お葬式が終わったら
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併修とは?2つ以上の法事を同時に行う方法
「併修」は複数の法要をまとめて実施する方法で、遺族や参列者の負担を軽減する利点があります。しかし、併修にはいくつかの注意点やマナーが存在し、慎重に行う必要があります。ここでは、併修の概要から実施方法、お布施のマナーまで詳しくご紹介します。
併修とは
「併修」とは、2つ以上の法事を同時に行うことを指します。たとえば、父親の十三回忌と祖父の三十三回忌など、同じ年に複数の回忌法要が重なる場合、これらを一度に執り行うことができます。併修は、施主側や参列者の負担を軽減できるため、近年では多くの家庭で選ばれる方法となっています。
特に、年忌法要が多く、経済的負担や時間的制約がある場合に便利です。これにより、法要の準備や出席の手間が省けるため、忙しい現代においてはありがたい選択肢と言えるでしょう。
併修を実施する際には、法要の対象となる故人の年忌が同じ年に重なる場合に限られる点に注意が必要です。例えば、十三回忌と三十三回忌が同じ年に訪れる場合には、これらを同時に行うことができます。しかし、回忌法要の中には、個別に行うべき法要もあるため、慎重に判断しなければなりません。併修はあくまで「同じ年」の法要に限ることが基本的なマナーです。
併修の注意点
併修を行う際にはいくつかの重要な注意点があります。まず、亡くなってから年数が浅い故人の法要はできる限り個別に行うべきです。
たとえば、一周忌や三回忌など、亡くなってから1~3年以内の法要は、併修を避けたほうがよいとされています。これは、まだ故人をしっかりと偲ぶ時間が必要なため、個別に法要を行う方が適切とされているからです。
また、併修の実施日を決める際にも注意が必要です。複数の命日が重なる場合、最初に訪れる命日を基準にする方法が一般的ですが、遺族や菩提寺と相談し、どの日程が最も適切かを確認する必要があります。また、併修は基本的に同年内に行うことが推奨されており、翌年にまたがる法要は基本的には避けるべきです。
さらに、親族への通知にも配慮が必要です。併修を行う際は、招待状やお知らせ状にその旨を明記し、併修であることを事前に伝えることが大切です。これにより、参列者が混乱することなく、スムーズに法要に参加できるようになります。
併修の行い方
併修の実施方法にはいくつかのポイントがあります。法要をまとめて行うことで、施主側にも参列側にも経済的・時間的負担が軽減されるメリットがありますが、適切な調整が必要です。法要の日程を決める際には、菩提寺や親族と相談し、最も適切なタイミングを選びましょう。
法要の進行についても注意が必要です。複数の回忌を同時に行う場合、順番や進行方法についても工夫が求められます。たとえば、一番最近に亡くなった方の回忌を先に行うことが一般的ですが、この順番も菩提寺との打ち合わせで決めると良いでしょう。
また、併修を行う際には、参列者の服装やマナーにも配慮が必要です。法要の服装は通常、七回忌までは喪服、それ以降は平服など、故人の年忌に応じて決まります。併修の場合は、年忌の浅い方に合わせるのが無難でしょう。
1.併修する法要の選定
併修では、複数の法要を同時に行うことになりますが、すべての法要が併修に適しているわけではありません。一般的には、以下のような法要が併修されます:
●三回忌・七回忌などの年忌法要
●命日法要とその後の供養
●法事が重なる場合のご先祖様の供養
特に、法要の内容が大きく異なる場合(例えば、亡くなった方の命日法要と忌明け法要の併修)は避けるべきです。
2.寺院との調整
併修を行う際には、事前に寺院と調整を行うことが重要です。僧侶に併修を行う旨を伝え、法要の内容や順番について確認します。また、併修する法要の数が増えると、僧侶や参加者の負担も増えるため、適切な時間配分を相談しましょう。
3.併修の際の順番
通常、法要は時系列に従って順番が決まっていることが多いため、併修の場合もその順番を守ることが大切です。例えば、先祖の供養を最初に行い、その後に命日法要を続けるなど、順序を明確にしておくと良いでしょう。
4.参加者への案内
併修を行う場合、参加者に対しては事前に説明をしておきましょう。特に、法要の順番や所要時間について伝えることで、参加者の負担を減らし、心の準備をしてもらうことができます。
併修のお布施は?
併修を行う際は、お布施についても考慮する必要があります。2つの法要を同時に行う場合、「お布施は二人分必要?」という疑問が生じますが、実際には通常の2倍のお布施を用意する必要はありません。一般的には、併修のお布施は通常の1.5倍程度が目安とされています。
法要をまとめて行うことで僧侶の負担が2倍になるわけではないため、金額を倍にする必要はないからです。
お布施の包み方は、通常の法要と同じく奉書紙で包み、表書きには「御布施」と記載します。新札を使用することが基本ですが、古札しかない場合はできるだけ新札に近いお札を使用するようにしましょう。また、お布施は直接手で渡さず、袱紗に包んで渡すのがマナーです。併修の場合でも、僧侶への「御車代」や「御膳料」も忘れずに準備する必要があります。これらはお布施とは別に包んで渡すようにしましょう。
併修は複数の法要を一度に行うことで、経済的・時間的な負担を軽減する方法として多くの遺族に選ばれています。しかし既にご紹介した通り、併修を行う際には注意すべき点がいくつかあります。併修を検討する際は、まず菩提寺に相談し、家族や親族と十分に話し合うことが重要です。