お葬式が終わったら
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喪中のお正月の過ごし方
家族が亡くなったあと、遺族は一定期間喪に服します。喪中の期間、お正月にやってはいけないことや気をつけるべきことはあるのでしょうか。
ここでは喪中のお正月の過ごし方についてご紹介します。
喪中とは
「喪中」とは近親者の死を悼む期間のことを言います。喪服を着て亡くなった家族の冥福を祈り、外出を避けることを「喪に服す」と言い、死後一年間は「喪中」となります。
この期間はお祝い事を避けるため、年賀状などおめでたい挨拶は控える必要があり、「喪中はがき」で年賀欠礼を伝えることが最近では定着しているようです。
喪中の期間については徳川幕府の時代に「服忌令」で13か月と定められていました。しかし昭和22年に服忌令は廃止されていますので、期間を定めた法律はありません。
しかし一般に一周忌を迎えるまでは「喪中」と考えるのが一般的になっており、以下はおおよその参考です。喪中の期間は故人との間柄によって変わり、また地域の風習よっても考え方が変わります。
続柄 | 期間 |
両親、配偶者 | 12~13か月 |
子供 | 3~12か月 |
兄弟、姉妹 | 90~150日 |
祖父母 | 90~150日 |
喪に服すのは一般に二親等までと考えられているため、一親等である両親・子供、二親等である兄弟姉妹、祖父母などが服喪の対象になります。
配偶者には血縁関係がないため「親等」という考え方はありませんが、一親等と同様の期間の服喪が基本とされています。その他の親族については基本的に「喪中」と考えなくて良いですが、関りが深かった親族の場合は自身の気持ちも関係しますので、自主的に喪に服しても問題ありません。
お正月の過ごし方
喪中は、基本的にお祝い事を控えて過ごします。お正月と言えば、日本ではお祝い事の代名詞のような存在ですので、この期間はできるだけ派手なことは慎まなければなりません。
行なっていいことと避けた方がいいことについて、具体的に見てみましょう。
●年賀状
年賀状は新年のお祝いを伝えるもののため、喪中に送るのは控えます。
喪中であることを皆が知っていれば良いですが、中にはそうとは知らず年賀状を送ってくる人もいるかもしれません。そういった事態を避けるために、毎年年賀状のやり取りをしている相手には、「喪中はがき」を事前に送って、喪中であることと、そのために年始の挨拶は遠慮する旨を伝えるのが一般的です。
最近は年賀状離れが進み、SNSなどで新年の挨拶を受けることもあるでしょう。そういった場合は、繋がりのある人たちに見てもらえるよう、事前に自分のフィードに喪中であることを記載しているケースをよく見かけます。これも今風の「年賀欠礼」だと言えるでしょう。
一人一人にメッセージを送るのは大変な作業ですので、こういった方法も活用すると良いかもしれません。
●初詣
初詣はお祝い事のため、避けた方が良いというのが一般的な考え方です。しかし最近では、忌中でなければ行っても構わないとする意見が増えています。
仏教では四十九日間、神道では五十日間が忌中にあたりますが、神道では特に50日間は穢れとされているため、参拝のみでなく鳥居をくぐることも禁じられています。
このように忌中は喪中よりもより厳密にお祝い事を避ける必要がありますが、この期間を過ぎれば参拝することに問題はないと考える人も多くいます。
●おせち料理
おせち料理はお正月に食べる特別なお祝い料理ですので、喪中では控えましょう。おせち料理でなかったとしても、お祝いの会食などは控えるようにします。
●正月飾り
正月飾りはお祝いの飾りですので、喪中は控えます。門松やしめ縄を飾るのは神道の習慣であるため、五十日を過ぎれば飾っても構わないという考え方もありますが、喪中にお祝い飾りをするのは基本的に避けた方が良いでしょう。
●お年玉
もともとはお祝いのお餅をあげる習慣だったお年玉は、お祝いの習慣のため、本来は避けるべきだと言えます。しかし、子供たちにとっては楽しみにしている習慣の一つでもあります。
華美なポチ袋を避ければ、お年玉を上げること自体には問題はないでしょう。
喪中のお正月は、そうでない時に比べると避けるべきことが多い状況になります。
年に一度のお正月ですから、残念に思うこともあるかもしれません。
喪中は忌中ほど厳密な制限はないため、どうしても行ってはいけないという事はさほど多くはありませんが、避けた方が無難であることも事実です。毎年行っていることに捕らわれず、あえて故人を思ってお墓参りなどに行くのもお正月の過ごし方の一つかもしれません。