お葬式が終わったら
お葬式が終わったら
仏壇を継ぐ時の注意点
仏壇とは、先祖代々受け継いで供養されるものですが、住宅事情の変化に合わせてその供養の方法も様々になっています。一人っ子の場合、男子がいない場合、また継ぐべき子供がいない場合など、仏壇をどうしていくべきか悩むことも多いでしょう。
ここでは、仏壇を継ぐ時の注意点についてご紹介します。
仏壇を継ぐのは長男?
日本古来の考え方で言うと、仏壇に限らず家系にまつわるものは基本的に長男が継ぐというイメージがあります。これは日本が男系の家制度でなりたっていることに始まっていて、女性は他家に嫁いで名前も変わってしまうからという事情もあります。
しかし、少子化が進む中で、必ずしも男子がいる家庭ばかりでもなくなっているという現状もあり、現代ではこういった家制度も一部の地方を除けば随分と柔軟になってきています。
では、法律的に考えたときはどうでしょうか。
こちらも長男が継がなければならないという義務は一切なく、他の財産と同じように遺言や話し合いによって決められるべきものです。
それでも古くからのイメージで、自分が継がなければと考えている長男は多いようです。
娘しかいない時の仏壇をどうする?
では子供の中に男子がいなく、女の子しかいない家庭の場合の仏壇を誰か次ぐのかは悩むところです。前述の通り、婿養子をとらない限りは、女性は嫁ぎ先の姓に改姓することになりますし、嫁ぎ先にはまた別の仏壇がある可能性があります。
●夫が仏壇を継いでいない場合
嫁ぎ先では別の兄弟姉妹が仏壇を継いでいて、自分の夫は仏壇を継いでいない場合は話がスムーズです。家族で話し合って仏壇の置き場所や管理方法を決めるだけです。
マンション住まいなどで置く場所に困る場合は、置きやすい大きさのものに買い替えても良いかもしれません。最近ではマンションタイプの仏壇も種類が豊富ですので、居住空間にあったものを自由に選べます。古い仏壇は、きちんと手順を追って処分すれば特に問題ありません。(仏壇の処理方法)
●夫が仏壇を継いでいる場合
夫婦ともに一人っ子で、お互いに実家の仏壇を継ぐ必要がある場合は注意が必要です。
仏壇は仏教が基本になっているものですが、やっかいなことに仏教には宗派があり、作法などにも少しずつ違いがあるからです。
違う宗派の仏壇を並べたり、一つの仏壇にまとめたりすると、仏様同士がケンカするなどと言う人もいます。但し、実際のところこれには正解はありません。
先祖代々受け継がれてきたものとは言え、今生きている人間が生活の一部を犠牲にしなければならないようでは本末転倒ですから、夫婦間でよく話し合って決めるのが一番です。
仏壇の置き方
●仏壇を並べて置く
●どちらかを処分して、一つの仏壇に位牌をまとめる
●どちらも処分して、新しい仏壇に位牌をまとめる
●別々の部屋に仏壇を置く
いずれにしても、親戚には説明しておいたほうが無難かもしれません。もし自分の子供も一人っ子だった場合、今度はその子が仏壇を継ぐことになり、これは大きな負担となります。場合によってはどちらの仏壇も処理して位牌のみを供養するという方法もあります。
子供がいない場合
仏壇はあっても、継ぐべき子供がいない場合もあります。この場合は他の兄弟姉妹や親戚が継ぐことになります。但し、ここでもまた複数の仏壇の問題を考えなくてはなりません。
自分たちの代で終わらせるというのも一つの考え方ではありますが、閉眼法要などを行う場合は費用がかかります。事前に相談し、仏壇の相続方法と処理の方法を決めて書面に残しておくと安心です。
遺産としての仏壇
民法では、お墓や仏壇、位牌などの「祭祀財産」を相続の対象としていません。そのため、通常の遺産相続とは扱いが変わってきます。
これについては、次回「遺産としての仏壇」でご紹介します。