お葬式のマナー
お葬式のマナー
通夜ぶるまいに出す料理
通夜ぶるまいとは、お通夜のあとにふるまわれる料理のことを言い、故人を供養するとともに参列者への感謝の意を表す儀式の一つです。
通夜ぶるまいでのマナーについては、「通夜ぶるまいに招かれたときのマナー」でご紹介しました。ここでは、喪家側が通夜ぶるまいにどのような料理を出せば良いのかについてご紹介します。
通夜ぶるまいとは
「お通夜でのマナー」でもご紹介している通り、故人を供養する儀式の一つです。
お葬式の際、火葬場から戻った後に振舞われるのは「精進落とし」「精進上げ」「お斎」などと言われ、「通夜ぶるまい」とは別のものです。
通夜ぶるまいの多くは立食で、大皿の仕出し料理などが並びます。お酒も出されるのが一般的で、特別なテーブルマナーがあるわけではありません。
地域によってはお菓子とお茶だけだったり、箱詰めされたお寿司や料理、お酒を渡すこともあります。
最近ではお食事券を渡すこともあるようです。
通夜ぶるまいに出す料理
お通夜への参列者の人数は事前の把握が難しく、またお通夜への参列者全員が通夜ぶるまいに参加するわけではありません。
そのため、お弁当のように一人一人に出すものは用意が難しく、多少人数が前後しても問題無いように大勢で囲める大皿のお料理を用意します。通夜ぶるまいでよく出されるお料理には、以下のようなものがあります。
●オードブル
前菜を盛ったオードブルは通夜ぶるまいの定番と言っても良いでしょう。最近では洋風、中華風、和風など、スタイルの選択肢も増えています。通夜ぶるまいは和洋折衷がほとんどですので、他のお料理とのバランスを見て選ぶと良いでしょう。
●お寿司
大樽のお寿司は大勢で食べるには適しており、通夜ぶるまいではよく見かけるお料理です。握りのお寿司だけでなく、巻き寿司や稲荷寿司が出ることもあります。
●サンドイッチ
大勢でつまめるサンドイッチも、大皿で出ることの多い料理です。中には生ものが苦手でお寿司が食べられないという人もいますので、お寿司と一緒にサンドイッチを出すことも多いようです。
●揚げ物
様々な食材に対応した天ぷらやフライなどもよく見かけます。お寿司やサンドイッチだけでは物足りない人には、揚げ物も用意しておくと喜ばれます。
●飲物
通夜ぶるまいでは参列者へのもてなしと共にお清めの意味もあり、日本酒やビールといったお酒も用意します。宴会ではないので大量に用意する必要はありませんが、一通りいきわたる程度の量は準備しておくようにしましょう。
参列者の中には未成年やお酒が苦手な人、車で来場している人もいますので、お茶やジュースなども併せて用意するようにします。
通夜ぶるまいを行う場所
●葬儀場で行う場合
葬儀場で通夜ぶるまいを行う場合は、人数を伝えれば相応しい内容や量のお料理を手配してくれます。
葬儀場はいくつかの仕出し屋と提携していることが多く、「高齢の方が多いので和食中心で」や、「お魚とお肉をバランスよく」など、内容の希望にも柔軟に対応してくれます。
なかには厨房が併設されている葬儀場もあり、その場合は厨房で作られた暖かい料理が振舞われることもあります。
●自宅で行う場合
自宅でお通夜を行う場合は、通夜ぶるまいの料理も自分で手配する必要があります。仕出しやケータリングの業者に問合せし、料理の希望と人数を伝えるようにします。
また、自分で料理を作る方法もあります。
精進料理に倣って煮物を作ったり、稲荷寿司、巻き寿司などはよく出されるお料理です。
通夜ぶるまいの費用
通夜ぶるまいの費用の目安は、一人あたり2,000~5,000円です。もし50人を予定している場合は、10万~25万円くらいが相場です。大皿料理のため多少人数が前後しても問題ありませんが、あまりにも足りないのは参列者に対して失礼になります。
そのため、お料理は参加予定人数より少し多めに用意しておくのが良いでしょう。
通夜ぶるまいに肉を出してはいけない?
仏式のお通夜ということで考えると、もともと仏教では殺生を禁じています。
出家した僧侶は肉や魚を食べることを禁じられており、お通夜やお葬式でふるまわれる料理もこの考えに則って以前は精進料理を出していました。
しかし最近ではこういった考えは薄れ、お寿司や唐揚げなど、動物性のものも普通に食べるようになっています。
但し、地域によっては精進料理に限定している場合もあります。お通夜やお葬式の場で動物性のものを食べるのは良くないことだとし、食べるのはマナー違反になってしまうこともあり、ケース・バイ・ケースだと言えます。
地域の風習がよく分からない場合には、葬儀社や仕出し屋に相談すると良いでしょう。