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納骨しなくても違法にならない

納骨については、定められた時期や方法はありません。極端に言うと、納骨しなくても問題ありません。保管者がずっと手元に置いておいたとしても、法律上のルール違反にはならないのです。

但し、自宅の庭に埋めようとすると違法になります。
これは「墓地、埋葬等に関する法律」において定められており、墓地以外の場所に遺骨を埋めることは出来ない決まりになっています。

墓地、埋葬等に関する法律(昭和23年5月31日法律第48号)

https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/seikatsu-eisei15/

但しこれは墓地以外に埋葬することを禁じているものであって、自宅に保管しておくことを禁じてはいないのです。

 

納骨の一般的な時期とは

このように、極端に言えばしなくても良い納骨ですが、古くからの習慣もあり、多くの遺族が遺骨を墓地に納骨しています。違法ではないとはいえ、自宅に安置し続けるのはかなりの少数派と言えるでしょう。

時期については様々ですが、四十九日の法要に合わせて納骨することが多いようです。
次に多いのが一周忌で、三回忌に合わせる人は大分少なくなります。

必ず法要に合わせなければいけないということはありませんが、法要と納骨式を合わせて行うのは遺族だけでなく、参加者の負担が軽減できます。

もちろん、法要の時期に合わせず納骨式のみを行うことも可能です。

また四十九日の法要は仏教の考えに基づいていますので、神式やキリスト教式ではこの限りではありません。

四十九日での納骨

納骨の時期で一番多いと言われる四十九日の法要ですが、これは満中陰とも言われ、中陰法要の最期の法要になります。中陰とは仏教の考え方の一つで、人は亡くなってから四十九日間にわたって十王(じゅうおう)の裁きを受け、その裁きによって浄土へ召されるかどうかが決まると言われています。これを中陰(ちゅういん)と呼びます。

 

中陰法要は7日ごとに7回行い、最期の法要は四十九日と言って中陰の満期にあたり、「満中陰」とも呼ばれます。

遺族は故人が浄土へ行けるように法要を開いて祈りますが、四十九日には晴れて浄土へ召されると考え、またこの日を境に忌明けとなることから、四十九日の法要に合わせて納骨する人が多いと考えられます。

このように四十九日の法要は仏教の考えに基づいているため、神式やキリスト教にはありません。

また、四十九日で納骨を行うには、物理的にお墓がある場合に限られ、故人が亡くなってからお墓を準備する場合は2~3か月ほどかかるため、間に合わないケースもあります。その場合は、次のタイミングである一周忌に納骨を合わせることになります。

 

一周忌での納骨

四十九日だとお墓の準備が出来ていない、遺族の気持ちの整理がついていないなどといった理由から、一周忌に納骨する人も多くいます。

一周忌とは年忌法要の一番初めに行うもので、故人の命日に遺族が冥福を祈って行います。年忌法要の中でも最も重要と考えられています。仏教発祥の地であるインドでは一周忌のような習慣はありませんでしたが、中国に伝来したあとに以前からあった儒教の「考」が取り入れられて、死者を弔う「法要」が行われるようになりました。他の法要は省略しても、一周忌だけは行うという人もいます。四十九日では色々と準備が整っていない状態でも、一周忌を迎える頃には納骨できる状態になることも併せてこの時期を選ぶ人も少なくありません。

また、あえて一周忌ではなく三回忌に合わせて納骨する人もいます。
最近では跡取り不足の問題からお墓を維持するか、別の場所に移すかなどの問題に悩む遺族も多く、納骨場所を決めるのに時間を要するケースも増えています。

こういった理由から、四十九日や一周忌ではなく三回忌に納骨する場合もあります。

仏式以外の納骨

神式、キリスト教などの仏式以外の納骨はどうでしょうか。

実は、宗教が違っても仏式の場合と変わらない時期に納骨するケースが多いようです。例えば神式の場合、「五十日祭」という忌明けの儀式があります。この時に合わせて「合祀祭」という故人の霊璽を祖霊舎にうつす儀式が行われます。
その後、一年祭、三年祭、五年祭と奇数年に法要を行いますが、この際に納骨する人もいます。

神式の法要

キリスト教の場合は、亡くなってから30日後に行われる追悼ミサ、プロテスタントの場合は1か月後の「召天記念日」のタイミングで納骨されることが多いようです。

キリスト教の法要

ただし、いずれも決まりが無いのは仏式と同様です。

このように、納骨の時期についてはどの宗教でも決められた時期はありません。遺族で話あって、皆が納得できる時期を決めるようにすると良いでしょう。

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