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形見分けとは

形見分けとは、故人が遺していった思い出の品々を遺族や親戚縁者、故人と親しかった友人・知人などが受け継ぐことを指します。文字通り、「形を見る」という意味から生まれた言葉で、故人の残した品を見て故人(形)を思い出すことから「形見」と呼ばれるようになりました。故人の身代わりになるという意味で「スソワケ」と呼ぶ地域もあります。

故人が愛用していた品を誰かが受け継いで使用していくことは供養の一つと考えられており、「もの」には魂があると考える日本独特の文化を反映した習慣であると言えます。故人が愛用していた品を遺族が受け継いでいく習慣は海外にもあり、装飾品や食器、時計などを代々受け継いでいきます。但し、これはものを大切に扱いうという考えから来ているもので、ものにも魂が宿るという考えとは別のようです。

遺品整理とは別のもの

形見分けと遺品整理は、どちらも故人の遺品を整理することですが、その目的や手順は異なります。

まず、形見分けは、故人から遺された品物の中から、特に思い出深く価値のある品物を選び、家族や友人、知人に分け与えることを指します。この作業は、故人の意志を尊重し、遺品を大切に扱い、永く受け継がれるようにすることが目的です。形見分けは、故人の生前の思い出や人間関係を振り返る機会となり、故人とのつながりを感じることができます。

一方、遺品整理は、故人が所有していた全ての品物を整理することを指します。遺品整理の目的は、遺族が故人の遺品を整理し、故人の死を受け入れることができるようにすることです。遺品整理には、まず遺品の仕分けから始まり、不要品を処分することが含まれます。また、遺品整理は、遺産相続手続きをスムーズに進めるためにも必要です。遺品整理を行うことで、故人の思い出を振り返ることもできますが、形見分けと異なり、家族や友人、知人に品物を分け与えることは主な目的ではありません。

形見分けは、故人の思い出を大切にしながら、家族や友人、知人に形見として受け継がれる品物を選ぶことが目的であり、遺品整理は、故人の遺品を整理し、故人の死を受け入れ、遺産相続手続きを進めることが主な目的であるということが言えます。

形見分けの方法

形見分けする遺品は故人の衣類や、小物などの愛用品、コレクション、書籍、楽器、家具など様々です。形見分けをする時期は忌明け後(四十九日法要の後)とされています。四十九日の法要の後に、参列された人に形見分けの物を渡すという場合も多いようです。

誰に何を渡すのかは悩ましい問題ですが、遺言状やエンディングノートにその記載があれば故人の意向に沿うのが良いでしょう。形見分けは故人と縁あった人に、故人縁の物を渡し、故人を思い出して供養していくという意味があります。そのためには、形見分けをされた人に喜んでもらえる物を選ぶことが大切です。

 

気をつけること

形見分けをする際、次のようにいくつか気をつけなければならないことがあります。

1.故人の遺志を尊重する。

形見分けは、故人が生前に大切にしていた品物を選ぶことが基本です。故人が残した遺品を尊重し、彼らが思い入れていたものをできる限り大切に保つようにしましょう。遺言が残っていれば、故人が望む相手に形見を渡すようにします。

2.遺族間の調整を行う

故人の遺品を選ぶときは、家族間で協議をすることが大切です。争いを避けるためにも、家族に遺品を公平に配分するように配慮しましょう。

3.記録を残す

形見分けを行う際には、選んだ品物について、誰が受け継ぐことになったのか、どのような思い出があるのかなど、遺品に関する情報を記録しておくことが望ましいです。これにより、将来的に何か問題が起こった場合に、誰がどの品物を受け継いでいるかを確認することができます。

4.形見分けのマナー

以下は、形見分けのマナーになります。

遠慮されたら、押し付けることは避ける。
衣類はクリーニングに出してから渡す。
故人にとっては大事な物でも傷んでいるもの、安価すぎるものは控える。
故人より目上の人には形見分けはしないのが基本。

また高額な物には贈与税がかかるため、事前に資産的価値を調べるようにしましょう。

形見の所有権は遺族にありますが、親族に何も相談せずに親族以外に高価な形見を渡してしまうとあとあとトラブルの原因になりかねません。形見を渡す前に、親族間で話をすることをお勧めします。形見分けの際のマナーについては、「形見分けのマナー」で詳しく紹介しています。

引き取り手のいない形見は遺品整理を

どうしても引き取り手がいなく、また遺族も使う予定のない形見は処分することになります。大切な思い出の品は取って起きたいものですが、整理しないといつまでも片付かなくなってしまいます。
遺品整理については以下で詳しくご紹介していますので、参考にしてみて下さい。

遺品整理の注意点ー前編ー

遺品整理の注意点ー後編ー

 

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