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遺骨を宅配便で郵送?

遺骨を宅配便で送る?段ボールに詰め、依頼伝票を貼って渡す、あの宅配便で遺骨を送ると聞くと、驚きと違和感を持つ人も多いのではないでしょうか。

実はこれは法律的には問題がなく、永代供養とセットで郵送を受け付ける寺院も徐々に増えています。

但し受付可能な宅配業者は限られていて、現在はゆうパックのみとなっています。ヤマト運輸や佐川急便では受け付けていませんので注意が必要です。

ゆうパックでも送骨が可能なことを積極的に告知しているわけではありませんので、料金表に「遺骨」という欄はありません。
他の宅配業者は「遺骨」と申告した時点で補償できないことを理由に断られてしまいますが、ゆうパックだけは断られないという状況です。

補償の範囲は他の荷物と同様で、通常配送なら30万円、370円を追加してセキュリティサービスにすると50万円になります。

ちなみに、ヤマト運輸では位牌や仏壇も宅配の対象外となっています。

 

送骨1

 

なぜ送骨するのか

人が亡くなれば遺族が通夜・お葬式を行い、初七日から四十九日の法要を経て代々受け継がれてきた墓に埋葬する。その後は遺族ができる範囲で年忌法要を行っていく。現在でも大半の人の死後はこのような流れを取るでしょう。

しかし昨今の「家族葬」や「直葬」に象徴されるように、おおげさでなく、できるだけ費用をかけずに簡単に済ませたいと考える人が増えている実中、埋葬に関してもお墓の管理の大変さを理由に永代供養を選ぶ人が増加傾向にあります。そしてついには遺骨までも宅配便で納骨するというのは、前衛的と言っていいのかどうか議論が分かれるところです。
送骨を選ぶ人たちにはいったいどのような事情があるのでしょうか。

子に迷惑をかけたくないと考える親たち

少子化が進む中、「親のお墓に入る?自分のお墓を建てる?」でも紹介している通り、墓の在り方が残された子世代の負担になるのは事実です。
費用がかかるのはもちろんのこと、管理の手間や精神的負担を考えれば、墓など持たなくてよい、遺骨は散骨か永代供養でかまわないと言った内容を遺言する親も増えています。

 

現実的に費用が払えない

貧困老後が問題になっていますが、子の世代に経済的余裕がなかったり、家族の介護費用がかさんだり、現実的にお墓を準備できない人も増えています。
様々な理由で先祖代々の墓に納骨することができない、または墓自体が無い場合、新たにお墓を購入しようとすると100万円~200万円程度の費用がかかってしまうため、とても負担できないと考える子供世代の苦渋の選択というケースもあります。

とはいえ、上記のようなケースではせめて遺骨くらいは自分たちで運んでも良いのではないかという気もしてしまいます。
送骨を選ぶには、さらに以下のような現実が重なっている場合があるようです。

 

体力的に難しい

高齢化社会では子の高齢化も進んでいて、体力的に長距離の移動が難しい場合があります。遺骨を運ぶには車を運転するか公共の交通機関を利用することになりますが、体のどこかを患っていたり、体力が衰えていたりして負担が大きい場合や、寝たきりになってしまっていることもあるでしょう。送骨はそんな時に選択できる一つの手段となるようです。

 

送骨の費用

では送骨は実際にどれくらいの費用がかかるのでしょうか。
送骨は基本的に永代供養込の料金になっていて、送料のみはどの寺院も明記していません。合同納骨の場合ほとんどの寺院が3万円前後から5万円程度で受付けており、個別納骨の場合はその分費用が高くなりますが、それでも10~20万円と墓地購入の1/10の費用です。
ちなみに、送骨込の永代供養の受け付けは全国で行われていて、寺院が直接申し込みを受け付けたり、NPO法人が代理となって取り次いでくれたりする方法があります。
墓地は用意できないが、供養だけはきちんとしたいと考える人には一つの選択肢になるでしょう。

 

送骨3

 

送骨の手順

送骨を受け付けている寺院やNPO法人のホームページを見ると、梱包方法を丁寧に紹介しています。
ここでは、パックを利用しない場合の梱包方法の一例を紹介します。


1.
骨壺より一回り大きい段ボールを用意する

2.遺骨の蓋がはずれないようにガムテープで固定する。
3.骨壺が動かないように大目に緩衝材を入れる。新聞紙やプチプチなどでOK。
4.寺院に指定された書類を同梱する
  ※火葬証明書、埋葬承諾書などが必要になります
5.ガムテープで蓋を固定し、ゆうパックの送り状を貼る。

 

 

送骨パックなる梱包用のパックをセットに含んでいるところもあり、骨壺梱包用の段ボール自体に緩衝材がセットされています。送骨する寺院が決まったら、問い合わせてみると良いでしょう。

送骨は永代供養のために取られる手段ですが、行き場所の無い遺骨もあります。遺体や遺骨の引き取り手がいない場合の死者のことを行旅死亡人といいますが、これについては次回詳しくご紹介します。

 

送骨2

 

 

 

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