お葬式が終わったら
お葬式が終わったら
お盆と盆踊りの関係
お盆は仏教行事の一つで、この時期には先祖の魂が浄土からこの世へ降りてくるといわれています。日本では、古くからお盆に供えて様々な準備をし、ご先祖の霊を迎えてきました。お盆の時期に良く行われている「盆踊り」は、お盆と関係の深い行事の一つです。
ここでは盆踊りの由来と、お盆との関係についてご紹介します。
お盆とは
お盆の正式名称は「盂蘭盆会(うらぼんえ)」で、私たちが良く口にしている「お盆」というのはその略称です。
お盆は本来7月中旬に行われるのが主流でしたが、ひと昔前までは農作業を行う人が大半を占めており、7月中旬は農作業で忙しい時期でもありました。その忙しい時期を避けるために時期が少しずつずれて、8月中旬に行われるように変化していきました。現在では、7月の場合は7月13日から4日間、8月に行われる場合は8月13日から4日間とする地域が多い傾向があります。日本では、この時期には仕事を休んで先祖の供養を行うという考えが元になり、「お盆休み」が定着するようになりました。
この時期には規制して、家族と過ごす人も多いでしょう。
盆踊りとは
盆踊りは夏の風物詩として、日本人にはとても馴染みの深いものです。夏になると大小含めて日本各地で夏祭りが開催され、やぐらを組んで提灯が吊るされた風景を目にする機会も多くなります。地域で行われる盆踊りの多くはやぐらを組んで太鼓を叩き、その周りを輪になって踊りながら回るのが一般的です。中には地域の伝統として進化し、列を組んで踊る「阿波踊り」などもあります。
ニシン漁で唄われていた「ソーラン節」などは、もともとは漁師が過酷な肉体労働に耐えるために唄っていたものですが、全国に派生して多くの小学生や中学生が運動会で踊るようになっています。盆踊りで流れる音楽は地域によって実に様々ですが、幼いころから慣れ親しんだ音楽が流れると自然と体が動いてしまうこともあるのではないでしょうか。残念ながら、コロナ禍では感染防止のために多くの行事が中止され、盆踊りも例外ではありませんでした。しかし、夏祭りと盆踊りは日本人が心を躍らせる行事の一つであることには違いありません。
盆踊りの意味
さて、このように地域で行われる行事と言ったイメージが強い盆踊りですが、「盆踊り」という名前の通り、仏教行事である「お盆」と深い関りがあるものです。お盆になると先祖の霊が浄土から降りてくるため、その霊を迎える一つの行事として「盆踊り」が行われて来ました。盆踊りには、「先祖を供養する」意味が込められているのです。
盆踊りの由来
なぜ先祖を迎える時期に踊りを踊るようになったのかと言うと、その起源には諸説がありますが、「踊り念仏」にあるという説が有力です。踊り念仏の発祥は鎌倉時代と言われており、浄土宗の一派である時宗の開祖である一遍が始めたと言われています。
一篇が門弟たちと共に各地を布教して回った際に、踊り念仏が踊られていた記録が「一遍聖絵(いっぺんひじりえ)※」に描かれているからです。
※鎌倉時代に時宗を開いた高僧、一遍上人の生涯を表すもの。「一遍上人絵伝」とも称される伝記絵巻。
一遍は「南無阿弥陀仏」と唱えれば誰でも救われることが出来るという、「他力念仏」を説きました。念仏を唱え、成仏が約束されたものたちがその喜びを踊ることで表現したのが、踊り念仏であるとされています。時宗の念仏は鉢を打ち鳴らして踊りながら念仏を称えるスタイルのため、「踊り念仏」と呼ばれています。浄土宗の宗派の中でも非常に特徴的で、一遍が遊行しながら行ったこの踊り念仏が全国に広まり、盆踊りの元になったと言われています。
踊念仏が時と共に地域の民族芸能と結びつき、日本古来の風習と混ざりあいながら地域ごとに独自に発展して行った結果、少しずつ今の「盆踊り」に変化していきました。
今でも盆踊りが盛んに行われている地域は、一遍上人が全国行脚の際に訪れた土地であることが多いようです。
自分が救われるために踊るのではなく、先祖の霊を迎え、また送り出す儀式である盆踊りですが、多くの盆踊りは仏教とは関係なく地域の行事として行われています。盆踊りに参加する際に、改めてその起源や意味を考えてみるのも良いかもしれません。