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寿陵とは

寿陵とは、自分が生きているうちに建てた自分のお墓のことです。別の言葉では、生前墓といわれることもあります。通常のお墓は黒字で戒名が刻まれていますが、寿陵では朱字で書かれています。

寿陵の寿は

寿陵の由来

寿陵は、古代中国から日本へ伝えられたといわれています。古代中国では、寿陵を建てることが長寿につながるとされていたため、寿陵は縁起が良いものとして伝わってきました。長寿の他にも、子孫繁栄や家庭円満などの良いことが訪れるという言い伝えもあるようです。

日本での歴史も非常に古く、飛鳥時代を生きた聖徳太子も、寿陵を建てていたと伝えられています。仏教では、生前に位牌や墓石を用意し、冥福を祈ることを逆修(ぎゃくしゅ)といい、寿陵と同じような意味を持っています。

寿陵01

寿陵のメリット

場所やデザインを自分の好きなように決められる

寿陵の最大のメリットは、自分の墓を自分の好きなようにアレンジできるという点です。どこに建てるか、どのようなデザインにするかなど、予算に合わせて望みどおりのものが作れます。お墓を建てる場所やデザインにこだわりがある人は、寿陵という選択肢を取ってもよさそうです。家族と一緒に墓石を選べば、家族の良き思い出となるかも知れません。

遺族の負担を減らせる

家族が亡くなってから葬儀を行い、それから墓石を探すとなると、何かと時間と手間がかかります。契約からデザイン決定、施工から納品までの工程を考えると、少なくとも1ケ月以上は見ておかなければなりません。これからは高齢化社会でどんどんお墓が増えていくことになります。墓地不足が深刻化してしまう前に、予め寿陵を建てておくのも賢い選択肢と言えそうです。

寿陵があれば、このような手間が一切なくなり、家族の負担が大幅に減ることになるでしょう。家族への負担を考え、最近では寿陵を建てておこうと考える人が増えてきています。

節税対策になる

寿陵を建てるもうひとつのメリットは、節税対策になるという点です。財産を持つ人が亡くなると、家族らに遺産が相続されます。この際、相続されるのは現金だけではなく、不動産や有価証券、宝石などの有形財産も含まれます。そして、これらの財産の評価額に対して一定額課せられるのが、相続税です。

しかし、墓石やそれに準ずるものに関しては遺産とは判断されず、相続税の対象にはなりません。お墓を作るためのお金を残しておけば相続税がかかりますが、お墓をすでに購入してしまっていれば、それに税が課せられることがないのです。

同じ墓石を建てるなら、相続税が引かれない方法で残してあげるのも、残された家族への愛情ととらえる人も少なくありません。

寿陵02

寿陵のデメリット

後でより良い墓地が見つかることも

寿陵にはたくさんのメリットがありますが、一方でデメリットも存在します。寿陵を建てたはいいものの、その後さらに魅力的な墓地が見つかってしまい、移動させたいという気持ちが湧いてしまったということもあるようです。墓所は簡単に建て直せるものではありませんし、移動しようとなるとそれだけお金がかかります。寿陵を建てる際には、本当にこれでよいのか、じっくりと時間をかけて検討することが大切です。

寿陵が認められないことも

墓地によっては、寿陵が認められないケースも存在します。認めてもらえないケースで多いのは、公営墓地です。遺骨がないと受け付けてもらえない場合や、寿陵として受け入れている枠が非常に少ないこともあります。希望の墓地が見つかったら、寿陵ができるのかどうかを一度確認してみることをおすすめします。

定期的にメンテナンスしなければならない

寿陵をつくるデメリットとして考えられるもうひとつのことは、生前から墓地のメンテナンスをする必要があるという点です。自分の墓を自分で掃除するというのは不思議な感覚ではありますが、人によっては手間と感じ、デメリットとなる可能性もあります。

寿陵03

寿陵についてはメリットとデメリットがありますが、メリットの方が大きいと感じた場合には、検討してみても良いかもしれません。

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