お葬式のマナー
お葬式のマナー
お葬式までに必要な書類と届出
家族が亡くなった時、お葬式の前に急いで対応しなければならない書類・届出があります。ここではその説明をします。
お葬式までに必要な書類
お葬式を行うまでに必要な書類は、以下の3点です。
死亡診断書
人が死亡したら、必ず医師に死亡診断書を記入してもらう必要があります。死亡診断書とは、人が死亡したことを医学、法律の面から証明するのを目的とした書類です。死亡した理由、死亡に至るまでの経緯などをできる限り詳細に記載するもので、作成できるのは医師に限られています。
病院で亡くなった場合は、死亡時刻や死因を病院側で把握できるため、書類は問題なく作成できます。しかし、自宅やそれ以外で亡くなった場合、死亡推定時刻や死因について医師が遺体の確認を行う必要があります。これを検案(リンク)、または死体検案と言います。死亡診断書と死体検案書は全く同じ様式になっているため、別の用紙を用意する必要はありません。死亡診断書は死亡届を提出するのに必ず必要になりますので、忘れず準備しましょう。
死亡届
日本では、国民を戸籍で管理しています。
人が生まれた時には出生届を提出する必要があるのと同様に、人が亡くなった時にも死亡の事実を届け出る必要があります。この事実を届け出るのが「死亡届」です。死亡届を提出すると戸籍に死亡の事実が記載されます。
日本の戸籍は家族単位で管理されているため、亡くなった人の戸籍を除外する必要があり、死亡届を提出すると、故人は戸籍から除籍されます。死亡届は、死亡の事実を知った日から7日以内に提出しなければなりません。もし国外で死亡した場合は、死亡の事実を知った日から3か月以内に提出する必要があり、これは戸籍法の86条に定められています。
期限 | 死亡の事実を知った日から7日以内(国外の場合は3ヵ月以内) |
提出先 | 故人の死亡地、故人の本籍地、届出人の現住地いずれかの市区町村役場 |
その他 | 医師の死亡診断書または死体検案書の添付が必要 役所では24時間365日受付 |
死亡届は死亡診断書(死体検案書)と一対になっていますので、診断書を医師に記入してもらい、死亡届は遺族が記入します。
戸籍法の第87条によって、死亡届を提出する人は以下に指定されています。
1.同居している親族
2.親族以外の同居人
3.家主、地主、家屋管理人、土地管理人
4.後見人,補佐人,補助人,任意後見人,任意後見受任者
しかし実際には、作成は親族などが行うものの提出は葬儀社が代行してくれるケースがほとんどです。
日本では多くの場合火葬を行いますが、火葬を行うためには埋火葬許可証が必要です。これを取得するためには、死亡届の受理が必須となっているのです。お通夜やお葬式の準備に追われる遺族が死亡届の手続きを行っていなかったという事態になった場合、火葬ができなくなってしまいます。そのため、遺族に変わって葬儀社が行うケースが多いのです。
但し、葬儀社には依頼せず菩提寺や自宅でお葬式を行う場合には自身で手続きを行なう必要があります。
埋火葬許可申請書
埋火葬許可申請書とは、遺体を火葬することを申請する書類です。一般的には死亡届を提出する時と同時に提出するものになります。その申請により、埋火葬許可証が交付されます。死亡届同様に葬儀社の代理申請が可能です。
期限 | 死亡届と同一 |
提出先 | 死亡届と同一 |
その他 | 埋火葬許可証が交付される |
埋火葬許可証
埋火葬許可証は、遺体を埋葬したり、火葬したりするために必要な書類です。「火葬許可証」という名称の自治体もあります。役所に死亡届と一緒に埋火葬許可申請書を提出すると、埋火葬許可証が発行されます。火葬場では、この書類がないと火葬を行えないことになっているため、たいへん重要な書類です。
最近では「エンバーミング」などの技術が発達し、数週間は遺体が腐敗しない状態を保てるようになりましたが、長期間にわたって遺体を保存することはできないため、死後数日~数週間の間には火葬されるのが一般的です。
お通夜、お葬式が終わった後、遺体を火葬場に搬送し、火葬を行うのが一般的な流れです。この流れをスムーズにするというのが、葬儀社が死亡届の提出を代行することの理由の一つです。
そのため、葬儀社に死亡届の代行を依頼する場合は、合わせて埋火葬許可証の取得まで行ってくれます。
もし遺族が自身で届出をする場合は、大切な書類ですので紛失しないように気をつけましょう。
お葬式の前に「前火葬」を行う地域ではこの流れも変わってきますので、事前に葬儀社に確認すると良いでしょう。
期限 | 火葬前 |
提出先 | 火葬場 |
その他 | 火葬後に埋葬許可証として遺族に返される |
埋葬許可証
埋葬許可証は火葬後に遺骨とともに渡される書類のため、お葬式の前には必要ありません。
火葬後の遺骨は自宅で後飾り祭壇を設置して保管し、四十九日の法要で墓地に埋葬するというのが一般的なケースです。それまでの間、紛失しないように遺骨と一緒に保管する人が多いようです。万が一紛失した場合でも再発行してもらえます。
期限 | 納骨時 |
提出先 | 墓所、霊園の管理者 |
その他の書類
その他、お葬式後に行う必要がある手続きについては、「【保存版】お葬式後の手続き一覧」でまとめていますので、参考にしてみて下さい。