喪服の上に着るコートの選び方

喪服用のコートはある？

寒い時期にお通夜やお葬式に参列する場合、喪服だけでは寒さをしのぐことが出来ません。必ず喪服の上に羽織るコートが必要になりますが、どのようなコートを着れば良いのでしょうか。喪服専用のコートがあるのかというと、実はお通夜やお葬式専用のコートはありません。決まったものがないからこそ、何を選べばいいのか迷ってしまうという人も多いでしょう。

但し、喪服用のコートはなくても、フォーマル用のコートはあります。慶弔両方に使えて重宝するため、一着持っておくと便利です。正式なフォーマルコートはシングルボタンで、襟にベルベットがあしらわれています。

スリーシーズン着まわせるコートが便利

フォーマルコートには様々なものがありますが、季節によって素材も変わってきます。春先に着るフォーマルコートの場合は綿やポリエステル、冬場の素材はウールやカシミアなどが一般的です。これから購入する場合は、春先から秋、冬と着回しが可能なスリーシーズンタイプを選ぶと便利です。ライナーが取り外せるようになっているタイプであれば、春先や秋には外して着用し、寒い冬場にはライナーをつけて着用すれば寒暖の調節が可能です。

フォーマルコート以外のコートの場合

フォーマルコートは一着あると便利ですが、必ずしもフォーマルコートでなければいけないという事はありません。普段使いのコートを着ても問題ありませんが、お葬式に相応しいコートを選ぶ必要があります。

お葬式に相応しいコートとは

●色は黒一色

お通夜やお葬式に着ていくなら、黒一色を選びます。喪服も黒ですが、黒は喪に服していることを表現する色です。そのため、お葬式に行くときは服やコート、小物など全てを黒で統一するのが基本になっています。しかし、コートに関してはそこまで厳格に決められているわけではありません。黒が無い場合は、紺色やグレー、こげ茶色などでも問題ありませんが、できるだけ暗いトーンの色合いのものを選ぶようにしましょう。

逆に、明るい色は避ける必要があります。白や赤、またパステルカラーなどはお葬式には相応しくありません。

●デザイン

デザインはできるだけシンプルなものを選ぶようにします。派手な装飾が付いていたり、カジュアルなコートはお葬式に相応しくありません。ダッフルコートのようにフードのついたものも避けた方が無難です。もし取り外しができるタイプのものであれば、フードは取り外して着用するようにしましょう。

ボタンはシングルの方がより望ましいと言えます。飾りのついたボタンは避け、コートの色に合わせた黒が良いでしょう。

素材については決まりはありませんが、レザーや毛皮などは殺生を連想させることでタブーとされています。またファッション性が高いこともあり、お葬式には相応しくありません。

コートの丈は膝下まであるロングかミディアム丈のものを選ぶようにします。腰丈のコートはカジュアルな印象を与えるので避けたほうが無難です。

お葬式に相応しいコートが無い時

お通夜やお葬式は突然訪れるものです。明るい色やカジュアルなコートしか持っていないという事もあるでしょう。また、その時に限ってたまたまクリーニングに出しているということも考えられます。だからといって、コートを着ずに参列して風邪をひいてしまっては、元も子もありません。そういった場合は、葬儀場の入り口手前で上着を脱ぎ、裏返しにたたんで持ち歩くか、受付に預けるという手もあります。

お通夜やお葬式への参列は、前もって準備することがなかなか難しいものです。もしもの時に慌てることが無いよう、社会人になったらフォーマルコートを一着持っておくと安心です。