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遺影とは

遺影はお葬式の際に祭壇に故人を偲ぶ道具の一つとして飾るものです。遺影自体には特に宗教的な意味合いはなく、日本独自の風習です。海外のお葬式では故人の写真を飾ることは殆どありません。日本でも写真が無い頃は遺影の考え方自体がありませんでしたが、明治末期頃に写真技術の向上と共に肖像写真が広く普及するようになったため、遺影は故人の肖像として扱われるようになりました。戦死者を祀る際に遺骨のかわりに写真を使ったのが始まりと言う説もあります。
その後写真技術の発展と共に白黒からカラーへ、また最近ではデジタル技術によって様々な加工が可能になっています。お葬式を葬儀社に依頼する際には、葬儀一式費用に必ずといって遺影写真が含まれているほどお葬式には欠かせないものになっています。
遺影の写真をどう選ぶかについては、「遺影の選び方」でご紹介していますので参考にしてみて下さい。

49日までは後飾りに飾る

お葬式に欠かせない遺影ですが、その後の扱いに決まった方法があるわけではありません。但し多くの場合は、遺影写真は自宅に持ち帰って49日まで後飾りに飾ります。後飾りとは、お葬式が終了した後のお骨を一時的に安置する祭壇のことです。
その役割は安置のみでなく、故人の冥福を祈り、弔問客がお参りする場としての役割があります。そのため、遺影を持ち帰った場合は後飾りの祭壇に飾るのが一般的です。
49日に合わせて法要と納骨を行うと後飾りは片付けるため、そのタイミングで遺影写真を後飾りに飾るのも終わりになります。

49日後のあとの遺影

後飾りを片付けたあとは、遺影を他の場所に移す必要があります。仏壇があればその中や近く、床の間、鴨居などに飾るのが一般的です。古い家屋の場合は、よく鴨居に先祖代々の遺影を並べて飾っています。但しマンション住まいで洋室が多い場合は仏壇や床の間自体が無い場合もあります。その場合は壁やカップボードの上に飾ることもあります。
遺影には宗教的な意味合いはないため、飾る場所については特に決まりはありません。但し遺族が故人に思いを馳せるためのものですから、できるだけ見やすい場所に飾るようにしましょう。
家の中でも人目につかない場所、暗く埃を被るような場所は避けるようにして下さい。

遺影を処分する場合

遺影はお葬式で祭壇に飾ることを前提としているため、祭壇に置いた際にちょうど良い大きさになっています。そのため自宅に持って帰って飾るとなると思ったよりも大きく、場所が限られてくるのも確かです。その場合は必ず自宅に飾る必要は無く、処分するというのも一つの手です。
普通の家庭ごみとして処分しても問題はありませんが、大切な家族の写真をゴミと一緒に扱うのは心苦しく感じることもあるでしょう。その場合は、葬儀社やお寺に相談して魂抜き、お根性抜きをしてもらった後にお焚き上げしてもらうという方法があります。
費用は多少かかりますが、多くの場合1~5万円程度で対応してもらえます。持参することが難しい場合は、専門の業者に宅配便で依頼することもできます。
遺影写真を処分する場合、気を付けたいのは家族や親戚の同意を得ておくことです。勝手に処分したことが後々トラブルを招く可能性もあるため、処分する場合は必ず事前に家族や親戚の同意を得るようにしましょう。

コンパクトな写真やデジタルフォトフレームを利用する

遺影は大きくて飾りにくいという場合には、コンパクトなフォトフレームに故人の写真を入れて飾る方法もあります。一緒に旅行に行ったときの写真や家族写真など、楽しい思い出が複数枚飾れるタイプのフレームを選ぶと、写真を見るたびに楽しい思い出がよみがえります。また、最近はデジタルフォトフレームで様々な写真を表示させている人もいます。
故人との楽しい時間をいつまでも覚えていたいと言う場合には適した方法です。
遺影の飾り方、扱い方に困った場合には、是非参考にしてみて下さい。

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