お葬式が終わったら
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お彼岸に供える花
お彼岸の季節には、お墓参りにいくなどして先祖を供養します。お彼岸にお花を供える際、どのようなお花が相応しいのでしょうか。
ここでは、お彼岸に供えるのに相応しい花、相応しくない花についてご紹介します。
お彼岸に花を供える理由
お彼岸は、日本の仏教行事の一つであり、故人や先祖を供養する期間です。この時期に花を供えることには深い意味があります。仏教の教えによれば、花を供える行為は「仏様への敬意と感謝を表す」ことを意味します。お釈迦様が仏様に花を供えた逸話があり、それに倣って花を供える風習が広がりました。
また、花は「無常」を象徴するものとしても重要です。花は美しく咲き誇りますが、やがて枯れてしまいます。この姿は人生の儚さや無常を表しており、仏教の「生老病死」や「苦楽無常」の教えを思い起こさせます。お彼岸に花を供えることは、故人への追悼とともに、自分自身の生き方を振り返る機会でもあります。
さらに、花を供えることで、故人や先祖の霊を慰めると同時に、自らの心を清めるという意味もあります。美しい花が仏壇や墓前を彩ることで、心の平安を得ることができ、故人を偲ぶ気持ちが深まるのです。
お彼岸に相応しい花
お彼岸に供える花は、その季節や地域によっても異なりますが、一般的には以下のような花がよく選ばれます。
●キク科の花
キク科の花は、仏花を代表する花です。菊は、仏教において「邪気を払う」とされており、お盆や葬儀の際にも使用されることが多いです。花びらが散りにくく、長持ちするため、お墓や仏壇に供えるのに適しています。他にも、ガーベラやコスモス、キンセンカ、ダリアなどのキク科の花も、故人の好みに合わせて選ばれることがあります。
●カーネーション
カーネーションは、母の日のプレゼントとしても知られていますが、お彼岸のお供えにも適した花です。花持ちがよく、長期間飾ることができるため、仏壇や墓前に供えるのに向いています。特に白や淡い色のカーネーションが、お供え花として人気です。母の日に選ばれる赤いカーネーションは色合いが強すぎるため、避けるようにしましょう。
●ユリ科の花
ユリ科の花も、お彼岸に適しています。品があり厳かな印象を与える白い百合は、お彼岸の供花にもよく合います。花粉は事前に取り除いておくと衣服に着くのを避けられるでしょう。
●春のお彼岸におすすめの花
春のお彼岸には、ストック、トルコギキョウ、スイートピー、フリージアなどが選ばれます。これらの花は色鮮やかで春らしい印象を与え、長持ちする特徴があります。また、香りの良い花も多く、仏様や故人が香りを楽しむとされている仏教の考えに基づいて選ばれることが多いです。
●秋のお彼岸におすすめの花
秋のお彼岸には、胡蝶蘭、デンファレ、リンドウなどが人気です。これらの花は上品で風格があり、秋の落ち着いた雰囲気に合います。また、これらの花も長持ちし、仏壇や墓前に長期間供えることができるため、忙しい方にもおすすめです。
お彼岸に相応しくない花
お彼岸に供える花として避けるべきものもあります。これらの花は、特定の意味や特徴があるため、供える際に注意が必要です。
●ツル科の植物
ツル科の植物、例えばアサガオなどは「故人が現世に囚われて成仏できない」という意味が込められているため、お彼岸の供え花には不向きとされています。また、茎に強度がないため、飾りにくく、お墓に巻きつく可能性もあります。
●香りが強過ぎる花
香りが強い花は、お墓参りに来る他の方々の迷惑になる可能性があります。また、強い香りは虫を引き寄せることがあるため、お墓や仏壇に供える花としては適していません。白いユリでもオリエンタルユリやカサブランカは香りが強いため避けた方が無難でしょう。オミナエシ、金木犀なども同様です。
●トゲのある花
アザミやバラのようなトゲを持つ花も、お彼岸には不向きです。トゲは攻撃的なイメージを持ち、仏様や故人に対して失礼にあたるとされています。また、供える際にトゲが手に刺さる危険があり、他の人々の迷惑になることも考えられます。
●色の濃い花
濃い色でも紫は問題ありませんが、赤やオレンジの花はお彼岸には不向きのため避けるようにしましょう。
●毒のある花
スズランや彼岸花など、毒性のある花はお彼岸の供え花には適しません。これらの花は、茎や花粉から毒が出ることがあり、安全性の観点からも避けるべきです。
お花を供えるときのマナー
お彼岸に花を供える際には、いくつかのマナーや注意点があります。
●花は自分に向けてお供えする
仏壇やお墓に花を供える際、花は自分側に向けて飾るのがマナーです。これは、花が枯れていく様子を通して、命の尊さや無常を学ぶという仏教的な教えに基づいています。また、花を自分に向けて飾ることで、心を落ち着かせ、故人を偲ぶ気持ちを深めることができます。
●飾る花の本数は奇数にする
お墓や仏壇に飾る花の本数は、3本や5本などの奇数にするのが一般的です。偶数は「割り切れる」という意味から、「故人との縁が切れる」ことを連想させるため避けたほうがよいとされています。
●お墓に供える場合は花を一対準備する
お墓には通常二つの花立があるため、花は必ず一対ずつ準備するのがマナーです。本数や花の色、種類を揃えてお供えすることで、バランスが良く見た目も整います。
●花が長持ちするよう配慮する
供えた花はなるべく長持ちするように管理することが大切です。花立をきれいに洗ったり、水切りをしたりして、お墓や仏壇に供えましょう。また、こまめに水を換えたり、枯れた花をすぐに片付けることで、清潔な状態を保つことができます。
お彼岸に供える花は、故人や先祖を敬い、感謝の気持ちを込めて選ぶことが重要です。正しいマナーを守りながら、お彼岸を過ごしましょう。