お葬式が終わったら
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喪中と忌中の過ごし方
「喪中」と「忌中」という言葉を聞いたとき、その違いが分からないという人は多いはず。
同じ意味だと思っている人も少なくないでしょう。
実はそれぞれに意味があり、どのように過ごすかの決め事があります。ここではそれぞれの意味と期間、過ごし方についてご紹介します。
喪中とは
「喪中」とは近親者の死を悼む期間のことを言います。喪服を着て亡くなった家族の冥福を祈り、外出を避けることを「喪に服す」と言い、死後一年間は「喪中」となります。
この期間はお祝い事を避けるため、年賀状などおめでたい挨拶は控える必要があり、「喪中はがき」で年賀欠礼を伝えることが最近では定着しているようです。
喪中の範囲と期間は以下の通りです。
続柄 | 期間 |
両親、配偶者 | 13か月 |
子供 | 13か月 |
兄弟、姉妹 | 150日 |
祖父母 | 150日 |
その他の親族については基本的に「喪中」と考えなくて良いですが、関りが深かった親族の場合は自身の気持ちも関係しますので、その場合は年賀欠礼をしてもかまいません。
喪中に関してはさほど厳密ではなく、最近では祝い事であっても中止や延期が難しいものであればやむを得ないとする考えが一般的となっています。
忌中とは
「忌中」の考えは、神道に基づいています。「死は汚れたもの」という考え方をもとに、忌中は一切の外出やお祝い事への参加を避け、一定期間自宅にこもるのが忌中です。
この「一定期間」は宗教によって様々な考え方がありますが、現在では「四十九日」の法要のあとを「忌明け」とするのが一般的です。
続柄 | 期間 |
両親、配偶者 | 50日間 |
子供 | 30日間 |
祖父母 | 30日間 |
兄弟、姉妹 | 20日間 |
忌中は喪中よりも比較的厳密で、この時期のお祝い事は基本的に避けるのが常識となっています。それでも最近では、「例外」に関しての柔軟な考えが増えています。
忌中・喪中の結婚式は避けるべき?
忌中も喪中もお祝い事を避ける時期として位置付けられていますが、喪中の「できるだけ」に比べると、忌中のほうがやや厳密です。ただし、やむを得ない事情がある場合はこの限りではありません。
例えば、入籍や結婚式はお祝い事ですが、すでに結婚式場に予約を入れて招待客にもその旨を伝えている場合はやむを得ない範囲と考えてよいでしょう。
数か月後であれば日程の変更などの融通も効くかもしれませんが、1か月後などの場合はキャンセル料などの費用負担が発生する場合もあり、変更が難しくなります。
もし故人が楽しみにしていたのであれば、結婚式も一つの供養という考え方もあります。但し、親族から「非常識」と言われないよう、事情をよく話す必要があります。
逆に、自身の心情的に延期したいと考える場合もあります。その場合は無理に行うことはせず、式場に相談して延期の手続きを行いましょう。
招待されている側の場合は、忌中や喪中であることを伝えて辞退しても失礼には当たりません。ただし、様々な事情で参加すると決めた場合は、お祝いの場で喪中であることをあえて伝える必要はありません。
初詣、お宮参りに行っても良いか
初詣やお宮参り、七五三などの行事はどうでしょうか。
忌中の初詣は避けるのが基本ですが、七五三などある程度時期の決まっているものに関してはこちらもやむを得ない範囲となります。但し、これも親戚などにはやむを得ない事情を一言伝えたほうが良いでしょう。
お中元、お歳暮は送っても良いか
贈答品は季節の挨拶の一つですので、お祝い事にはあたりません。特に気にする必要はありませんので、贈ってよいものです。但し、こちらも忌中を避けるのが無難のようです。
年賀状は喪中はがきで欠礼を
これは大部分の人が知っている通り、自分が喪中の時は「年賀欠礼」といって、新年の挨拶を避けるのが礼儀です。亡くなった親族との関係に従って、喪中の時期に当たる場合は年賀状を出さないのが日本では常識となっています。
毎年年賀状のやり取りをしている相手には、「喪中はがき」を事前に送って、喪中であることと、そのために年賀状を送れない旨を伝えるのが一般的です。
では、相手が喪中の場合にはどうすればよいかというと、実は年賀状を送っても非常識にはあたらないのです。但し、このことを知っている人は意外と少ないため、中には「喪中はがきを送ったのに年賀状を送ってくるなんて失礼だ」と思う人もいるかもしれません。その場合を考えると、新年の挨拶ではなく「寒中見舞い」などにするのが無難と言えます。