お葬式の準備
お葬式の準備
お葬式の会場の選び方
お葬式を行う場合には、会場を選ぶ必要があります。
会場の候補として真っ先に浮かぶのは葬儀場や寺院ですが、逆に行ってはいけない場所はあるのでしょうか。
ここでは、お葬式を行う会場と、それぞれの特徴をご案内します。
お葬式を行う場所は決まっている?
お葬式を行うことになった場合、会場を決める必要があります。行うお葬式の規模や形態によって、会場も変わってきます。
会場として真っ先にイメージが浮かぶのは葬儀場だと思いますが、その他にも寺院、自宅、公営会場など様々な選択肢があります。その他、ホテルなどでもお葬式を行う場合があります。
お葬式をどこで行うかは施主が自由に決めて良く、法律で定められていることは特にありません。
火葬や埋葬は「墓地・埋葬に関する法律」で行っていい場所が定められており、どこでも自由に行えるわけではありません。火葬は火葬場以外の施設で行ってはいけないと定められていますし、遺骨の埋葬は墓地以外の場所で行ってはいけないとされています。
それに対してお葬式を行う場所については記載が無く、法律的な制約はありません。つまり、人が集まれる場所があれば、どこでも行うことが可能です。
お葬式が行われる場所
このように法律上では定めの無いお葬式の会場ですが、一般的に良く使われる場所はあります。以下に代表的な場所をご紹介します。
●民間斎場
日本で最も多くお葬式が行われる場所です。「斎場」「葬儀場」などと呼ばれますが、いずれもお葬式を行う専門の会場と言う意味で同一です。
企業や宗教法人が所有しており、営利目的で運営しています。
お葬式を行う専門の会場なため、施設は全てお葬式仕様になっており、設備や道具は豊富に揃えられています。施行数が多いためにノウハウの蓄積も豊富で、経験豊富なスタッフが万事整えてくれることもあり、分からないことだらけの施主や喪主にとっては全てを安心して任せられるところが大きなメリットと言えるでしょう。宗教や宗派は問わず、また無宗教でもお葬式を行うことが可能です。
反面、自宅や公営斎場を利用するよりも費用は高くなる部分がデメリットと言えます。
但し費用の面においては、事前にお葬式の費用を積み立てておける互助会や、葬儀保険などで供えることで解消も可能です。
●公営斎場
公営斎場は、市区町村などの自治体が運営している施設です。喪主や施主が該当の市区町村の住民であれば、割安な費用でお葬式を行えるのが大きなメリットと言えます。
火葬場が併設されている施設が多く、移動のためにマイクロバスを手配する必要がありません。民間の斎場と同じく、宗教・宗派は問わずにお葬式を行うことができます。
その反面、割安な費用が人気でなかなか予約が取れなく、お葬式は事前に予定することが難しいために利用できる可能性が低いのが難点です。施主や喪主の住民票が別の場所にある場合は、料金が変わる可能性があるのもデメリットです。
民間の斎場に比べると設備の制限もあり、自由が利かない点は心得ておく必要があるでしょう。
●寺院・教会
寺院や教会もお葬式会場として使われる選択肢の一つです。
菩提寺があれば、常日頃から馴染みのある寺院でお葬式ができる安心感が大きなメリットとなります。信者の場合も同様で、普段から礼拝に通う場所でお葬式ができるというのは、場所の勝手がわかるという点で安心でしょう。
逆に言えば、基本的に寺院は檀家のみ、教会は信者のみという制約があります。最近では檀家でなくてもお葬式を受け入れてくれる寺院も増えていますが、違う宗派のお葬式は基本的にできません。
また、民間斎場や公営斎場に比べて使用料が割高になることも多いようですので事前に確認しておくことをお勧めします。
●自宅
かつての日本では、自宅でのお葬式が多く行われていました。しかし最近では核家族化やマンションなど集合住宅で暮らす家庭が増えたこともあり、自宅でお葬式が行われる数は減少しています。
しかし、選択肢として無くなったわけではなく、今でも地方などではお葬式の会場として多く選ばれています。
会場費や安置費用などがかからないといった費用面のメリットは大きく、故人が住み慣れた場所から送り出してあげられるという点でも安心感があります。
但しその分、全て自分たちで行う必要があり、費用を抑えられる分、遺族への負担は大きくなる点は心得ておく必要があるでしょう。
道具を揃えたり、祭壇の組立、菩提寺が無い場合の僧侶の手配などは専門の業者に依頼することも可能ですが、僧侶や会葬者用の駐車場の確保や霊柩車やマイクロバスの待機場所の確保を同時に行う必要があります。
●ホテル
ホテルもお葬式の会場として選択肢に上がりますが、専門の葬儀場とは違って安置室が無かったり、遺体自体が運び込めないホテルも少なくありません。また、お線香や焼香の使用が禁止されている場合も多いようです。
そのため社葬のように大規模なお葬式を行う場合や、火葬後のお別れ会の会場として選択されるのが一般的です。
●集会所
市区町村が運営する公営の斎場の他に、公営の集会所、またマンションなどの集合住宅の集会所などでもお葬式を行うことが可能です。
使用する時間の長さによって料金が変りますが、時間当たり数百円で使用できる場所も多く、空いていればいつでも利用できます。この場合、一番のメリットは使用料の安さでしょう。
しかしその費用の安さから数か月先まで予約が埋まっている場合も多く、希望の日程で使用できない可能性があります。
またお葬式専門に作られた施設ではないため、遺体の運び込みが困難であったり、道具は全て自身で揃えなければならないという点では自宅でお葬式を行う場合と同様です。
選び方のポイント
このように、お葬式を行う会場には様々な選択肢があります。まずは自分たちが行いたいお葬式の規模を考え、それに見合う会場を選ぶ必要があります。
お葬式はその規模によってある程度費用も比例しますので、自分たちがお葬式にかけることが可能な費用から選択肢を絞るというのも一つの手でしょう。
もし故人を見送る最期のセレモニーとしてこだわりたいことがある場合や、多くの参列者が見込まれる場合は、専門の斎場に依頼するほうが自由度が広がる上、設備面での安心感もあります。逆に身内だけで送り出したいと考える場合は、自宅でのお葬式も選択肢に入ります。
そもそもお葬式にかかる費用がどれくらいなのかイメージがつかないという場合は、一度葬儀場の見学会に参加してみるのも良いでしょう。