お葬式が終わったら
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命日の過ごし方
命日は、故人のことを思い出して語り合いながら、故人を弔うための日とされています。ひとえに命日と言っても、実は、祥月(しょうつき)命日や月命日が存在し、それぞれ意味や過ごし方が異なります。各命日になった時、遺族はどのように過ごせばよいのでしょうか。また、各命日では何をしなければならないのでしょうか。ここでは、祥月命日や月命日の意味と、供養の方法について説明します。
祥月命日
●意味
命日は、故人が亡くなった年月日のことを指し、祥月命日は、故人が亡くなった月日と同じ月日のことを表しています。例えば、2月3日に亡くなったのであれば、故人が亡くなった日以降に毎年訪れる2月3日のことを示しています。
古来の日本では、故人が亡くなって一年経った日のことを小祥、二年経った日のことを大祥と呼んでいたため、その習慣が残り、毎年訪れる命日のことを祥月命日と呼ぶようになりました。祥月の「祥」という文字は「さいわい」という読み方を持っており、凶から吉へ変化するという意味が込められています。
●供養の方法
祥月命日では、故人の位牌があるお仏壇に食べ物やお花をお供えする他、お墓参りへ行ったり塔婆供養を行ったりして故人の供養を行います。塔婆供養は、人の形をモチーフに作られたとされている塔婆に梵字が書かれており、法要の名前や作成した人の名前、日付などが記入されます。この塔婆をお墓の近くに建てることによって、故人を弔うことができます。古い塔婆が沢山増えてしまったら、お焚き上げを行いましょう。
故人の命日から一年以上経ってから行われる供養は、亡くなってから四十九日までの間に行われる法要とは違い、遺族のみで行われることが多いのが特徴です。
●法要
祥月命日に行われる供養の中でも、お寺の住職を呼んでお経をあげてもらうことを法要と言います。法要は、故人が亡くなってから一年経った日の法要を一周忌、二年経った日を三回忌と言い、それ以降は一ずつ回が増えていきます。命日から二年経った日の法要を二回忌ではなく三回忌と言う理由は、三回忌以降は「かぞえ」で数え、「○回忌」と表現するからです。三回忌以降の法要は、七回忌、十三回忌、十七回忌…のように、三と七がつく祥月命日に行われます。回忌法要を重ねて五十回忌を超えた場合は、それ以降の法要は五十年毎に行うとされています。しかし、五十年毎に行うということはなかなか現実的には難しいため、三十三回忌を終えた後などを期に「弔い上げ」を行い、法要の締めくくりをすることもあります。法事と言われる行事は、この三と七がつく祥月命日に行われる法要と共に、会食が行われる儀式のことを表しています。
月命日
●意味
月命日は、故人が亡くなった日と同じ日のことを表しています。例えば、2月3日に亡くなったのであれば、毎月3日が月命日となります。月命日は、故人の命日に故人のことを思い出して供養する日です。祥月命日のように、遺族が集まって法要などの儀式を行う必要はなく、故人の遺骨を管理する遺族などによって行われます。また、祥月命日のように弔い上げのようなものはなく、永久に続くものです。月命日に毎月供養をして故人との時間を思い返すことで、故人を変わらず大切に想い続けていることを改めて確認できる日という意味を持っています。
●供養の方法
月命日では、故人が好きだった食べ物や飲み物を仏壇へお供えし、お花を添えてお焼香するのが一般的です。中には、お墓へお参りをしたりする家や、家に住職を読んでお経をあげてもらう「月参り」を行う家もあります。月命日に供養をする行事のことを月忌(がっき)と呼ぶため、月命日自体を月忌と言うこともあります。祥月命日と同様にしっかりと供養を行うかどうかは家の考え方によるものも大きく、必ず行わなければならないといった決まりはありません。また、もし血族の月命日が月の中に何日も存在している場合は、それらの日に最も近い日を選び、まとめて供養する方法を取ることもあります。
月命日を行う上で最も大切なのは、毎月同じ日に供養を行うことによって、いつまでも故人のことを忘れずにいられるということです。祥月命日よりも柔軟に対応しやすい命日でもありますので、遺族の都合や気持ちに合わせ、適切な供養の方法を選ぶのが良いでしょう。