お葬式のマナー
お葬式のマナー
お葬式に呼ぶ人
お葬式を執り行うことになった時、誰を招待すればよいかについて悩む人も多いでしょう。
ここではお葬式に呼ぶ範囲について、お葬式の規模別にご紹介します。
お葬式の規模によって範囲を考える
どのお葬式でも、「呼んではいけない範囲」というものはありません。遺族側が、生前に故人がお世話になったと判断する場合は、誰を呼んで構わないのです。
とはいえ、ある程度の常識的な範囲はあります。
お葬式に呼ぶ人の範囲は、お葬式の規模によってある程度決めることができます。お葬式には家族葬、一般葬、社葬などがあり、順番に規模が大きくなっていきます。それに合わせてごく近しい間柄から関係者全般へと、範囲も広がっていきます。
これをあまりにも無視してしまうと、「なぜ呼んでくれなかったのか」と言われて後日揉め事になる可能性もあり、注意が必要です。
家族葬に呼ぶ人
お葬式の小規模化が進む中、家族葬を希望する人が増えています。家族葬とは、多くの会葬者を招かずに、身内だけで行う小規模なお葬式全般のことを指します。
そのため、参列する範囲は特に決まっておらず、遺族の考えで誰を呼んでも良いものですが、参列者は10~20人程度が一般的で、範囲としては以下の対象が考えられます。
●両親、兄弟、子、孫、祖父母などの二親等の家族
●叔父、叔母、従妹などの三親等までの家族
故人が親しくしていた友人、知人などを呼んでも構いませんが、家族葬は規模が小さいため、呼ぶ人数が限られます。そのため、呼ばれた、呼ばれなかったでトラブルが多いのも事実です。詳しくは「家族葬には誰を呼ぶ?」でご紹介していますので、参考にしてみて下さい。
一般葬に呼ぶ人
一般葬は家族葬よりも規模が大きくなりますので、呼ぶ範囲も広がります。家族葬の範囲だった直系の家族や親族に加え、故人が生前にお世話になった友人や知人、仕事関係も範囲になります。
●両親、兄弟、子、孫、祖父母などの二親等の家族
●叔父、叔母、従妹などの三親等までの家族
●それ以外の血縁のある親戚
●親しい友人・知人
●地域の隣人
●仕事でお世話になった同僚や上司、取引先
通夜の後の会食(通夜振舞い)に同席頂く親族はもちろん親しいご友人や故人が生前お世話位なった方々などの人数を把握する必要があります。食事室の収容人数も関係しますので、詳しくは葬儀社に相談すると良いでしょう。
社葬に呼ぶ人
社葬は会社が主催となり、一切の費用を会社が負担して行われる葬儀のことです。会社の創業者や会長、社長、役員クラスの人物など、会社に対して大きな功績を遺した方々を追悼する場です。
そのため、一般葬よりもさらに呼ぶ範囲が広がり、企業色が強くなります。これは、施主が個人ではなく企業となるためです。
●両親、兄弟、子、孫、祖父母などの二親等の家族
●叔父、叔母、従妹などの三親等までの家族
●それ以外の血縁のある親戚
●親しい友人・知人
●仕事でお世話になった同僚や上司、取引先
●企業の従業員
●企業の主要取引先
●企業の主要株主
社葬は後継者となる人物の開示や宣言を行う場でもあります。そのため、従業員のみならず主要な取引先、主要な株主など、故人と直接面識のない人間も多く参列します。
お通夜に呼ぶ人
お通夜の場合は、参列して下さいと遺族側から呼ぶことはありません。
親戚や友人、知人、勤め先に亡くなった事実とお通夜・お葬式の日程を知らせますが、参列するかしないかについては確認しませんので、様々な人が参列する可能性があります。
親戚はもちろんのこと、故人と関りのあった人であれば友人、知人、同僚や上司、取引先などの会社関係に始まり、故人の家族の関係者も参列することがあります。
故人の交友関係が広かった場合、遺族が考えるよりも多くの参列者が集まるケースも少なくありません。
故人の遺志を一番に尊重する
このように一般的にお葬式に呼ぶ常識的な範囲がありますので、迷った際には参考にしてみて下さい。但し、一番大切なのは故人の遺志です。故人が生前にお葬式に参列して欲しい人についての意思表示をしていたり、遺言やエンディングノートに記載がある人には一般的な範囲を超えていても連絡したいものです。
少人数で行う家族葬が増加していますが、後々「あの人にも最後にお会いしてほしかった」と後悔することも多いと言われます。
生前に自分のお葬式に参列して欲しい人を考えるタイミングもあまりないかもしれませんが、折に触れて家族で話し合っておくと良いかもしれません。