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夫婦墓とは

夫婦墓とは、主に夫婦二人のためだけの安置を目的としたお墓のことを指します。一般的な家族墓とは異なり、夫婦の一代限りの使用を前提としており、次世代や他の家族は基本的に納骨されません。夫婦墓を選ぶ背景には、「子どもがいない」「先祖代々のお墓に入りたくない」「夫婦二人だけの場所を作りたい」といった希望があり、最近では特に高齢化や核家族化の進行に伴い選ばれるケースが増えています。

また、夫婦墓は納骨の形態が複数あるため、夫婦の希望や価値観に応じた選択が可能です。例えば、一般的な墓石の設置ができる個別墓や、自然に還る樹木葬、屋内で遺骨を安置する納骨堂などがあります。多くの場合、霊園や寺院が供養や管理を代行する「永代供養」が含まれた契約が選ばれており、子供がいない夫婦でも安心して利用できる点が魅力です。

近年、夫婦墓の形態が多様化している背景には、「自分らしいお墓」を希望する夫婦が増えている点も挙げられます。二人のためだけの墓を持つことで、生前の絆を形にし、心安らかに旅立ちの準備を整えたいと考える方が増えているのです。

夫婦墓のメリット

夫婦墓を選ぶメリットには、残された親族や子孫への負担が軽減される点が挙げられます。通常のお墓は定期的な管理が必要で、管理費用がかかることから継承者が負担を抱えるケースもありますが、永代供養付きの夫婦墓であれば、霊園や寺院が管理を担うため、遺族の手間が軽減されます。このため、遠方に住む親族や頻繁に訪問できない家族にも適した選択肢といえます。

加えて、夫婦で自由にお墓のデザインを決められる点も魅力です。家族や親族用のお墓とは異なり、二人だけのための特別な場所として設計できるため、二人の好みや価値観を反映したお墓を選択できます。例えば、墓石に二人にしかわからないメッセージやモチーフを刻むことで、二人だけの思い出を形に残すことも可能です。自分たちの意志を尊重しながら、心安らぐ場所を設けられる点もメリットと言えるでしょう。

さらに、夫婦墓はコスト面でも柔軟な選択が可能です。供養の形態に応じて費用が異なるため、二人の希望や予算に合わせて無理のない計画を立てられる点も、夫婦墓ならではのメリットです。承継者が不要な永代供養付きの夫婦墓であれば、初期費用を支払うだけで、後の管理費を心配せずに済む安心感もあります。

 

夫婦墓の種類

夫婦墓には、大きく分けて「個別墓」「樹木葬」「納骨堂」の3つの種類があります。それぞれの特徴と費用相場を知ることで、夫婦の理想に合った選択ができるでしょう。

まず、個別墓は一般的なお墓と同様に、専用の墓石を建てて夫婦二人を安置する方法です。菩提寺や霊園に墓地区画を購入し、夫婦の名前を連名で彫刻できる点が特徴で、一定期間後に合祀されるケースもあります。価格にはかなり幅がありますが、石造りの一般墓や和風庭園墓は比較的安価で、100万円前後から購入することができます。但しお墓の相場は墓所の地代の影響が大きく、地域により大きな差があります。詳しくは「お墓の種類と相場」を参考にしてください。

次に、樹木葬は自然に還る埋葬方法として注目を浴びています。シンボルツリーの周囲や下に夫婦二人の遺骨を埋葬し、墓石の代わりに樹木をシンボルとすることで、自然の中で故人を偲ぶことができます。費用は個別墓よりも安価で1/3~1/10程度のため、費用面でもメリットの多い選択肢です。費用はシンボルツリーの共有か個別の植樹かで異なります。

納骨堂は屋内に遺骨を安置する施設で、ロッカー式や位牌式・仏壇式、自動搬送式など様々な形態があります。夫婦型の費用相場には50万円程度から300万円程度とかなり幅があり、使用期限や施設のグレードによって変動します。一定期間仏壇式納骨堂を使用し、その後位牌式に変更することも可能であるなど、柔軟性の高さもメリットの一つです。施設の手軽さと管理のしやすさが特徴で、訪問頻度に左右されず安定的に供養が行われます。

夫婦墓の注意点

夫婦墓を選ぶ際には、いくつかの注意点を把握しておく必要があります。まず、多くの夫婦墓には区画の使用期限が設けられており、一定期間が過ぎると合祀墓に移される点が挙げられます。合祀墓に移された後は、遺骨の取り出しができなくなるため、最終的にどうなるかを事前に確認しておくことが重要です。

次に、夫婦墓の維持費や管理費についても十分な検討が必要です。特に、年間管理費が発生する場合、生前のうちに一括で支払うことが一般的ですが、契約内容によっては遺族が負担するケースもあるため、家族への影響を配慮することが求められます。

また、子どもがいる場合、夫婦墓を選択することで、子どもにとってお墓参りの負担が増えることもあります。夫婦墓があることで、家族のお墓と夫婦墓を別々に参る必要が生じるため、家族間で十分な話し合いを行い、最適な選択を検討することが大切です。

 

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