お葬式のマナー
お葬式のマナー
忌明け、香典返しの挨拶状
忌明けには、忌明けの報告とともに、葬儀などでお世話になった方々へ「香典返し」を送ります。香典返しでは、品物に挨拶状を添えて送るのが一般的です。ここでは、香典返しを送る際に書く挨拶状のマナーや代表的な文面をご紹介いたします。
香典返しは、忌が明けたらすぐに出す
まず気をつけるべきことは、香典返しを送るタイミングです。忌明けの挨拶状は、忌が明けたらなるべくすぐに送るのが一般的です。香典返しを送る理由は、香典をくださった方へのお礼の気持ちを伝えるだけでなく、滞りなく法要を終えたことの報告も兼ねているからです。
仏教の場合、厄明けは故人が亡くなってから四十九日目です。(神式では五十日祭、キリスト教では1ケ月目に行われる追悼ミサの時期とされています。)四十九日が終わったタイミングですぐに送れるよう、早めに香典返しの準備をしておきましょう。
挨拶状の書き方
●書く内容の順序
挨拶状を書く場合は、以下のような順序で記載します。
1.お香典やお供えへのお礼
2.四十九日法要が無事済んだことの報告
3.香典返しを送ったことの報告
4.直接挨拶に伺わず、略儀で済ませることへのお詫び
5.日付
6.差出人の名前
文の初めと終わりには、頭語・結語を入れてもよいでしょう。必ず必要なものではありませんが、入れる場合は「拝啓/敬具」「謹啓/謹白」などを使用します。
また、3と4の間に「故人と生前おつきあいいただいたことへのお礼」を加えると、より丁寧な文になります。故人と親しい関係にあった友人へは、別途手書きでお礼状を書くと喜ばれるでしょう。内容については、お礼状の大きさや故人との関係性を鑑みて、適切な長さで書くことが大切です。
●故人の名前の書き方
挨拶状の中で故人を出す場合は、以下のような書き方をします。
「亡父(母) 〇〇」「亡祖父(母) 〇〇」「故 〇〇儀」
●季節の挨拶は入れない
季節の挨拶は入れる必要はありません。
●句読点は使わない
挨拶状を書く際は、句読点を使わないのが一般的です。葬儀や法事がつつがなく終わるようにという気持ちからきたものだといわれています。句読点をつけても失礼には値しませんが、避けた方が無難でしょう。
●繰り返し言葉は使わない
挨拶状で必ず避けたいのは、繰り返し言葉です。不幸の繰り返しを連想させる繰り返し言葉は、挨拶状に使ってはいけません。以下に繰り返し言葉をあげますので、これらは避けるようにしましょう。
ますます、度々、重ね重ね、返す返す、しばしば、再び、重ねて、続いて、再三
●「逝去」は使用しない
逝去という言葉は、故人に対して敬意を表する表現方法です。身内に対して使うと不自然ですので、使わないようにしましょう。
挨拶状の例文
以下は、相手との関係別の例文です。
●一般的な文章
拝啓
先般 亡母〇〇儀 永眠に際しましては
丁重なるお心遣いを賜り誠にありがとうございました
○月○日 滞りなく四十九日の法要を相営むことができました
生前に故人が賜りましたご厚情に対しあらためて感謝申し上げます
心ばかりの品ではございますが 供養のしるしにお届けいたしましたのでお納めくださいませ
本来であれば拝眉の上ご挨拶申し上げるべきところ 略儀ながら書中をもちましてご挨拶申し上げます
敬具
平成〇〇年〇月〇日
喪主 ○○○○
●故人と親しかった人への文章
謹啓
先日の亡父〇〇儀 葬儀に際しましてはご多用中にもかかわらずご会葬を賜り
かつご鄭重なるご厚志を賜り誠に有難く厚く御礼申し上げます
おかげ様をもちまして ○月○日に四十九日の法要を滞りなく済ませることができました
つきましては 供養のしるしに心ばかりの品をお送りいたします
何卒ご受納くださいますようお願い申し上げます
本来であれば拝眉の上御礼申し上げるべきとは存じますが
略儀ながら書中を持ちましてご挨拶申し上げます
敬白
平成○○年○月○日
○○○○
拝啓
先般 亡父〇〇の永眠の際には
お心のこもったお手紙とお香典を賜りまして誠にありがとうございました
お陰をもちまして 四十九日の法要を本日済ませることができました
生前中どれほど皆様に支えられたのかと思うと感謝に絶えない思いです
親しい皆様に見送っていただき 故人もきっと喜んでいることと存じます
つきましては 供養のしるしに心ばかりの品をお送りしますので御受納くださいませ
これからも何卒よろしくお願い申し上げます。
敬具
平成○○年○月○日
○○○○
●無宗教で行った場合に変えるところ
四十九日法要を済ませることができました → 所持万端滞りなく済ませることができました
●遠方から来てくださった方へ送る場合に加える文
先般 亡父〇〇儀 葬儀に際しましては遠方にもかかわらずご焼香ならびにお香典賜りましたこと暑く御礼申し上げます
○○の葬儀には ご遠方にもかかわらず貴重なお時間を割いて式場までお運び下さりありがとうございました
●親戚へ送る場合の書き出し
亡母〇〇儀 永眠の際はご丁重なるご厚志を賜り 謹んで御礼申し上げます
葬儀の際は 取り込み中万事不行き届きにて申し訳なく存じております
その節はゆっくりお話しするいとまもなく まことに行き届かぬことと申し訳なく存じております
取り込中にて何卒ご容赦下さいませ
挨拶状の内容は、立場や状況によって多少変わってきます。迷った際には上記を参考にしてみて下さい。