お葬式が終わったら
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亡くなった人の医療保険請求
家族が亡くなった後に、遺品を整理していたら実は医療保険に加入していた・・・ということはよくあります。また、日本では9割の人が病院で亡くなると言われており、亡くなった時点で支払っていなかった医療費などは、どうしても契約者の死後に請求することになるでしょう。
この場合、医療保険や手術給付金は遺族が請求できるのでしょうか?ここでは、亡くなった人の医療保険についてご紹介します。
指定代理請求人によって請求が可能
医療保険や手術給付金は、本来契約者本人が行うものです。保険を契約する場合は受取人を指定する必要がありますが、医療保険は多くの場合において契約者と受取人が同一です。そのため、契約者が生前に手続きするのが一番スムーズだと言えます。
しかし、契約者が重い病気やケガなど、また寝た切りになってしまった場合、あるいは保険請求をする前に亡くなってしまった場合など、契約者本人が請求するのは難しい場合があります。
そういったケースでは、契約者に変わって代理人が請求することができます。これを「指定代理請求人」と呼びます。
指定代理請求人として指定できる範囲は、以下の通りです。
●契約者と戸籍上の婚姻関係にある配偶者(事実婚でも一定の条件のもと指定することが可能な場合がある)
●契約者の直系血族(父母、祖父母、子供、孫など。いない場合は兄弟姉妹など)
●契約者の三親等以内の親族
●契約者と同居し、契約者と生計を一にしているもの
詳細は保険会社によって条件や規定を定めています。最近は生活の多様性に合わせて指定できる範囲を拡大している保険会社もありますので、まずは問い合わせてみると良いでしょう。
医療保険金の請求に必要なもの
保険金、給付金の請求には以下の書類を用意する必要があります。
●保険証券(保険証書)
●医師の診断書
●契約者と指定代理請求人の関係が分かる書類(戸籍謄本、住民票など)
●指定代理請求人の本人確認書類
●指定代理請求人の振込口座、印鑑
請求に必要な書類は保険会社によって異なる場合があるため、ホームページで確認するか、窓口に問い合わせるのが確実です。
医療保険は相続税の対象になる?
契約者が亡くなったあと、指定代理請求人に支払われる医療保険金や手術給付金は相続税の対象になるものと、ならないものがあります。
●相続税がかかる場合
既にご説明した通り、医療保険の多くは契約者と受取人が同一となっています。この場合、医療保険金や入院給付金、手術給付金は「契約者の財産」と見なされ、相続税の課税対象になります。
●相続税がかからない場合
受取人が契約者以外に設定されている、例えば配偶者や子供などに設定されている場合、保険金や給付金は「受取人の財産」と見なされます。そのため、相続税の対象にはなりません。
「受取人の財産」と聞くと、相続税の対象にはならなくても所得税の対象になるのでは?と心配する人もいますが、所得税も非課税となります。
これは“所得税法施行令第30条第1号《非課税とされる保険金、損害賠償金等》”に定められている内容によるもので、「身体の傷害に基因して支払を受けるもの」に関しては金額に関わらず非課税であるとされているためです。
非課税とされている保険金と給付金に関しては以下を参考にしてみて下さい。
●入院給付金
●手術給付金
●通院給付金
●疾病(災害)療養給付金
●障害保険金(給付金)
●特定損傷給付金
●がん診断給付金
●特定疾病(三大疾病)保険金
●先進医療給付金
●高度障害保険金(給付金)
●リビング・ニーズ特約保険金
●介護保険金(一時金・年金) など
※アクサダイレクト生命より抜粋
医療保険の請求期限
契約者が死亡したあとでも指定代理請求人によって請求ができる医療保険ですが、多くの保険会社では時効が定められています。「請求が行使できる期間」としては3年が最も多く、それを超えた場合は請求の権利を失効することになります。場合によっては時効を過ぎても請求できる可能性もありますが、保険会社によって対応は異なります。
手続きをスムーズにするためにも、できるだけ早めに手続きを行うことをお勧めします。