facebookでシェア twitterでシェア
早すぎる終活が仇になった

50代後半で現役サラリーマンのFさん。既に子供は独立し、妻と二人暮らしになった時にエンディングノートについて知りました。

家のローン支払いと子育てという大役が終わったFさんは、今度は終活をするべきとばかり本屋に向かい、時間をかけて一冊のエンディングノートを選びました。

しかし、張り切ってエンディングノートを書こうと自宅で開いたはいいものの、ペンを持った手が全く動かなかったと言います。

 

まず、Fさんが書けなかったのは「葬儀に呼んでほしい人」という項目でした。

「今の自分が呼んでほしい人は、何十年後かも一緒なのだろうか?」

そんな疑問が手を止めてしまったようです。

新しく知り合いになった人は追加すればいいが、疎遠になってしまった人は二重線で消すのだろうか?それは失礼だ。色々考えるうちに、「葬儀に呼んでほしい人」が書けなくなってしまいました。

在職中のFさんは、財産に関してもまだまだ流動的でした。

いくつかの保険と株があるが、何十年後も保有しているとは限らないのでは。

次々と沸く疑問がFさんの終活意欲をすっかり削いでしまい、いつか書こうといってエンディングノートは何も書かれないまま、本棚に置かれているそうです。

 

これはよくあるケースで、現役の場合はまだまだ「自分の最期」が遠く、現実味を帯びない状態になってしまいます。そして、「いつか」書こうと考えてしまうのです。

ただし、終活に早すぎるということはありません。エンディングノートを書く際は、「書けるところから」が基本です。

Fさんのように疑問を持った項目については、無理に書かずに空欄のままでもかまいません。今現在書けそうな項目から埋めていけば良いのです。

 

エンディングノート書けない3

 

細かすぎるエンディングノートに拒否反応

70代のKさんは、テレビでエンディングノートを見たときに「これだ!」と思いました。

同世代の友人・知人の葬儀に出席することが多くなり、その時に故人の親族から「色々な処理が大変だった」という話をさんざん聞いていたからです。

几帳面なKさんが選んだのは、とても細かい内容が記載できる、一見充実した分厚いエンディングノートでした。

しかし、Kさんの場合もエンディングノートは白紙のままです。

 

自分で選んだものの、書かなくてはいけないことが多すぎて無意識に拒否反応を示すことになってしまったそうです。

几帳面な性格から、1ページ目から順番に全てを埋めようとしたそうですが、1ページ目が「自分史」となっており、自分の人生を振り返る流れから始まるエンディングノートだったために1ページ目が埋まらず、かといってそれを飛ばして次を書くのは気持ちが悪く、結局

エンディングノートは真っ白なまま引き出しにしまってあるそうです。

 

エンディングノート書けない2

エンディングノートのハードルを上げすぎない

エンディングノートを書こうとするくらいですから、もともと几帳面で真面目な人が多いのです。そのため、少しでも疑問がわくと手が止まってしまったり、はじめから順番に埋めないと気が済まない人も多く、結果としてせっかく準備したエンディングノートが手つかずになるという、悪循環に陥いってしまうようです。

エンディングノートに記載されている項目は一つの目安で、全てが必ず必要ということはありません。自分でオリジナルのエンディングノートを作成するという手もありますが、ある程度一般的な内容を網羅しているエンディングノートのほうが便利と考える人のほうが多いでしょう。

葬儀に関する希望を残すのか、財産について説明しておくのか、自分の死後の事務処理について依頼があるのか。一番必要と思われる内容のみにポイントを絞って書くというのも一つの方法です。

エンディングノートが書けない一番の理由は、自分でハードルを上げてしまうこと。

せっかくのエンディングノートを白紙にしない為の注意点を以下にまとめましたので、なかなか記入が進まない人はぜひ参考にしてみて下さい。

 

エンディングノートを白紙にしないポイント

 

いま書ける内容だけを書く。
すべてを埋めようとしない。
順番に埋めようとしない
鉛筆で記入して、書き直せるようにする
ポイントを絞る
イメージが定まらない内容は、方向性のみを示す。

 

もし白紙のエンディングノートがあったら、上記のポイントを参考にできる範囲で記入を始めてはいかがでしょうか。

 

エンディングノート書けない1

 

 

 

関連する記事

Related Articles

お葬式の準備

カテゴリで記事を探す

Category Articles