忌引き明けのマナーとは？ケースごとに紹介

忌引き明けとは

忌引き明けとは、身内の不幸により取得していた「忌引き休暇」が終了し、職場へ復帰するタイミングを指します。一般的には、親族の葬儀や法要に参列するために一定期間仕事を休み、その期間が終わったあとに通常業務へ戻ることになります。忌引ききは誰にでも起こりうる事柄であり、社会的にも配慮されるべき事象とされていますが、その分、職場復帰時の振る舞いや言動には一定のマナーが求められます。

特に会社員としての忌引き明けは、休暇中に代わりに業務を担ってくれた上司や同僚への配慮が欠かせません。突然の不在により業務が滞ったり、取引先への説明が必要になったりと、周囲が何かしらの対応をしてくれているためです。よって、忌引き明けにはお詫びと感謝の気持ちを持って出社することが、社会人としてのマナーとされています。

また、忌引き明けは心身ともに負担の大きい時期でもあります。大切な人との別れを経験し、悲しみが癒えないまま職場に戻ることもあるでしょう。しかしながら、社会人としての自分を取り戻す大切な一歩でもあるため、休暇期間のフォローに対する感謝を表すことが、周囲との関係を良好に保つ助けになります。

忌引き明けにするべきこと

忌引き明けに職場へ出社する際は、最初に直属の上司へお礼とお詫びを伝え、葬儀を無事に終えられたことや休暇中の配慮に対する感謝を述べます。

次に、同僚への挨拶も欠かせません。自分が不在だった間に仕事を代行してくれたり、急な業務調整に対応してくれた人たちへ、感謝の気持ちを言葉でしっかり伝えることが大切です。また、部署全体に向けた朝礼の機会などがある場合は、簡潔に挨拶を述べるのも良いでしょう。

さらに、菓子折りを持参するかどうかを検討することもあります。これは絶対的な義務ではありませんが、職場の慣習や雰囲気に応じて判断するのが良いでしょう。個包装されたお菓子などを選べば配りやすく、職場で気軽に受け取ってもらえます。自分の気持ちをさりげなく表現する手段として、お菓子を添えることは効果的です。

また、香典や弔電をいただいていた場合は、御礼の菓子折りとは別に「香典返し」を別途用意する必要があります。

忌引き明けの挨拶で気をつけるべきこととは？

忌引き明けの挨拶は、単に形式的なものではなく、相手への配慮と思いやりを込めることが求められます。出社後、できる限り早めに関係者へ一言伝えるのが基本とされています。

挨拶の内容については、「休暇をいただいたことへのお礼」「迷惑をかけたことへのお詫び」「お葬式が無事に終えられたことの報告」の3点を押さえるとよいでしょう。過度に長くならず、要点を簡潔にまとめることが大切です。

同僚への挨拶も忘れてはなりません。上司ほど形式ばらずとも問題ありませんが、不在中のサポートに対する感謝を、できれば一人ひとりに直接伝えるようにします。

挨拶の際に注意したいのが、「忌み言葉」や過度な感情表現です。たとえば「重ね重ね」「再び」などの言葉は避け、明るすぎず、かといって沈みすぎないトーンを心がけると無難です。また、挨拶に伴って香典返しや菓子折りを渡すのも良いでしょう。

なぜ挨拶や菓子折りが必要なのか？

忌引き明けに職場で挨拶や菓子折り渡すのは、休暇中にかけた負担やフォローに対する感謝の意を表すためです。忌引き休暇中は、どうしても業務の一部に穴が空くことになります。その間、上司や同僚は業務を調整したり、取引先へ説明したりと、自分の代わりにさまざまな対応をしてくれているのが実情です。そうした協力に対する「感謝の気持ち」を表す必要があります。

挨拶は、その第一歩です。単なる再出社の報告ではなく、相手への敬意や配慮を込めた対話の場としての意味を持ちます。

また、菓子折りは「形ある感謝」としての役割を果たします。受け取った相手にとっても、あなたが気を遣っていることが伝わりやすく、場の空気を和らげる効果もあります。必ずしも高価なものを用意する必要はなく、個包装で分けやすいものを選ぶのがポイントです。例えば、クッキーや焼き菓子、せんべいなどは職場での受け入れも良く、好まれやすい選択といえるでしょう。

最近はリモートワークを導入している会社も多く、同じタイミングで配ることができない可能性もあるため、賞味期限の短いものは避けて日持ちのするものを選ぶと安心です。