お葬式が終わったら
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世帯主が死亡したら―世帯主変更届
大切な家族を亡くした悲しみはとても大きなものです。それが世帯主だった場合には、生活の不安なども重なるため、精神的な負担はより大きなものになるでしょう。
しかしお葬式と同様、公的な手続きに関しても期限が決められていて、早急に手続しなければいけないものが多くあります。その一つが「世帯主変更届」です。
ここでは、世帯主変更の手続きについてご紹介します。
世帯主とは
国民の住所は、「世帯」で登録・管理されています。一つの世帯で複数の家族が生活している場合は、その代表者である「世帯主」が必ず必要になります。
経済的に主となる人間が世帯主となることが一般的なため、多くの家庭では父親や夫が世帯主となっています。但し、収入が一番多い人間が世帯主になるという法律的な決まりがあるわけではありません。共働きや、家族全員に所得がある場合でも、一つの住所に暮らす場合は必ず誰か一人を「世帯主」として登録しなければなりません。
例えば国民健康保険などは、この「世帯」を単位として加入するため、実際に保険料を支払う人がだれであっても加入者は「世帯主」となり、納税通知書は世帯主宛てになります。
このように、世帯主は管理上必ず必要になるものです。もし世帯主が死亡した場合は、速やかに別の人間に変更する必要があります。
世帯主変更届
世帯主変更届は、世帯変更届に含まれる手続きの一つです。手続き方法については以下のようになります。
●世帯主変更の届け出先
住所のある自治体の役所の区民課、または市民課に届出をします。世帯主変更届は支所や出張所では取り扱っていないことも多いため、手続きが可能な場所を事前に確認しておくと良いでしょう。
●手続きができる人
世帯主変更の手続きができるのは、世帯主本人もしくは世帯員とされています。死亡による変更手続きの場合、本人が手続きを行うことが出来ないため、世帯員が手続きを行います。第三者が手続きを行うことが出来ないため、注意が必要です。
但し、世帯員の委任状があれば代理人が手続きを行うことが可能です。
世帯員が手続きの時間が取れなかったり、体調が悪くて役所に出向くことが出来ない場合は、委任状を作成して親族などに手続きを依頼することもできます。
●世帯主変更届の期限
世帯主の死亡による変更の手続きは、死亡から14日以内に届け出をしなければなりません。また、正当な理由なく届け出を行わなかった場合、罰せられる可能性もあります。
「住民基本台帳法」という法律には以下のように定められていますので、届出は早めに行うようにしましょう。
これ以外にもたくさんの申請や届け出が必要になりますので、必要な手続きを事前に確認し、まとめて申請や届け出を行えば、何度も役所に出向く必要はありません。
住民基本台帳法(世帯変更届)
第二五条 第二十二条第一項及び第二十三条の場合を除くほか、その属する世帯又はその世帯主に変更があつた者(政令で定める者を除く。)は、その変更があつた日から十四日以内に、その氏名、変更があつた事項及び変更があつた年月日を市町村長に届け出なければならない。
住民基本台帳法(罰則)
第五二条
2 正当な理由がなくて第二十二条から第二十四条まで、第二十五条又は第三十条の四十六から第三十条の四十八までの規定による届出をしない者は、五万円以下の過料に処する。
但し、夫婦二人暮らしなど、世帯主以外の世帯員が一人しかいない場合は自動的に残りの一人が世帯主になるため、特に手続きを行う必要はありません。
また、世帯主は成人していることが前提となります。残された世帯員が妻と未成年の子供といったように、成人した世帯員が一人だけの場合も同じく手続き不要です。
世帯主変更手続きに必要なもの
世帯主変更手続きに必要なものは以下の通りです。
●本人確認書類
運転免許証、パスポート、マイナンバーカードなど、顔写真付きのもの。保険証や年金手帳の場合は2点の提示が必要になります。
●印鑑
シャチハタ以外の印鑑。認印で問題ありません。
●世帯全員の国民健康保険
国民健康保険に加入している場合は加入内容が変更になるため、保険証を持参しましょう。社会保険の場合は必要ありません。
●委任状
世帯員が何等かの事情で手続きに行くことが出来ずに代理人に依頼する場合は、委任状が必要です。書式に決まりはありませんが、以下の項目を記入するようにしましょう。
1.タイトル 「委任状」
2.作成年月日 委任状を作成した日付。
3.(委任する)本人について ※この場合は、世帯員の誰か
住所、氏名及び押印、生年月日、電話番号(平日の昼間にご連絡可能なもの)
4.(委任される)代理人について
住所、氏名、生年月日
5.委任する内容(例: 世帯主変更届について、手続きを●●に委任します)
世帯主の死亡による変更の場合、死亡から2週間以内というのはかなり短い期間です。手続きせずに罰則を受けることの無いよう、早めの手続きをおすすめします。