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年忌法要の意味

まずは、年忌法要のそもそもの意味と歴史を考えてみましょう。

年忌法要は仏教行事の一つで、命日に遺族が故人の冥福を祈って行うものです。しかし、仏教の発祥の地であるインドでは、死者を弔う行事は行われていませんでした。そもそも仏教は悟りを開いて仏となることを目指す教えであり、その対象は死者ではなかったためです。

死者を偲び弔う「法要」は、インドから仏教が伝来した先の中国で独自に発展した行事だと考えられています。

 

年忌法要の回数

法要の種類でもご紹介している通り、年忌法要は50回忌まであります。

 

法要 年数
一周忌 満1年
三回忌 満2年(数え3年)
七回忌 満6年(数え7年)
十三回忌 満12年(数え13年)
十七回忌 満16年(数え17年)
二十三回忌 満22年(数え23年)
二十七回忌 満26年(数え27年)
三十三回忌 満32年(数え33年)
五十回忌 満49年(数え50年)

 

五十回忌まで行う人は殆どいなく、やったとしても二十七回忌や三十三回忌で弔いあげにするケースが一般的ですが、最近はさらに省略される傾向があるようです。檀家離れや親戚同士が高齢化して集まるのが難しくなっていることも一つの原因でしょう。

 

満二年後に行われる三回忌

一周忌とは、故人が亡くなってからちょうど一年目の命日(故人が亡くなった日)に行われる法要で、年忌法要の中でも最も重要と考えられているものです。他の法要は省略しても、一周忌だけは行うという人も少なくありません。

その次に行われることが多いのが三回忌です。一周忌は故人が亡くなってからちょうど1年後の命日に行われるのに対し、三回忌は「三」という数字がついてはいるものの、三年後に行われるのではなく二年後に行われるのが特徴です。

なぜ二年後なのに三回忌と呼ぶのかと言うと、故人の死後満一年を過ぎたあとは亡くなった日を1回目の命日と数えるためです。一周忌までは「周忌」と呼ぶのに対し、満二年目以降は「回忌」と呼ばれますが、これは数え方が変わるからです。但し、地方によっては三回忌を三周忌と呼ぶ場合もあります。

ではなぜ、三回忌までは行われることが多いのでしょうか。

三回忌の意

人の死後、誰もが浄土に行けるわけではありません。六道輪廻の世界では、死後に十王の裁きを受け、その裁きによって「天」「人」「修羅」「畜生」「餓鬼」「地獄」の六道の中でどの世界に行くかが決まります。

死後七日ごとに七回の裁きが行われ、四十九日目にようやく行き先が決まります。

中陰法要では、十王の裁きを受ける故人が安楽の世界である浄土へ召されるよう、遺族が経を上げて徳を積むことを目的としていました。

このように四十九日で行き先が決まるものの、この裁きは全部で十回行われるという説があります。

中陰の七回の裁きのあと、百日、一周忌、三回忌の三回の裁きが行われるのです。これは中国の儒教の思想が加わったと言われており、いわば追試のようなものです。

遺族はこの裁きに合わせて故人の徳を積むように法要を行うため、三回忌までは特に重要だと考えられているのです。

その後、四回忌は無く、さらに三年後の七回忌となることを不思議に思う人もいるかもしれません。一説では、仏教では全てのことは簡単に割り切れないと考えられているため、数字でも「三」「七」のように奇数が好まれることが理由と言われています。

しかしこれには諸説があり、確かなことは分かっていません。

 

三回忌を行う人

法要を行う場合は施主が必要ですが、お葬式の施主が務めるのが一般的です。喪主が施主を兼ねるケースが多いので、喪主が法要の施主を務めることになります。

但し、喪主が体調を崩していたり、多忙で対応できない場合などには他の遺族が代わって行うことも可能です。日取りは故人の命日に行うのが基本ですが、なかなか難しいのが現実です。

その場合は命日に近い別の日程で行っても問題ありませんが、命日よりも前倒しで調整するほうが望ましい点は一周忌と同様です。後ろ倒しをすると、故人の命日をないがしろにした格好になってしまうためです。

三回忌法要の流れ

三回忌の流れですが、一周忌やその他の年忌法要と同様で、特別な決まりはありません。以下に一般的な法要の流れについてご紹介します。

挨拶(司会、または法要の主催者)
僧侶を迎える
僧侶による読経
お焼香(読経の途中から開始する)
主催者の挨拶
終了

このあと、参列者全員で会食を行うのが一般的です。
会場はお葬式や一周忌を行った葬儀場を使用したり、墓地に付帯、または隣接する会場を使用するケースが多いようです。

法要のお布施については、「法要のお布施の相場」を参考にしてみて下さい。

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