お葬式が終わったら
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車を相続するための手続きは?
故人が車を所有していた場合、引き継いで所有することは相続になります。この際、車を相続するためにはどのような手続きが必要になるのでしょうか?
ここでは車を相続するための手続きや費用についてご紹介します。
車は遺産になるか
家族が亡くなった時、相続人は故人の財産を相続します。現金、預金はもとより、土地や不動産、有価証券、債権、ゴルフの会員権や特許権、著作権などの知的財産権まで、多岐に渡ります。
その他、絵画や宝石、骨董品なども、金銭的価値の高いものであれば遺産として扱われます。
もちろん、車も例外ではありません。
遺産として取り扱われる以上、その価値を評価し、適正な相続手続きを行う必要があります。
その車に金銭的な価値があれば、相続税の対象にもなります。
土地や建物のような「不動産」に対し、車は相続上「一般動産」として扱われます。
価値の評価の際は、新車で購入した際の価格ではなく相続時の評価額によって税金が決まります。
車の相続方法
故人の車をどのようにするかは、相続人の状況によって変わります。大きくは以下の3つに分かれるでしょう。
●相続した車をそのまま使用する
●売却する
●廃車にする(評価額がゼロの場合)
相続した車をそのまま使用することもあれば、相続人が既に車を所有していて、車が必要ない場合もあるでしょう。その場合は専門業者に買取を依頼し、売却することになります。しかし、売却のために査定を依頼したら評価額がゼロだったということもあり得ます。その場合は廃車手続きを行い、処分する必要があります。
いずれにしても、車の評価額の確認は必須になります。
車の評価方法
車の評価には、大きく4つの方法があります。
●原価償却を用いた評価
●車の減価償却を考慮して、購入価格からの減額を計算。経年劣化を考慮した相対的な評価方法。
●一般的な買取価格評価
●市場相場や車の状態などを考慮し、一般的な買取価格を基に査定する方法。需要と供給のバランスも影響する。
●専門業者の査定による評価
●専門業者に車を査定してもらい、車の状態や走行距離などを具体的に評価し、それに基づいて価格を算定する。
●実際の買取り額による評価
●車を実際に買い取る業者が提示する価格。交渉や市場の需要により変動し、最終的な売却価格となる。
いずれの場合でも、車種と年式、走行距離によっておおよその評価額が算定されます。
それ以外にも外観の状態、エンジンやトランスミッションなどメカニカルな部分の状態、内装の状態、オプションやアクセサリーの有無によっても評価額は変動します。
当然ながら年式が新しく、目立った傷や汚れがない車の査定価格は高くなります。
評価額が決まれば、他の遺産と合わせた相続税額を計算することができます。
車の相続に関する手続き
車を相続するにあたり、そのまま自分で所有するにしても、売却するにしても、必ず名義変更を行う必要があります。車の持ち主が死亡しても、名義変更の手続きを行わなければ持ち主は故人のままです。
道路運送車両法では、名義変更の事由が生じた15日以内に手続きを行うことが定められており、これに違反すると50万円以下の罰金を受ける可能性があります。
約2週間ほどしか期限がないため、必要書類などは事前にしっかりと準備しておきましょう。
車の名義変更に必要な書類
車の名義変更に必要な書類は、以下の通りです。
●車検証
●車の所有者の死亡が確認できる戸籍謄本
●譲渡証明書
●印鑑証明書(新しい持ち主のもの)
●実印(新しい持ち主のもの)
●車庫証明書
上記は相続人が一人で車を相続する場合に必要な書類です。複数の相続人で相続する場合は、全員の実印と印鑑証明書、複数で相続する旨を記載した証明書が必要になります。
これらの書類を揃えたら、所轄の運輸局に行って手続きをします。
運輸局の管轄が変わらなければナンバープレートはそのまま使用できますが、相続人の住所が別の運輸局の管轄の場合は、新たにナンバープレートを取得しなければなりません。
この手続きについては、運輸局で行うことができます。
名義変更に関する注意事項
車の名義変更にはいくつか注意点がありますので、必ず確認するようにしましょう。
●車検が切れていないか?
名義変更ができるのは、車検の期間が有効な車両のみです。もし車検が切れていると、車検を通してから名義変更が必要になります。
この費用は、相続税算出の際に車両の査定額から差し引くことができます。
●相続は単独か?複数人か?
単独での相続でなく複数人で相続する場合は、持ち分を協議して遺産分割協議書を作成する必要があります。名義変更の際にはこの協議書が必要になります。
お葬式の準備に追われる中、2週間以内に詳細の確認や書類を作成するのは大変なことです。こういった場合、行政書士などの専門家に代理で手続きを依頼することも可能です。
但し依頼には費用がかかりますので、相談の際に費用の対象となる手続きと、代行費用についてはしっかりと確認しておくようにしましょう。