お葬式が終わったら
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遺品整理の注意点ー前編ー
形見分けについてはすでに紹介しましたが、ここではそれ以外の遺品の整理方法についてご紹介します。
「遺品整理」とは、故人の身の回りの荷物を整理・処分すること。量によっては大変な手間と時間を要します。近年は便利屋、遺品整理専門会社、特殊清掃業務会社といった、遺品整理を代行してくれる業者も多くあり、プロに任せるのも手。今回は遺品整理の基礎知識を紹介します。
遺品整理を始める前に、遺言書やエンディングノートの確認を
遺品整理において何よりも大切なことは、故人への想い、故人を偲ぶ気持ちです。故人の意思を尊重し、できるだけ希望を汲んで、手元に保管する物と処分する物を分類すること。なかには判断が難しい物もあると思いますが、そうすることで故人への供養にもなります。
したがって、手当たり次第に遺品整理を行なうのではなく、まずは遺言書やエンディングノートの有無を確認するようにしましょう。遺言書やエンディングノートに、遺品にまつわる故人の希望が記されている可能性があります。
また、人が亡くなった後にはさまざまな手続きをしなければなりませんが、その際に必要な物も遺言書などと一緒に探しておきましょう。たとえば印鑑、通帳、保険証、年金手帳など。なかには年金受給停止は死後10日以内というように期限が短いものもあるため、先に探して保管しておくことをおすすめします。
遺品整理のタイミングは遺族次第。遺族全員で行なうのがベスト
遺品整理を、いつ、誰が行なうかについての決まりはありません。故人が賃貸住宅で独居していた場合は、大家さんに退去日を確認して早急に行なわなければなりませんが、持ち家や同居の場合はいろいろ。葬儀が終わったその日に行なう人もいれば、遺族が一堂に会する四十九日法要や一周忌などを機に行なう人もいます。また、故人との思い出に浸りながら何年もかける人もいれば、何年か後、遺族の心が落ち着いたときに行なう人もいます。
故人の住環境や遺品の量、故人とのつながりの深さ、遺族の心情や都合などによって実に様々。また、遺品整理は遺族全員で行なうのがベストですが、自分ひとりやごく少数の遺族で行なう場合は、事前に他の遺族に連絡しておきましょう。後になって「勝手に処分した」「高価な◯◯を独り占めされた」などと言われるようなトラブルを避けることができます。
便利屋や遺品整理専門会社などプロに任せた方がいい場合もある
さて、いざ遺品整理を始めてみると、故人と同居していた場合は整理する物自体が少なく、遺族の都合に合わせて比較的スムーズに行なえるものです。しかし、故人の住まいが遠方にあったり、たとえ近くても賃貸住宅で独居していたりする場合は、遺品整理に多くの時間を割けないもの。故人が一軒家に住んでいて荷物が多い場合や、大型家具や家電を運び出すなどの作業には、相当の労力も要します。
ましてや平時ではなく、大切な人を亡くした後ですから、想像以上に精神的負担がかかりかねません。それはきっと、故人の望むところではないはず。下記などの理由から、遺族のみで遺品整理をすることに困難を感じたら、便利屋や遺品整理専門会社などプロに依頼する方が賢明といえます。
●仕事などで忙しく、時間がとれない
●故人の住まいが遠方にあり、なかなか行けない
●一軒家など故人の生活スペースが広く、荷物が多い
●故人が賃貸住宅に住んでいたため、退去日まであまり(ほとんど)日がない
●通帳、年金手帳、土地の権利書など、探してほしい遺品がある
●悲しみが深く、作業がはかどらない
●足腰が弱く、身体的・体力的にきつい、など
引き取り手がなく、不要品となってしまった遺品の処分の仕方は?
遺品整理後、引き取り手のない物を処分する方法は、大きく分けて4つあります。
処分の方法 | |
1 | リサイクルショップなど買取業者に依頼する |
2 | インターネットオークションに出品する |
3 | 図書館や博物館、故人にゆかりのある施設などに寄贈する |
4 | 廃棄する |
1.リサイクルショップなど買取業者に依頼する
状態の良い家具や家電、新品の食器、ブランド品などはリサイクルショップなどに買い取ってもらえる可能性があります。大型家具など運搬が大変な場合、出張買取サービスのある業者を利用すると便利。業者によっては、金額の付かない物も引き取ってもらえます。
2.インターネットオークションに出品する
本やCDは、中古品を取り扱っている専門店に持ち込んでみるとよいでしょう。近年は、本やCDをダンボールに詰めて発送するなど、店舗に出向かなくてよい店もあります。また、レコードや切手、フィギュアなど、故人が趣味でコレクションしていた物があれば、コレクターズショップに問い合わせてみても。コレクション以外の物も含めて、インターネットオークションに出品するのも一つの手です。
3.図書館や博物館、故人にゆかりのある施設などに寄贈する
もしも故人の愛用品を売ることに抵抗がある場合は、本なら図書館というように関連する施設や、故人が生前お世話になった施設などに寄贈する方法もあります。ただし、物や先方の都合によるため、引き取ってもらえるかどうかは事前に確認しましょう。
4.廃棄する
最終的に行き場のない物も多くあると思いますが、それらは廃棄することになります。廃棄の仕方は、必ずその地区のルールや家電リサイクル法に従ってください。大型の家具やテレビなど一部の家電は有料になります。
以上、4つの方法を紹介しましたが、時間がないなどの理由で一気に処分したい場合は、便利屋や不要品回収業者に依頼するとラク。もちろん便利屋や遺品整理専門会社には遺品整理からお任せすることもできます。
次回の「遺品整理の注意点~後編~」では、便利屋や遺品整理専門会社への依頼の仕方や、気をつけるべきポイントなどをご紹介します。