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生前整理とは

生前整理とは終活の一つで、その名前のとおり自分が生きているうちに身の回りのものや財産を整理し、残すものと処分するものを決めておくことです。
人が生活する上では、生活必需品をはじめ装飾品や趣味娯楽など多岐にわたるものを所有しています。そのため本人が亡くなった後の形見分け遺品整理は遺族にとって負担が大きく、大変な思いをするというのはよくある話です。

自分の最期を気持ちよく迎えるためにも、持ち物の整理はある程度生前に譲り先を決めておき、不用品は処分するなどの“断捨離”しておきたいところです。しかし、やり方次第では様々なトラブルが発生する可能性があります。
生前整理の方法やメリットについては「生前から遺品に取り組む生前整理とは」でご紹介していますので、ここでは生前整理で起こりやすいトラブルの事例についてご紹介します。

 

トラブル①必要なものが処分されてしまった

生前整理の第一歩は必要なものと必要でないものの仕分けですが、長年所有してきた品を整理するのはなかなかの大仕事です。生前整理と一言で言っても整理するものは様々で、「不用品を整理すれば良い」という単純な話ではありません。そもそも本人が不用品だと考えていれば、既に処分をしているでしょう。

しかし、思い出が詰まった品などは今後使うことが無かったとしても捨てがたく、それが長い間に積もってしまい、収納場所が圧迫されているケースが少なくありません。そのため生前整理をするにあたって一番初めにやらなければならないことは、必要なものと必要でないものをしっかりと仕分けすることです。
その仕分けは本人では難しいため、家族や業者などの第三者に整理を依頼することがあります。この際、必要なものまで処分されてしまうというのが一番多いトラブルです。

家族が必要なものを処分してしまったために、それ以来すっかり関係が悪くなってしまった、というケースもあります。このトラブルは、仕分け後に必ずチェックを行うことで回避が可能です。第三者が不用品を仕分けた後は、それが近しい間柄であったとしても必ず複数の目でチェックを行いましょう。

 

トラブル➁価値を知らずに処分してしまった

不用品と思って処分した品が、価値のある品だったという事があります。これは複数の目で最終チェックしても、回避が難しいトラブルです。
価値のあることを知らずにいればそれでも良いのかもしれませんが、あとで知った際には後悔しても取り戻すことができません。

あとあと後悔しないためには、年代品などは一通り鑑定を依頼すると良いでしょう。不用品と思っていた品に、思わぬ価値があるかもしれません。

費用は依頼する品の数によっても変わりますが、おおよそ1~3万円程度です。鑑定書の発行を依頼する場合は、別途費用がかかります。
中には査定のみであれば無料といったケースもありますので、年代ものの品がある場合などは検討してみると良いでしょう。

トラブル③形見分けが不公平に見える

所有品の整理をする際、希少な品や価値のある品は家族や親族に引き継いでもらうことがあります。

これは「形見分け」といって、日用品を整理する遺品整理とは別のものです。アクセサリーや貴金属などはその筆頭ですが、年代もののカメラやレコード、古切手のコレクションなどの趣味の品も、同じような趣味を持っている人にとっては喜ばれるものです。
これらの品を子供たちや親戚に譲渡する、また誰に譲渡するか決めておくのは生前整理の一つですが、偏りが出てしまうと家族間、親族間のトラブルのきっかけになります。

たとえば、男女子供一人ずつの四人家族がいたとします。父親の趣味は古いカメラの収集で、息子にも同様の趣味があったため、自分の死後は全てのカメラを息子に譲ることにしたとします。
ここで娘に形見分けする品が何もない場合、二人の間に不公平感が生まれる可能性があります。カメラの趣味を持たない娘がカメラをもらっても何もできないと考えてしまうかもしれませんが、そのカメラに金銭的な価値がある場合は、話が変わってきます。

もちろん、逆のケースもあります。

母親が高価な宝石を所持しており、それを全て娘に遺したとします。
息子に宝石を渡しても使用できないと考えてのことだとしても、宝石を売却した場合の金銭的価値が高いと、ここにも不公平感が生まれます。
遺産相続の対象になるほど高価な品であれば、遺産分配の一つとして捉えますが、そこまで高価でない品で、かつ金銭的価値のある品の形見分けは、慎重に考える必要があります。

 

生前整理は終活の一つとして大変重要ですが、このようにいくつか気をつけるべきポイントがあります。
思わぬトラブルに見舞われることが無いよう、生前整理の際はここでご紹介したポイントを参考にしてみて下さい。

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