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理想の死に方とは?

死は避けることはできなく、誰にでも訪れるものです。しかし、その形は実に様々です。

若くして突然事故で亡くなる人もいれば、長い闘病生活の末に亡くなる人もいます。また、天寿を全うして老衰で亡くなる人もいます。

死の直前まで元気に過ごし、ある朝静かに息を引き取っている。このような最期の迎え方を「ピンピンコロリ」などと表現し、高齢者の間では理想の死に方とされているようです。

一方で、厚生労働省の統計によると日本では8割の人が病院で亡くなっているようで、現実はなかなか理想どおりにはいかないという事でしょうか。

もちろん病院で亡くなる場合でも、誰もが長い闘病生活の末に亡くなっているわけではありません。

老衰に伴う臓器の衰えで不調を訴え、検査入院中に亡くなった場合でも人生の最期は病院で迎えることになります。これはいわゆる病死ではなく、老衰による自然死と診断されることもあります。では、「自然死」の定義とは何を指すのでしょうか。

 

自然死の定義とは

自然死とは、外因死の可能性が全て除外され、死因となる疾病もない状態を指します。

外因死とは自殺や他殺、事故や自然災害、中毒など、病気以外の原因で亡くなることを言います。

これに対して、病気全般で亡くなることを「内因死」と言います。長い闘病の末、病気が原因で亡くなったと医師から診断された場合、突然死も心疾患や脳疾患など、内臓の不調によるものは全て内因死と呼ばれます。

そして、このどちらにも当てはまらないものが自然死ということになります。

自分がどのようにしてこの世を去るのかを考えた時、どうしても事故で死にたいとか、病気で死にたいと考える人はまずいないでしょう。

外傷もなく、病気でもなく、事故に巻き込まれるのでもなく、自然な加齢現象で天寿を全うするのは、やはり理想だと言えます。

 

老衰は増加傾向にある

では、日本人の何割が自然死しているのでしょうか。厚生労働省が発表している「人口動態統計」の平成30年の統計を見ると、自然死=老衰は8.0%と、一割にも満たないことが分かります。

これを見ると、8割が病院で最期を迎えると言うのも納得のいく数字ではないでしょうか。

 

 

平成30年 厚生労働省「人口動態統計」より抜粋

 

それに対し、内閣府の「高齢者の健康に関する意識調査」(平成19年)では、54.6%の人が最期は自宅で迎えたいと答えています。もちろん老衰による自然死を望むだけでなく、万一療養や介護が必要な状態でもできるだけ自宅で自然に過ごし、そのまま最期を迎えたいと考えている人も含まれています。

この数字を見ると、希望の最期と現実にはギャップがあるようです。

 

理想に近づくためには

人間は、生まれる場所と死に時は選べないと言われます。しかし、「死に方」については全く選べないという事もないかもしれません。

自然災害や事故に見舞われてしまった場合はこの限りではありませんが、もし健康に過ごすことが叶わず病気になってしまった場合、闘病生活を送るのは病院だけでなく、ケアホームや自宅などの選択肢が増えて来ました。

こういった選択も、自分の最期の迎え方には重要なポイントになってきます。

家族と話をする時間を持って、折に触れて理想の最期の迎え方について話し合っておくと言うのも、理想の最期を迎えるのには良い方法かもしれません。

ターミナルケア」では終末期についてご紹介していますので、参考にしてみて下さい。

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