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相続でもめないための注意点

ひと昔前までは、親の遺産は親と同居する長男が継ぐものでしたが、最近では、遺産相続人の権利がある者どうしで”均等に”配分するという価値観が定着してきています。相続問題は、この”均等に”というところに火種があります。

遺産は、お金という形だけであれば均等配分は簡単ですが、遺産の中には持ち家や株、貴金属、その他の高価な家具など、実にさまざまな種類があります。これらを、兄弟で均等に分けるとなると、なかなか難しいことが分かります。相続でもめないようにするためには、一体何に気を付ければ良いのでしょうか。

 

相続の注意点1

 

遺産分割の方法を把握しておく

遺産の分割方法は、予め把握しておくと、いざという時に焦らずに済みます。話し合いをするためには、ある程度の知識を得た後に行う方が、スムーズに進むからです。

 

現物分割

現物分割は、現金を分割する方法です。1円単位まできれいに分割することができますので、問題なく分割できます。

換価分割

換価分割は、家や土地、株、金品などをすべて売却して現金に換え、分割する方法です。空き家になってしまった場合や、持っていても使い道に困る上、分割しづらい場合などは、現金化してから分けた方が問題になりにくいでしょう。

代償分割

代償分割は、一人の相続人がある遺産を相続する代わりに、他の相続人の相続分に値する分を現金で支払うという方法です。例えば、故人と同居していた長男がそのまま家と土地を相続することになった場合、長男以外の兄弟の相続分の家と土地の金額を、それぞれの兄弟へ現金で支払うという方法です。

この例の場合、長男に十分な資金力があれば問題ありませんが、遺産相続が起きる多くの場合は、長男がその他の兄弟へ現金で支払うことができないか、長男に多大な負担がかかります。また、家や土地以外のものの代償分割となると、価値をどのように見積もるのかという点でも問題になりがちです。代償分割する場合は、資金力と分割のしやすさをしっかりと鑑みることが大切です。

共有分割

共有分割は、現金のようにきちんと分割できない資産を、相続人どうして共有する方法です。最も多いのは、実家の名義を共有名義にすることです。一見問題なく事が進みそうに思えますが、共有している兄弟の誰かが、その名義分を売りたいとなった場合、大きな問題が発生します。

 

このように、遺産の分割方法と特徴を知っておくと、何をどのように分割すれば良さそうかの判断がつけやすくなります。また、将来起こりうる問題に対しても、分割する時点で話し合うことができれば、円満に済ませることもできそうです。

 

相続の注意点2

 

生前に確認しておくべきこと

遺産相続でもめる理由のひとつに、「当人が亡くなっていること」が挙げられます。故人の意向が明確でない限りは、遺産は相続人どうしの話し合いで分けるしかありません。相続の話し合いでもめないようにするためには、以下のことに気を付けましょう。

 

遺産相続人が誰になるのかを、明確にしておく

まず確認しておきたいのは、遺産相続人が誰かということです。故人の遺書などがなく、どのように分ければ良いのか分からない場合は、民法で定められた法定相続人が、指定の割合分を相続する形となります。

また、その他にも父親と養子縁組になっている者や、父親が自分の子として認めた者、そして、全く血がつながっていない人であっても故人が長年介護でお世話になった方に遺産を分けたいと思い、養子縁組を組んでいる場合も、法定相続人の権利があります。当人の死後に次々と法定相続人を名乗る人が現れて混乱することがないよう、相続人については当人を含めてきちんと話し合いをしておくか、エンディングノートや遺書として遺産の分配方法を記載してもらうことが大切です。

 

どのような資産があるかを把握しておく

資産が様々な形態で存在する場合、当人が生きているうちに全容を確認しておくことも大切です。リスト化をしておけば、それらをどのように分けるべきか、当人の意向を聞くこともでき、事がスムーズに進みます。最低限の情報で良いので、どのような資産があるのかをリスト化し、今後の分割方法や取扱方を把握・検討しておくことも大切です。プラスの遺産だけでなく、負の遺産があるかどうかも確認しておくことも忘れずに。

 

 

 

 

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