お葬式が終わったら
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お盆の過ごし方
お盆は仏教行事のひとつですが、日本では、仏教に詳しくない人や関わりのない人にもなじみ深い行事となっています。しかし、実際のところお盆という行事が一体どのような意味があるのかについては、知らない人が多いのではないでしょうか。ここでは、お盆の持つ本来の意味についてご紹介し、現在の供養の方法についても触れていきましょう。
お盆について
●お盆とは
お盆とは、祖先の魂を供養するために行われる夏の行事で、この時期には先祖の魂が浄土からこの世へ降りてくるといわれています。お盆の正式名称は「盂蘭盆会(うらぼんえ)」で、お盆はその略称です。
お盆は本来7月中旬に行われるのが主流でしたが、ひと昔前までは農作業を行う人が大半を占めており、7月中旬は農作業で忙しい時期でもあったため、少しずつずれて8月中旬に行われるように変化していきました。現在では、7月の場合は7月13日から4日間、8月に行われる場合は8月13日から4日間とする地域が多い傾向があります。日本では、この時期には仕事を休んで先祖の供養を行うという考えが元になり、「お盆休み」が定着するようになりました。
●お盆の由来
お盆の由来は、釈迦の弟子が、鬼道に入ってしまった亡き母を救うため、7月15日に供養を行ったことで母が成仏したことが始まりと言われています。また、盂蘭盆会の由来は「逆さ吊り」という意味を持つサンスクリット語の「ウランバナ」から来たものとされています。鬼道に落ちて逆さまになり苦しみを被っているモノを助け、供養するためにこの言葉が選ばれたのですね。
●盆踊りとは何か
夏休みに盆踊り大会がある地域は非常にたくさんありますね。この盆踊りというのは、鬼道に入った魂が、そこから抜け出すことができたことへの喜びを表した踊りです。お盆で最も盛り上がる瞬間であり、供養が行われた後の最終日頃に行われます。
新盆での供養の方法
供養の方法は毎年同じ方法で行われますが、特に四十九日が終わった後に迎える「新盆」では、あの世へ行ってしまった先祖が初めてこの世へ戻ってくる期間であるため、特に熱く供養する傾向があります。以下に、新盆で行う事についてご説明いたします。
【1】お墓参り
お盆の初日は、お墓参りをする日です。お盆は先祖がこの世へ降りてくる期間ですので、先祖をお墓へ迎えに行くのがよいでしょう。お墓参りで気を付けなければならないことは、生ものを置きっぱなしにしないことです。先祖が生前に好きだったものだから…とお供えしたとしても、カラスなどに荒らされたり腐ってしまったりすると、衛生的ではありません。お酒も同様に、お墓にかけたりせず、お供えをし、帰りには持ち帰るようにしましょう。
【2】祭壇と飾り
お盆の期間は、先祖をお迎えするための祭壇を作り、位牌と共にだんごや季節の野菜などを備えます。また、キュウリとナスに割りばしを4本ずつ刺し、キュウリは馬、ナスは牛に見立てたものを飾る風習があります。キュウリの馬は、お盆の時期が早く迎えられるように願う気持ちが、ナスの牛には、お盆が終わった後はのんびりと帰ってもらうという気持ちが込められています。
【3】迎え火
お墓参りを終えた初日の夕方は、精進棚あるいは縁側などで、野火あるいは提灯に火をともします。これは「迎え火」といい、この世に降りてきた先祖が自宅に来るまでに道に迷わないようにという意味が込められています。
【4】供養
お盆期間の中日には、お坊さんを呼んだり親戚で集まって飲食をしたりして、先祖の供養を行います。特に新盆の際はお坊さんを家へ呼び、お経をよんでもらうのが一般的とされています。お寺へ出向いて供養を行ってもらう際は、お供物料として5千円~1万円を持参していきましょう。
法要には、親せきを初めとし、友人や知人などを呼ぶケースも多くあり、その場合は精進料理を出しておもてなしを行います。お盆の時期は限られており、お坊さんはその時期には非常に忙しくなりますので、新盆があることが分かっているのであれば、早めに予約をすることをおすすめします。
【5】送り火
お盆の最終日には、迎え火をともした場所で再び火をともします。これを、「送り火」と言います。送り火は迎え火と反対の意味を持ち、先祖があの世へ迷わずに帰ることができるようにという願いが込められています。地方によっては、この送り火を灯篭へ移し、川へ流す「灯篭流し」が行われるところもあります。