お葬式のマナー
お葬式のマナー
車椅子でお葬式に参列する
お世話になった人や親しくしていた人の訃報を聞いたときは、是非ともお通夜やお葬式に参列したいと思うもの。最近の葬儀場はバリアフリー対応をしている施設も多く、車椅子での移動もストレスなくできるようになっています。
しかし、中には100%バリアフリーではなかったり、自宅でお葬式を行うケースもあり、そのようなときどのように対応すればよいか悩む方もいるでしょう。
ここでは、車椅子でお葬式に参列する際の注意点をご紹介します。
車椅子でお葬式に参列したいとき
日程とともに葬儀場の情報も伝えられますので、まずは葬儀場がバリアフリー対応になっているかを確認しましょう。
最近ではホームページに施設の状態を公開している斎場も多いため、ホームページを確認するとある程度のことは分かります。
比較的新しい施設では、全館バリアフリー対応という施設がほとんどですので、特にストレスを感じず過ごすことができるはずです。
しかし、古い施設の場合は改装という形でバリアフリー対応をしても、構造上の問題で100%とはいかない場合があります。トイレなどは面積が決まってしまっているため、あとから対応しづらい箇所の一つです。
こういった場合、ホームページ上ではバリアフリーと謳っていても車椅子での移動が困難な箇所がある可能性があります。
念のため、葬儀場に直接電話で確認しておくことをお勧めします。葬儀場は基本的に24時間電話対応をしていますので、日中は仕事をしていて電話ができないという人でも、連絡が取りやすいでしょう。
お焼香の方法
バリアフリーとは別の問題で、お焼香をどのようにして行うかがあります。
館内自体はバリアフリーでも、比較的小さな会場でお通夜やお葬式を行う場合、車椅子で焼香台まで進むのがスペース的に難しいケースがあります。
こういった場合、多くの斎場ではスタッフが焼香器を席まで運んでくれますので、着席のままお焼香ができます。
スペースが確保されていて車椅子のまま焼香台まで移動できる場合でも、身を乗り出さなければお焼香ができない場合などはスタッフが焼香器を手元に移動させてくれます。
杖をついての参列の場合
車椅子は使用しておらず、杖をつけば歩行はできるという状態でお通夜やお葬式に参列する場合は、バリアフリーかどうかはさほど問題ではありませんが、お焼香を気にする人が多いようです。
杖をついたままお焼香を行って失礼にあたらないのか、杖を焼香台にかけてしまってよいものかどうか、など。
こういった場合、基本的にはやりやすい方法でお焼香をしてかまいません。
「お焼香とは」でご紹介している通り、自分を清めて故人の冥福を祈る気持ちが一番大切ですので、あまり細かいマナーに気を取られる必要はありません。
自宅葬の場合
故人の自宅でお葬式を行う場合は、まず車椅子での行動はできないと考えて良いでしょう。この場合、移動を介助してくれる人が必要となります。
遺族に迷惑をかけるのではと思い悩み、結果的に参列はあきらめて香典を郵送したという人や、親戚に介助を頼んで参列したという人など、対応は様々です。
こういった場合、どの方法が正解と言うことはなく、ケース・バイ・ケースになります。
故人との関係や自分の状況によりますが、参列を決めた場合でもそうでない場合でも、遺族にはその旨を伝えられると良いでしょう。
参列する場合は遺族側にも準備が必要になりますし、香典を郵送する場合でもそういう事情なのだと分かるほうが良いはずです。
遺族側の準備
もし遺族側で事前に車椅子で参列する人がいることが分かっていたら、葬儀場に伝えるようにしましょう。設備だけの問題ではなく、スタッフ側も事前に準備ができることでよりスムーズな対応が可能になるからです。
もちろん、会場の設営に関係することもありますので、分かった時点ですみやかに連絡を入れるようにしましょう。
お葬式には様々な人が参列します。妊娠中の人、小さな子供を連れた人、盲導犬を連れた人、車椅子で移動する人。自分の状況を考えて、参列を悩む人もいるでしょう。
その誰もが故人の死を悼み、冥福を祈っていることは間違いありません。
お互いの立場を気遣いあって、心地よく過ごせることが一番大切なことではないでしょうか。