みを振り返ると、忘れていた家族への感謝、もしかしたら懺悔や後悔の思いが湧いてくるかもしれません。自分史を書くことを通じて、家族やお世話になっている周りの人への感謝や愛情を再確認でき、その思いを大切な人へのメッセージとしてエンディングノートで表現できるわけです。

また、家族だけでなく学校や仕事なども振り返り、自分を見つめなおすことで、明日からの新しい歩みにつながることでしょう。このように考えると、自分史とは自分が亡くなった後に家族に読んでもらうという目的に加え、人生を振り返り新しいスタートを切るためのきっかけにもなるといえそうです。

 

自分史の書き方

自分が生きて来た長い人生をまとめると言っても、途方も無い作業のように思えます。
そこで市販されている多くのエンディングノートの自分史ページは、生まれた時から現在までの出来事を時系列に埋めていく年表をつくるところから 始まります。そして、一言二言感想を添えていきます。そうすることで、徐々に思い出されてきた当時の様子を、少しずつ書いていきます。

一度にすべてのことは思い出せません。何度か繰り返し読みながら記憶を掘り起こして、自分の歴史のピースを埋めていくのです。自分史に限らず、史書は年表を作成し資料を集め、それらの情報から歴史を書いていくという手法をとります。年表のわきに、成績表や卒業証書、集めていたコレクションやもらったプレゼント、写真などの資料を置くことで、自分が歩んだ人生が浮かび上がってくることでしょう。

次に、その中で知り合った友人やお世話になった人などを書き記していきます。人生のステージが変わるたびに新しく友人や知人を得ていくものですが、学生時代や勤めを始めた時など、若い頃はたくさんの人たちのサポートがあったことでしょう。
年を重ねると今度は自分がたくさんの人達のサポートをすることになりますが、いつの時代でも人との関りはたくさんのことを学ばせてくれるものです。
ひとりの人生はそれだけで一冊の本になるといわれ、最近では自分史を書籍化してくれるサービスも多く提供されています。せっかくの機会ですから、 自分史を出版して家族やお世話になった人たちにプレゼントする、というのも素敵ですね。

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